※本原稿は明るい選挙推進協会が発行する「Voters13号」に寄稿した原稿です
言論NPOは昨年12月の衆議院選挙において、各党の政権公約、いわゆるマニフェストの評価結果を公表した。
私たちのマニフェスト評価は2003年の小泉政権下の総選挙から始まり、今回で5回目となる。評価は8つの評価基準に基づいて毎回行われており、評価作業には各分野の学者や専門家など約40 名の方が参加。また言論NPOに登録する約4,000人の有識者(メディアの編集幹部、学識経験者など)に評価内容をアンケートでフィードバックしてもらい、最終的には「マニフェスト評価書」として、一般有権者に公開している。
先の選挙では解散までの時間の制約もあり実現できなかったが、通常はマニフェストに関する政党間の公開討論会をインターネット中継で行い、評価のプロセスは可能な限り有権者に公開している。
私たちが政党の公約やその実行の評価に取り組むのは、有権者が主権者として自ら政策を判断し、政治を選ぶ、そうした緊張感ある政治をつくりたいからである。マニフェストはそうした国民に向かい合う政治を生み出すための道具であるべきだが、その品質が前政権であまりにも悪く、マニフェスト自体の信頼が崩れ、マニフェストという言葉を公約集から外す政党まで表われた。ただ、私は、有権者主体の政治そのものが否定されたとは考えていない。
であるならば、道具の品質を上げることを有権者が政党に迫るしかない。私たちが選挙の際に評価結果を公表し続けるのは、そのためである。