「東京会議2020」で実現したこと

言論NPOは「東京会議2020」未来宣言を発表し、G7議長国の米国政府に提出しました


 「東京会議2020」は、参加10カ国のシンクタンクの合意で「未来宣言」を採択し、閉幕しました。


 「未来宣言」は、米中対立の出口は、あくまでルールに基づく自由秩序の下での米中、あるいは世界の共存でなければならず、その実現に向けて世界の民主主義国が協調して取り組む10カ国の決意を示したものです。


 3日間の議論を通し、参加者らは、米中対立の深刻化、長期化が避けられず、世界経済の分断すら危ぶまれているが、今回の新型コロナウイルス流行のような世界の共通課題の解決は、各国の協力の上にしか成り立たず、その協力は双方向的なものでなければいけないことを確認しました。


 その上で合意した同宣言では、世界の自由秩序を守り発展させるため、10カ国のシンクタンクが、世界が共存できる新しいルール作りや自国の民主主義の強化など以下5点において、積極的な貢献を行うことを盛り込んでいます。



「東京会議2020」未来宣言要旨


1.米国が国際社会での役割を重視し、G7で強いリーダーシップを取ることを今後も期待する。G7など世界の主要国は協調してリベラル秩序を守り、将来もその中心に立つ努力を続けるべきである。そのためにも主要国は、世界のシステムの安定や地球規模課題での協力を主導しなければならない。

2.中国が世界市場に平等のアクセスを求めるなら、中国は世界との相互主義を受け入れる必要がある。私たちは世界経済に公平な競争条件を実現するために、中国に国内経済改革を迫る必要がある。ただし、中国を排除することがその目的ではない。

3.デジタル経済やAIの進展にルールが追い付いていない問題に対し、G7は率先し、ルール作りの動きをWTO等の場でマルチ化する努力が求められる。リベラル秩序を守り抜くということは、目指すべきリベラル秩序を再定義し、世界が共存できる新しいルールを作り上げる攻めの対応なのである。そして、この作業に中国が参加するための努力を行うべきである。

4.G7など世界の民主主義国は、自由、民主主義という共通の価値を持つ国自体がより強くなることに、一緒に取り組むべきである。民主主義国が世界のリベラル秩序を守り抜くには、グローバル化と国内の利益をつなぎ、世界だけでなく国内にも包摂的な成長を実現しなくてはならない。

5.G7各国は、それぞれの国の民主主義自体をより強靭なものに変えなくてはならない。そのためにも、権力の機能的な牽制や法の支配、そして何より市民が自己決定できる社会を守ることが必要である。自由と民主主義の将来をかけたこの歴史的な作業は、幅広い人々の理解と支持に支えられるべきものである。

 そして、この宣言文は2020年のG7議長国であるアメリカ政府を代表したニコラス・ヒル氏(在日米国大使館首席公使代理)に直接手渡されました。受け取ったヒル氏は、宣言文の内容を本国のホワイトハウスに伝えることを確約するとともに、G7サミットを「アメリカが他の国々と力を合わせて経済を成長させ、さらにグローバル経済を発展させる原点に戻る機会としたい」との抱負を語りました。宣言文は併せて、日本政府を代表した山中修氏(外務省総合外交政策局参事官)にも手渡されました。



フォーラム参加者・報道件数


 本会議直前の2月26日に新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、政府が大規模イベント開催の自粛を要請したこともあり、規模を縮小して行われましたが、それでも2日間で延べ255名が参加しました。また、「東京会議2020」の議論はインターネットを通じて日本語で同時中継が行われました。後日、英語の動画も掲載し、世界中にも議論の内容が発信され、国内外における世界課題の言論空間形成に大きな役割を果たしました。

 さらに、報道では、全国紙をはじめ各種メディアで取り上げられました。