言論スタジオ

経済政策の評価と選挙で問われることとは

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2016年5月11日(水)収録
出演者:
加藤出(東短リサーチ代表取締役社長、チーフエコノミスト)
鈴木準(大和総研主席研究員)
早川英男(富士通総研エグゼクティブ・フェロー)
湯元健治(日本総研副理事長)

司会者:
工藤泰志(言論NPO代表)



第三話:参院選で政治は何を語り、有権者は何を考えなければならないのか


工藤:そうですね。安倍政権が今、どういう状況に来ているのか、という論点が非常に明確になってきていると思うのですが、ここで最後の、そして一番重要な質問をしたいと思います。日本の将来を考えた場合、現在は迷路に入ってしまったような状況にあると思いますが、しかし、必ず出口に向かわないといけない状況であるわけです。そこで今、日本経済に問われていることは何でしょうか。課題だけではなく、何をしなければならないのか。もしくは今、国民に説明することがあるとしたら、何を説明しなければならないのか。それをお聞きしたいと思います。

移民受け入れについて、正面から議論すべき

 加藤:人口問題が大きいと思います。まだ国内では抵抗感が強いですが、少しずつ移民の問題に正面から取り組んでいく必要があると思います。欧州でもマイナス金利政策をやっている国がありますが、日銀は「欧州でうまくいっているから日本でもうまくいくのだ」ということをよく言います。しかし、その一つ、スウェーデンを見ますと、確かにマイナス金利政策をやって、バブル的な住宅ブームが起きています。ムーディーズがバブルだと警告するほど過熱しているのですが、それは単に金利の問題だけではなくて、スウェーデンは欧州の中でも人口比で見ると一番移民と難民を入れている国であるわけです。移民が来ると住宅需要というのはそれだけで直接的に増えていきます。尚且つ国連の予想でも、今後50年間で生産年齢人口は2割以上増える予想になっているのですが、その一方、4割くらい減少していく日本とは全く逆方向です。特に、人口が増えていく社会と減っていく社会の間では、低金利政策をやった時、それを活用しようとする消費や投資が出てこないと効果がまるで違うと思うのですね。

早川さんもおっしゃっていましたが、金融政策というのは、将来の需要を前借りする、例えば、住宅ローンであれば、本当は頭金を貯めなければいけないところ、金利が下がればその分だけ頭金が少なくてもよくなるわけです。ただ、それをずっとやっていると前借りする需要がだんだんなくなってきてしまう。特に人口が減っていくと、「どこに需要があるのか」となっているのが今の日本の状況だと思います。 

そういうわけで、少しずつ移民について議論をしていく必要があります。もちろん、優秀な人たちを入れていく、というような話はもう既にありますが、なかなか来てくれない。やはり、分母がある程度大きくならないと、その優秀な上澄みの一部の人だけ来てほしいと思ってもなかなか来てくれない。ただ、イギリスのように移民の比率が10%を超えていくほどになると、それは色々なトラブルがあるでしょうから、まずは5%くらいを目指しながら、かつある程度文化的にも融合できるような形、あるいは、コミュニティを形成しながらも、地域住民との対立ができないような形を模索しながらやっていく。成功例も海外にはあるわけですから、そういうものも参考しながら、少しずつ取り組んでいくという姿勢を見せないと、人口が先細りする中で、どんなに前借り政策を一生懸命やっていても、限界があると思います。

女性、高齢者、若者などこれまで活かしてこなかった国内人材の活用が不可欠

鈴木:私は、日本の経済は長期的に見れば1%、がんばれば1%台半ばくらいの実質成長は、人口減少下でもできると思っています。ただし、やらなければならないことはものすごくたくさんあります。

 まず、日本は生産性が非常に低いわけですから、生産性を上げなければならないわけです。そのためには、加藤さんから移民のお話がありましたが、そういう労働力のグローバル化をしていくと同時に、これまで活かされてこなかった国内人材を活用していく必要があります。日本では、これまで女性が質の高い形で労働できていませんでした。日本は、女性が活かされていない社会なんですね。それから、日本は健康寿命がこれだけ高いにもかかわらず、元気な高齢者もこれまた労働市場がないために人的資源として活かせていない。また、若者もたまたま景気循環で悪い時期、就職氷河期などでなかなかうまく就職できなかったりして、若者も活かせていない。

