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今、取り組んでいる議論

トランプ政権発足後、日本国民の2割以上が米国を信頼しなくなった
米国と日米関係に関する世論調査結果

言論NPOは12月9日、米国と日米関係に関する世論調査結果を発表しました。

今年一月に第二次トランプ米政権が発足し、世界が大きく変動する中で行われた今回の調査では、日本外交の基軸となる日米関係に対する日本国民の不信感が明らかになりました。

米国を同盟国として「信頼している」という日本国民、19.7%と2割に満たず、さらに21.1%が「これまでは信頼していたが、今は信頼していない」と答えています。日本国民の2割以上が、トランプ政権発足後に米国を信頼しなくなったことになります。

また、米国のトランプ政権の行動に「反対している」という日本国民は60.5%と6割を超えています。

さらに、52.5%と半数超が現在の米国を「権威主義(独裁)」の国であると見ていることも分かりました。「民主主義」という見方は11.9%に過ぎませんでした。

こうした中で、同盟国米国と「今後も協力していくべき」という日本国民は20.9%にとどまり、60%が対米関係を重視しつつも、「過度に米国に依存しないように外交上の自立も模索すべき」と考えています。

ただ、日本の国民の36.7%の4割近くは、米国第一主義的な行動は、国内の経済問題を深刻化させることで「次期大統領選で修正を余儀なくされる」と考えており、米国が「国際協調主義に戻ることは絶対ない」は6.3%でした。

しかし、米国の核抑止力に頼るべきだという回答は51.1%と半数を超えており、調査からは対米依存と自立の間で揺れている日本国民の意識が浮き彫りになりました。

調査は日本全国で9月6日から28日にかけて行われ、1000人が回答しました。



トランプの行動に「支持できる」が多いのは、「参政党」と「日本保守党」の支持層。


この米国のトランプ大統領の行動や今後の日本外交について12党の政党支持層別で見ると、注目される傾向が浮き彫りになっている。

トランプ大統領の行動に「反対」と回答したのは、日本国民の60.5%だが、政党支持別でこの数字を上回ったのは「自民党」の66.5%や「立憲民主党」の79.5%など7党で、「支持政党なし層」でも61.9%が「反対」している。

ところが、「参政党」を支持する人の41,2%、「日本保守党」の86.7%は逆にトランプの行動を「支持できる」と回答している。

また、「米国を同盟国として信頼しているか」では、政党支持層別でも「これまでは信頼していたが今は信頼していない」が、「信頼している」を上回ったのは、「日本維新の会」「立憲民主党」などの7党。逆に「信頼している」が「これまでは信頼していたが今は信頼していない」を上回ったのは、自民党、国民民主党、日本保守党の3党だった。

今後の日本外交について、「過度に米国に依存せずに外交上の自立を模索する」が、7割を超えたのは日本維新の会の支持層の83.3%、立憲民主党の71.8%の2党。自民党支持層でも60.6%になった。

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注目の議論

米中接近は本当か
存立危機事態に関する高市首相の発言をめぐって、日中関係は対立を深めています。

このような状況下、先日のトランプ米国大統領と習近平中国国家主席の電話会談受けて、トランプ氏が日本に対し、これ以上台湾問題で中国に挑発をしないように助言をしたという報道もありました。

この背景にあるのは、貿易戦争以降の米中関係が対立よりも「戦略的関係」になり始めているという見方です。現在まで米国主導で構築されてきた世界秩序に挑むことができるのは中国のみであり、長期的な米中の対立や競争は今後も続くとみられている。そのうえで、米中が共に国際社会を管理するように歩み寄った場合、トランプ氏の言う「G2」の構造が現実になる可能性が出てきています。トランプ氏の「これ以上挑発すべきでない」という助言は、国際的な貿易・経済環境への影響を回避したいという思惑のみではなく、台湾問題が米中にとって目下の大きな論点ではなくなり始めているということを示唆しているとも考えられます。

もし、米中G2になった場合、世界経済はどうなるのでしょうか、そして日本はどうするのでしょうか。2026年新年の幕開けになる第1回目の言論フォーラムは「米中の接近は本当か」をテーマに、5名の専門家による議論を展開します。どなたでもご参加いただけます。ぜひお申込みください。

I 言論フォーラム「米中の接近は本当か」

日時
2026年 1月 20日 (火)⋅午後5:00~6:00

パネリスト
赤川省吾(日本経済新聞欧州駐在編集委員) 
白井さゆり(慶應義塾大学総合政策学部教授) 
高原明生(東京女子大学特別客員教授) 
田中均(日本総研国際戦略研究所特別顧問) 
服部龍二(中央大学総合政策学部教授)

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