言論スタジオ

北東アジアの平和的な秩序構成と日本の役割

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2016年1月29日(金)
出演者:
宮本雄二(宮本アジア研究所代表、元駐中国大使)
添谷芳秀(慶應義塾大学法学部教授)
徳地秀士(政策研究大学院大学シニア・フェロー、前防衛審議官)

司会者:
工藤泰志(言論NPO代表)



 

工藤:まず、德地さんに伺いたいのですが、日本は昨年、安保法制を作り、少なくともアメリカと日本との間で共同的な色々な動きが一応できるという状況になりました。これは、ある意味で中国に対するパワーの均衡を、日米で作ろうとしているように見えてしまいます。中国がどんどん力を拡大していますが、昨年の安保法制によって、この地域のパワーの均衡は保たれたという状況でしょうか。そして、その状況のまま推移できるとご覧になっていますか。

安保法制は、アメリカのみならず他国との協力を進めるための制度的枠組み

德地:いまバランスが保たれているかどうかという点は難しい質問ですが、ただ、例えば、東シナ海の状況と南シナ海の状況を見ると、どちらも、中国のやっていることの本質は同じで、最近では、南シナ海における中国の活動の方がよりバイオレント、暴力的だろうというふうに思います。それは、なぜかと考えると、北東アジアの方は、日本の海上保安庁、自衛隊、米軍のプレゼンスがあって、しっかりとした連携が取れているという現実があります。そういうものが、東南アジアにはないということが大きく影響しているのではないかと私は思います。したがって、引き続き、日本は自国をまず守る能力を身に付ける。それから、アメリカとの協力体制を強めていくということは非常に重要だと思います。

 いま、安保法制の話が出ましたが、確かに日米間の同盟の能力を高めるために非常に重要なツールであることは間違いないのですが、それにとどまらず、他の国との協力関係を進める上でも非常に重要であると思います。そのことは、この地域の安全保障がアメリカを中心とする、いわゆるハブ・アンド・スポーク(Hub-and- Spokes)によって成り立っていることとの関係でいえば、スポークの先にある国、日本やフィリピン、韓国、オーストラリアなどの国同士のオーストラリアなど、国同士のパートナーシップを強める意味でも、今回の平和安全法制は大きな意味を持っているものだと思います。バランスをこちらの側に優位なように保っていくということが可能になるような制度的枠組みはできたと思っています。

工藤:いま、德地さんから、こちら側がある程度、有利になるようなバランスの状況ができている、という話がありました。一方でアジア全体を見た場合、南沙問題でいえば、知らない間に滑走路ができていたりと、それを止めることはできなかったわけです。ASEANの中でも中国の影響力が強まっている、という話が結構出てきています。こうした状況下で、どのように大きく展開しようとしているのでしょうか。例えば、北東アジアだけが動けない、止まっているので、横に移っているのか。それとも全体が大きく変わろうとしているのでしょうか。


中国の行動を理念的、道義的なものに近づけるために働きかける努力も必要

宮本:外交問題だけではないのですが、いろいろな問題の推測が非常に難しい状況になっているのは、シミュレーションでは予想できないことが多くあるからです。例えば、シミュレーションではこちらに動くと思ったものが、予想通りこちらに動いたものの、別の事象を引き起こすようなリアクションを起こしてしまうといったように、いままさに、アクション、リアクションの真っ最中なのだと思います。

 したがって、南シナ海も、いま中国が優勢に進めていますが、東南アジア、アメリカを含めてリアクションがないかというと、必ずリアクションが出てくると思いますよ。現に、ASEAN諸国の中国の見方も著しく変わりました。ラオス、カンボジアという中国に近い国も、最近は、いろいろな会議でフィリピン、ベトナムの立場を支持する場面も増えてきています。ですから、これからもどんどん事態は動いていくということだと思います。