 このように、日本という国は、労働人口が減っているというのですが、活かせていない労働力はまだまだたくさんあるわけです。当然、それは頭数としても重要ですが、そういう多様な雇用のポートフォリオを経済全体として作っていくことによって、生産性を上げていくということがより重要です。それで初めて先程申し上げたような成長が実現できると思うのです。ですから、一億総活躍というのは、方向性は正しい。それを本当にきちんとやれるかどうかにかかっています。

 それから、社会保障は先程からお話に出てきているようにとても重要で、これは財政の問題にも直結しています。日本の財政の問題というのは、社会保障の問題といっても過言ではありません。例えば、医療費は年齢構造を補正としたとしても、一人当たりの医療費にものすごい地域差があります。同じ病気なのに、なぜこんなに医療費が違うのか。それは薬の使い方だったり、診療行為の違いだったりするわけです。ですから、それを示すデータをみんなが見える形にして、みんなが納得しながら地域差を是正していきましょう、という状況にしていく必要がある。課題を共有する努力なしに、もし無理矢理給付を減らすようなことをすれば、政治的に立ち行かなくなります。ですから、そういう工夫をした社会保障改革がどこまでできるかということについて、もっと有権者も関心を持つべきだと思います。

政治はもう一度、消費増税の必要性を国民に対して説得すべき

早川:まず、新しい三本の矢、一億総活躍の基本的な方向性は正しいと思いますが、女性が安心して子育てできるような保育所の問題にしても、介護施設の問題にしても、解決するためには相当なお金が必要となります。財政資金を使っていく必要がありますが、そのためにはやはり消費税を上げていかなければいけないわけです。2012年の三党合意というのは、これからの超高齢化社会の中で社会保障システムを維持していくためには、最低10%の消費税は必要だ、と何とか国民を説得できた証だと思うのですが、その後、「デフレさえ脱却すればすべて問題は解決する」というようなことを主張する人が増えてきて、「なんだ、じゃあ消費税を上げなくても大丈夫なのか」という変な誤解が国民の間に広がってしまっている。アンケートをすれば、増税してほしくないという声が多くなるに決まっているのだけれど、一億総活躍は大事であって、これを実現するための社会保障のためにはお金が必要であり、そのためにはきちんと増税をしていかなければならない、ということを、政治がもう一度国民に対して説得すべきタイミングに入ってきていると思います。

工藤:具体的に何を説明してもらう必要があるのでしょうか。

早川:要するに、「もう一回よく考えてください」と。保育所ひとつとってみても、施設だけでなく、保育士の給料をもう少し上げていかないと維持できないでしょう。介護だって介護士の給料を上げないと介護士は集まらないでしょう、ということを考えていけば、常識的にお金がかかるということが分かるのであって、それをきちんと国民に対して説明すれば、「そのお金は払いたくない」とは言わないと思うのですよ。ところが、「金融緩和して、デフレ脱却して、成長すれば大丈夫なんです」と政治が言ってしまったら、国民もみんな「じゃあ、私は増税は嫌です」と言うに決まっているわけです。ですから、きちんと増税の必要性を説明する必要があります。

 それから、鈴木さんが言われた、いわゆる女性とか高齢者にもっと活躍してもらうためには、日本の働き方を変えざるを得ないでしょう。あまりにも長時間労働ですし、会社から命じられたらすぐに転勤しなければならないような状況の中で、子育て世代の女性が本当に働いていくことができるかといったら、それは無理な話です。ですから、働き方改革というものをもっと真剣に進めていく。これは、本当は政府の問題ではなくて、民間の問題なのですが。同一労働同一賃金などというのも、実は働き方改革を進めていく上での、一つの鍵になると思います。そういうことも含めて働き方改革を進めていかないと、潜在成長率も上がっていかないと思います。

