第9回日中共同世論調査から見えてくる日中関係

2013年8月5日

~加熱するメディア報道と一体化して感情悪化が増幅する中国世論~

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第9回日中共同世論調査から見えてくる

日中関係

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直接交流の不足と自国メディア報道への依存

さて毎回同じことを言っていますが、両国の国民の認識がどのように作られるか、ということをまず簡単に見ていきます。お互いの認識というのは2つあって、直接的な交流によって相手を知るという事と、交流のチャネルが少なければメディア報道をベースにした間接情報に依存せざるを得ない。結論として日本人の14.7%は中国への渡航経験がありますが、中国人はわずか2.7%しか日本に渡航経験がある人がいません。

そして日本人の20.1%が、お互いにコミュニケーションできる中国人の友人や知り合いがいるという結果になっていますが、中国人はわずか3.3%しかいません。そうすると、お互いがどのように日中関係や相手国の情報を認識するかというと、自国のニュースメディアに依存するしかない。今回は日本人の90.5%、中国人も89.1%と大量の人がメディア情報に依存しています。ただし、中国は書籍、教科書やテレビドラマなども参考にしており、日本より少し多様な媒体から情報を得ているという結果です。