 ただ、我々が中国を見る時に、ひとつだけ、注意しなければならないのは、マイケル・ピルズベリーの『China 2049』(原題THE HUNDRED-YEAR MARATHON。百年マラソン)という本に書かれていますが、100年間かけて、アメリカを追い出し、世界ナンバーワンの地位に就こうとすることが、中国が進んできた道なのだ。自分は少し前に、そのことがわかったから、中国の増強に備えなければいけない、という本になっています。彼がそういった時に、意識的に「中国は」と書かずに、主語を「中国のタカ派は」としています。つまり、中国にはタカ派ではない人もいるということなのです。ですから、我々は中国に働きかけていくことによって、2010年、11年、12年、13年と我々が目にしたような中国の行動ではない行動を起こすことがあり得るのです。その時に、第一セッションで申し上げた「理念」といったものを中国の国民の間にもう少し浸透させることができないか、と考えています。というのも、昔、中国の軍人の方と話をした際に、「東洋では強い国が弱い国をいじめてはいけないのではないか、強い国が弱い国の面倒を見るというのが東洋の道義ではないか」と言ったら、そのことには一切チャレンジしませんでした。そういった心理はまだ持っていますから、あまり期待しすぎはいけませんが、できるだけそうした面を引っ張り出して、彼らの行動をもう少し、理念的、道義的なものに近づける努力も一方で必要があると思います。

工藤:ここでアンケートの結果をもう一つ紹介したいと思います。有識者の方に10年後の北東アジアについてのイメージで見ているか、と尋ねたところ、これまでの皆さんの話と被っているのですが、「10年後は台頭した中国の影響力がもっと強まり、不安定な状況が続いている」との回答が最多(54.4%)でした。ひょっとしたらどこかの地域で紛争が勃発しているのではないか、と心配している人も3割いました。一方で、平和を実現するための政府の動きは鈍いのですが、秩序を作るための民間の動きがもっと活発になるのではないかという回答も25.2%となりました。

 後、やはりパワーバランスがきちんと維持されて、安定の局面になっているという回答もありました。添谷さんには、いまの皆さんの話を見ていると、日本というか中国でない方が有利になるような秩序を形成していくような、色々な対策なり、展開が動いている一方で、中国の中における単なる力だけではない、別な要素もあるのではないかという話もありました。仮に、力的な秩序の期間があるとすれ、この地域の平和的な状況を作るためにどのようなチャレンジが問われているのか、という疑問があります。

 実を言いますと、日中の間で、昨年世論調査をやって、将来のアジアで目指すべき理念は何かと聞いたら、「平和」と「協力発展」の2つを支持する国民が多くいるという結果でした。だから、この地域をパワーだけの議論の中に封じ込めるのではなく、他に管理できる方法があるような気がするのですが、添谷さんはどういうふうにお考えでしょうか。


日米安保の強化と中国の多元化を追求することが、中国台頭時代の日本の戦略

添谷:先ほど、宮本大使がおっしゃったことに関連するのですが、中国が強くなった時に、中国がアジアの中心にいるのは当然だという一般的感覚は、おそらくほとんどの中国人が共通して持っていると思います。そこでの問題は、では、強くなった中国が、アジアの、特に近隣諸国との関係をどのように築いていくのかという時に、願わくは、中国の中に多様な見方があって、一種の多元主義的なものが均衡をもたらす、そうなると民主主義の話になってしまうのですが、そうした展開が中国で起きて、安定するのは理想的だと思います。

 ただ、中国が強くなり続ける限り、中国中心のアジアは普通だという認識は、欧米的なリベラルな人間も変わらないのではないかと思っています。ただし、中国がアジアの国と付き合うときに、大国はまさにbenign(親切に)穏便にに近隣諸国との関係をマネージすべきだという感覚の前提に、「小国が中国に逆らわなければ」というのがあるわけです。逆らわなければ、まあまあ穏便に扱うけれども、逆らったら力を使って抑え込む、という古典的、中華的な中国というのがあると思います。一方で、欧米のリベラリズムに馴染んだような中国人もたくさんいるわけですから、そういう人たちにとってみると、強い中国の外交のやり方、古典的な中国に対する中国人からの異議、違った感覚を持った中国人がいるのも事実だと思います。おそらく、トップクラスの大学生なんかはほとんどそうではないかと思いますし、学者の人たちもそうではないかと、中国人と付き合っていてそう思います。重要なのはその意味で、中国のきわめて中国的な、どうしようもない部分をむき出しにする、あるいはそれを一つの塊にして、自己充足的予言の環境作りをするような対中外交を避けるというのは、一つの消去法的な議論で、非常に重要だと思いまsす。その延長線上に、できるだけ中国を多元化させていくという作業は、政治的な民主化云々とは別の問題として、重要な対中外交の基本的な目線になるべきだと思っています。