将来のため、高齢者だけでなく、若者にも配分することが重要

湯元:最初に申し上げたアベノミクスの第三の矢、成長戦略は何のためにあるのか、それはやはり潜在成長率を引き上げるためですね。一方、財政や社会保障の問題など構造改革と呼ばれているものについては、成長戦略とは峻別して考えるべき中長期的な課題です。いかに社会保障の財源を確保していくか、いかに財政のサステナビリティを維持していくかという課題に本気で取り組もうとすると、国民に対して痛みを強いる政策、改革を進めていかなければならない。しかし、安倍政権はあまり痛みを伴うような話は極力避けている印象を受けます。

 他方、成長戦略については、これまで出てきたメニューを見る限り、ありとあらゆる政策が盛り込まれていることは間違いないわけですが、日本の潜在成長率が0%台前半まで下がってきた要因を分析すると、やはり、労働力不足がネックになっているという点は、少子高齢化が進んでいる現状において間違いない事実です。それにより、0.5%ポイントくらい潜在成長率を押し下げていることも間違いない。したがって、鈴木さんがおっしゃったような女性、高齢者、若者の活用は、全面的にやっていかないといけないのですが、仮にそれが100%うまくできたとしたら、0.5%くらいのかさ上げに止まります。つまり、潜在成長率を1%くらいまで持っていくことは可能であるわけです。しかし、日本の財政、社会保障を考えると1%では維持できない。少なくとも2%以上に持っていかないといけないわけです。その不足している部分をどうすればいいのか、これは企業がもっと積極的に設備投資に踏み切らないといけない。あるいは、研究開発投資をどんどんやって、イノベーションを起こして、新しい商品サービスを開発し、新しいマーケットやビジネスチャンスを特に国内で開拓していく。これをやらないと潜在成長率は上がっていかない。そのための施策は確かにあります。例えば、国家戦略特区や地方創生特区などをつくって、そこで重点的に規制緩和をしていく、ということが打ち出されています。しかし、スピードが遅いですし、規制緩和の規模、レベルについても、ドラスティックさという意味でもまだまだ足りない。イノベーションについても、大学改革や国立研究開発法人の改革などが進められています。また、大企業の持っている知財を中小企業が活かして新しい商品サービスを開発できるような仕組みを作るなど、ローカル・イノベーション・システムの構想なども出てきています。これは構想として出てきているだけで、法律が必要になりますが、時間のかかる話であっても、そういうことを着実にやっていかないと潜在成長率2%は簡単には実現できない。多分、イノベーションのところは、寄与度としてはいわゆる全要素生産性で0.8%くらいあると思うのですが、企業の設備投資、能力増強投資ではなく、新製品・サービス開発、新規分野進出のための投資が長期間停滞したことによる影響が、イノベーションの枯渇という形で大きく出ています。もし、企業がかなり積極的に設備投資するようになってくると、もちろん、デフレも脱却できますし、潜在成長率も上がるようになっていきます。ですから、ここのところは政策が体系的にセットしてあるので、あとはいかにスピードを上げて実行していくか。これにかかっています。

 ただ、潜在成長率を上げる努力をしても、それは時間がかかってなかなか上がっていかない。海外発のリスクという外的な要因によって景気後退の波も襲ってくる。そういう中で、高齢化が着実に進んでいき、社会保障の財源不足も着実に膨らんでいき、それは自然増収の数兆円という範囲内では収まらず、10数兆円、20数兆円というタームでお金が必要になってくる。そういう状況の中で、有権者は今回の選挙にあたっては、消費税先送りの是非について、短期的な景気の状況と、中長期的な社会保障のサステナビリティをどう維持するのかという視点をバランスを取って判断していかなければなりません。私も早川さんと意見は同じで、消費税はやはり予定通り上げるべきだと思います。

 それから、さらにこの参議院選、次の衆院選で議論してもらわないといけないのは、若者への配分についてです。若者にもっと活躍していただくためには、高齢者に偏り過ぎた配分を若者の方に持っていくような改革が必要です。これは高齢者の方に痛みを強いる改革ですが、それでもきちんと日本の将来の姿を描きながら国民に問うていくことが大事です。例えば、非正規雇用が非常に多いわけですが、彼らがきちんとした能力を身に付けて、正規化できて、給料も上がっていく、という社会になっていけば、非常に経済の好循環も強く回っていくようになります。そうすると足りないのは何かというと、教育です。高等教育や、さらに専門的な職業能力を身に付けるいわゆる職業訓練など、そういうところにかけるお金の量を対GDP比で見ると、日本は北欧諸国の4分の1に過ぎない。消費税の引き上げを、若者、現役世代向けの政策に対する財源として使いますよ、ということを政治がしっかりとアピールすれば、現役で働いている世代も苦しいのですが、「我々のためにも使ってくれるのだ」と思ってもらえる。若者の支持にも訴えることができると思います。「どうせ消費税を上げても、その恩恵は高齢者にしか行かないだろう」と冷めた気分になって、選挙にも行かないとなってしまうと、民主主義にとっても良くないことです。

工藤:今日、皆さんからお話を伺って、今は平時ではなく、かなり異常な事態であり、その中で日本経済を立て直さなければならない、つまり出口に向かわないといけない状況であると感じました。政府が掲げてきた数値目標というのも、かなり整合性のある、つじつまの合った大きな意味を持った数値だけど、それが達成できていないという現実に対して、政治はもっと謙虚に向かい合ってほしいし、本気でやってもらいたい。そうであるにもかかわらず、選挙を意識して消費税先送りの議論に代表されるように逆方向に動いてしまっている。

 そして、有権者側も、日本の将来のために今、何をすべきか、ということが具体的に問われている局面に入っているということをきちんと意識しなければならないということを改めて感じました。そういう視点から、日本の政治をきちんと見なければならないと思います。本当に日本の将来に向けて政治がきちんと行動しようとしているのか、改革に本気で取り組もうとしているのか。そういうことが今回の選挙で問われていると思います。ということで、今日は選挙に向けて1回目の議論を終わります。皆さん、ありがとうございました。


 また、元日銀理事でもある早川氏は、金融政策についても湯元氏と同様に依存度の高さを指摘し、「必ず限界が来る」と警鐘を鳴らしました。そして、「金融緩和というのは『今は良いけど、将来は苦しくなる』政策であり、一方、成長戦略というのは『今は苦しいけど、将来は良くなる』政策なので、両方を束ねてやっていく必要がある。しかし現状は、『今さえ良ければいい』になってしまっている」と批判しました

 鈴木氏は、湯元氏、早川氏と同様の見方を示した上で、経済成長が実現していない要因として、生産性が上がっていないことを挙げ、「円安やエネルギー安頼みの成長にすぎず、経済の『体温』が上がっていくような政策を打ち出せていない」と語りました。

 また、財政再建については、経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会委員として自身も作成に関わった歳出改革の工程表など、「仕組みはできている」としながらも、「これは『政府』の取り組みであって、『政治』はまだコミットしていないことが課題だ」と語りました。

 加藤氏はまず、アベノミクスの最初の三本の矢について、「『三本』と銘打っているものの、その実態は第一の矢である金融政策の一本のみ。これでは『折れる』のも当然」と分析。そして、本来であれば、「構造改革に伴う痛みを金融で手当てするというパッケージであれば良いのだが、実態は真逆で、金融緩和で痛みを先送りしているのが現状だ」と鋭く指摘しました。また、強い政治的な基盤を持つ安倍首相であればもっと踏み込んだ構造改革ができたはずにもかかわらず、「選挙などを意識し小手先の改革しかできていない」と述べました。

 これまでの議論を受けて工藤が、「最初の三本の矢の成果が十分に出ていないうちに『新三本の矢』が出てきたが、そもそもアベノミクスは成功しているのか」と根本的な質問を投げかけました。

アベノミクスの行き詰まりから国民の目を逸らす新三本の矢。撤退できない成長率、物価目標

 これに対し湯元氏は、「判断は難しい」と前置きしつつ、安倍政権が当初想定していたシナリオ通りにはなっていないと述べ、特にアベノミクスの恩恵が地方に波及していないからこそ、「地方創生」のような方針を打ち出してきたとの見方を示しました。ただ、成長戦略には時間がかかるため、今後の推移を「じっくり見守る必要がある」があると注意を促しました。