 その観点からいえば、日本にとって非常に難しいのは、先ほど、尖閣の問題も出ましたが、伝統的安全保障、防衛問題できちんと対応を取るというのは当たり前ですし、先程パワーバランスの話が出ましたが、現実はやはり米国のほうが中国より圧倒的優位だというのが、我々から見るとバランスしている感覚です。しかし、本当にバランスしている時というのは、必ず両方が劣勢だと思っているということだと思います。中国はいま、完全に自分が劣勢だと思っていているわけですから、中国から見てバランスしているとは決して思っていない。そうすると、隙あらば、或いは中長期的には力を付けていくというのは当然、中国の強い思いになっているわけです。ですから、日本としては、現在の状況を維持するためにも、日米安保というのは非常に重要です。ただ、日米安保の強化と、中国の中を多元化していって、反日、反米なところを塊にしないという作業を並行して行うことは、非常に難しいと言わざるを得ません。しかし、両方をうまくやるということが、中国台頭時代の日本のアジア太平洋戦略の発想だろうと思います。ただ、実際にそれをどういった政策プログラムに組み上げていくのかというのは、国内世論の問題もありますし、相手の問題もあるので、そう簡単ではないというのが、いまの現状だと思います。

工藤:德地さんは今の話についてどうでしょうか。


一定の価値観を基盤とした認識の共有、秩序の構築が必要

德地:私はですね、パワーバランスということを考えるときに、やはり、一定の価値観というものが前提になっている必要があると思っています。例えば、よく国際政治の専門家の方々の中で国際政治のなかで言われるように、ウィーン体制は極めて安定的に長期間続きました。これもヨーロッパの一つの価値観を前提としていますし、それから、モーゲンソーのパワー・ポリティクスも単なるバランス・オブ・パワーではないわけです。一定の価値観が前提にならないといけない。

 これも国際政治の専門家の方がよく言われるとおり、戦後しばらくの間は、このアジア地域には民主国家というのはあまりなかったわけですが、いまやあちこちに民主国家が誕生して、民主化は広がっていると思いまs。それから、ASEANも昨年末にコミュニティになりましたが、法の支配、民主主義、人権を基調にしたコミュニティになっています。ベトナムなども含めてそうなっているわけですから、やはり一定の価値観というものを前提とした秩序が作られる素地はあるのだと思います。そして、機械と機械がバランスを作っているのではなくて、バランスを作るのは人間ですから、何らかの人と人との関係を考える時には、この価値観というのが非常に重要だと思っています。

 ただ、北東アジアの問題を考えるにあたり、中国から見ると、日本列島から東南アジアに至る線、中国は第一列島線と言っていますが、これが中国の太平洋への出口をふさいでいる形になりますから、やはり北東アジアの安全と東南アジアの安全というものは一つのものであると考えざるを得ません。それから、中国の行動に我々はどうしても関心を大きく払わざるを得ないのですが、ロシアがヨーロッパでやろうとしていることも性質において同じなわけですから、そういう意味で、国際的に、こうした問題についても認識の共有をはかっていかねばならないと思います。そういう意味で、北東アジアの問題について、北東アジア、東南アジア、ひろくヨーロッパ諸国も含めて認識を共有していくためにも、そのベースとしての価値観が非常に重要になってくると思います。


台頭した中国が従来の理念、ルールを無視し続けることは困難

宮本:德地さんは「価値観」という言葉でおっしゃいましたが、私は「理念」という言葉を使っています。国と国との関係をどう考えるのかというときに、国と国は平等なのか、大国が小国を牛耳るのか、といった際には、ここで理念が入ってこなければいけない。そうすると国連憲章には、開発途上国も含めて平等だと書いてあり、現在の国際社会の常識だと思います。そういうことがあれば、もちろん、現実においては大国がより優位に振る舞えるし、大国の影響力が大きいですから、大国に有利になるのですが、原則、原理は平等なわけです。そういういくつかのものを中核にして、いろんな物を作り上げていかないと、結局大きな国が自分の意を通すことになってしまいます。中国は「私達は開発途上国の仲間だ」「チャンピオンだ」などと言っていますが、開発途上国の大部分は、中国中心のものなどは誰も支持しません。そういう理念というものに関して言えば、開発途上国は間違いなく、国連憲章等からわかるように、我々の考えに近い。

 ですから、そこはもう少し掘り下げて、色々なものを考える前提として、何を我々が追求しなければいけないのか、ということについてもう一度再勉強しないといけないと思います。1945年に人類は勉強して、国際秩序を一度作りましたが、それを忘れかかっている。もう一回、勉強して、東アジアについても、そういうのが無いと、いまのご時世、21世紀の国際秩序というのは成り立たたないと思います。

工藤:今のお話を伺って、理念なりルールというものが、世界的に言えば、切れ目無く、ある程度包括的に動いていかねばならないのが、少なくとも中国やシアとの間では、いろいろなところに断層が見られます。昨年のAIIBの問題もそうですが、開発援助の一つのルール化の時に、いろいろな条件付けと関係なく金がどんどんできてしまうと、それは違うルールができてしまうわけです。よく考えると、アメリカがIMF改革をしっかりやっていなかったという問題はありました。

 こうした問題は、宮本さんからの話からすれば、きちんと統一したルールをつくるような努力をしなければならないということなのでしょうか。

宮本:AIIBについても、なぜ、国際金融機関がルール、理念を作ったのかというと、それには理由があったわけです。アメリカが好き勝手に世界を統治するために、IMFや世界銀行を作ったわけではありません。GATTも入ってきますが、自由貿易体制をやらないと先の大戦のようなことが起こってしまうから、こうした国際機関をつくったのです。お金を貸すというときに、いくつか守らなければならないものを決めておかないと、お金を貸し続けることはできなくなるのです。そうした経緯で出来あがってきたもので、ある意味、自然にできあがったルールですから、中国がそのほとんどを無視して、全く新しいことを始められるとは思いません。

 AIIBも時間が経つにつれ、今ある国際機関とそんなに違った物になるとは思えません。お金を貸すということについて、必要なルールがあって、そのなかに、少し、大国が有利になるようなものが入ってきてということですから、融資をするための審査をする。そこには、国際金融機関そのものの信頼度が、高いか低いかということで金利が変わってくる。こうしたことは当然適用されることになると思います。

工藤:皆さんのお話を伺って、確かに作用と反作用もあるし、単純な変化のトレンドだけで見るのは良くないと思って聞いていました。添谷さんがおっしゃった中国のなかに大きな変化も求めていくとか、いろいろなことを考えていくときに、中国がある程度台頭してくると、一般的に言われることとして、価値観で包囲するという考えがあります。その考えと添谷さんの考えは同じなのでしょうか、それとも違うものでしょうか。


中国は、従来の普遍的な理念、価値にいずれ馴染んでいくのか

添谷:包囲という言い方をすれば、基本的な発想としては違います。包囲ではなくて中国社会に入り込んで、内側からばらすというのが私のイメージです。包囲しようとすると、逆に中国は固めてしまうわけです。

 いまの、AIIBの関連で申し上げると、中国のやり方というのは、原則は絶対に譲らないというところがあります。ただし、原則に基づく現実は、割とゆるゆるだったりするわけです。例えば、台湾についても、台湾は中国の一部だという原則は絶対に譲らない。その原則に抵触するようなことが起きれば、非常に、特に過敏に反応するわけです。ただし、独立というものは、ある意味、実態としてあるわけで、そのこと自体を壊そうという動きを積極的にやるわけでは必ずしもない。AIIBもこれまで欧米がやってきたようなところに、いずれは中国が引き込まれていくような仕組みになるだろうと思います。ただ、中国にとってのAIIBの原則は何かといえば、中国が事実上の拒否権を制度的に担保したように、中国中心の制度でなければいけないのだと思います。

 これは、最初の立ち上げの時から、私達は半分皮肉で中国人に、「マルチを作る時に、最初のイニシアティブがユニラテラルに来たマルチとは何だ」と言っています。戦後の色々なマルチのシステムが出来たときも、立ち上げ時からマルチで相談してやっているわけです。今回は、中国のまさに一方的にイニシアティブでマルチの枠組みができて、そのなかに中国の優越的な立場もそれなり担保されている。ただし、ヨーロッパの国々がたくさん入りましたので、実際の運用においては、これまでの世界銀行、アジア開発銀行等がやってきたこととそれほど違ったことはできないと思います。中国にとってみれば、それで良いということかもしれません。ですから、ここでの問題は、中国は従来の欧米的な、いわゆる普遍的な理念ないし価値に、いずれ馴染んでいくかということ。そういう仕掛けなのだと思いますので、そうしたものがたくさんあることは良いことだと思います。

工藤:ここで休憩を入れて、最後のセッションに移りたいと思います。

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