 新三本の矢については、実質賃金がなかなか上がらない中、家計を直接支援する方向であるため、「その軌道修正自体は良い」と評価しましたが、こちらも成果が出てくるまで時間がかかるとの認識を示しました。

 これを受けて早川氏は、「新三本の矢も地方創生も、そのようにして現状から国民の目線を逸らさなければならない状況になっているということだろう」と推測した上で、新三本の矢について、「時間だけでなく財源も相当かかるが、それにもかかわらず消費税10%への増税を先送りしようという声が多いのは問題だ」と述べました。

 鈴木氏は、思うように経済成長が進まないことなど、停滞についての様々な原因をすべて消費税に求める風潮に苦言を呈した上で、それよりもマネタリーベースを増やしたのになぜうまくいなかいのかなどについてしっかり分析すべきだと主張しました。

 また、成長戦略については、真に「働きたい人が働ける環境」をつくるために、「体系的なものに整理する必要がある」と課題を指摘しました。

 次に、工藤がこれまで政府・日銀が掲げてきた高めの成長率や物価目標などは見直すことができないのか尋ねると、加藤氏はまず、「2年で2%」というインフレ目標に関しては、人々の「期待」に働きかけることによって実現が可能なものと説明。したがって、常に「うまくいっていますよ」というアピールを繰り返す必要があったが、それが積み重なった結果、本来なら戦略を転換しなければならない局面なのに、「撤退できなくなっている」と述べ、高めの目標を設定した苦しさが出てきているとの認識を示しました。

政治は移民や高齢者の負担増など、タブーとされる課題にも正面から向き合い、国民に語るべき

 最後に工藤は、今、日本の経済を再生するために何をしなければならないのか、そして、政治は今夏の選挙で何を語らなければならないのか、と問いかけました。

 まず、加藤氏は、人口問題対策として、「移民」に言及。加藤氏は金融政策は「将来の需要を前借するもの」とした上で、例えば、スウェーデンでマイナス金利政策が機能しているのは、移民が多いため住宅需要があるためだと解説。日本の将来のため、移民をどう考えるか、正面から向き合う時期に来たと語りました。

 鈴木氏はまず、そもそも日本には女性、高齢者、若者など活用し切れていない人材が多いと指摘し、「文字通りの意味で『一億総活躍社会』を実現すべき」と語りました。そして、社会保障改革については、医療費の地域差などの問題を例を挙げ、データに基づき、「見える化」を進めるなどして、問題点を浮き彫りにすることによって、「国民を巻き込みながら改革していくべき」と主張しました。

 早川氏は、これまでの政策展開の方向性は正しいが、それをさらに進めるためにもやはり消費税増税を着実に進めることが不可欠だと改めて主張。その上で、かつて2012年にいわゆる三党合意によって一度は国民を説得できたにもかかわらず、「デフレ脱却さえすれば増税しなくてもすべてうまくいく」というような言説が蔓延してしまっている現状を強く批判しました。そして早川氏は、「日本の将来を考えたら、どうしても増税は必要になる。今夏の選挙では政治は国民に対して、もう一度正面から増税の必要性を語らなければならない」と政治の覚悟を求めました。

 湯元氏は、女性や高齢者、若者などをフル活用できたとしたら成長率を0.5%程度はかさ上げできると推計しつつ、財政再建や社会保障を考えると「それでは不十分」と指摘。その上で、「今、求められるのは、成長戦略実行のスピードアップだ」と述べ、今、それができなければ日本の将来に禍根を残すと懸念を示しました。

 湯元氏は今夏の選挙については、教育など若者に資源を配分し、高齢者にとっては痛みを伴うような政策をどれだけ打ち出せるのか、ということが各政党に問われていると語りました。

 議論を受けて工藤は最後に、「政治は改革への覚悟が問われているが、有権者も真剣に考えなければならない局面に来ている」と述べ、今後もその考える材料として、作っていく意欲を示し、白熱した議論は終了しました。

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