言論の役割に責任を持ち、この国の課題に言論の力で挑む決意を

2015年8月24日

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私たちは、現状に対する強い危機意識を持っています。

その最も強い思いは、この国は、将来に向けた課題に真剣に向かい合っているのか、という危惧です。日本は将来に向けて深刻な課題に直面しているのは、はっきりしているのに、そのための仕事が本格化していない。課題から目を反らし、無関心を装い、そのための努力を怠る。

そうした状況が続く限り、この国の将来を描くこと自体、不可能だと考えます。

私たちにどれだけ時間が残されているか、それはわからない。ただ、その岐路に立っている、ということだけは確かなのです。

私たちが、今回、ウエブサイトをリニューアルし、新しい「4つの言論」を提起するのは、直面する課題に真剣に向かい合い、議論を開始するためです。

日本の民主主義と将来への提案、アジアの平和と世界の課題への挑戦。

私たちが、こうした4つの新しい議論を開始するのは、この国の将来や世界の課題に向かう、新しい流れを作り出したいからです。

14年前、言論NPOという動きを立ち上げたのは、この国の未来や、アジアや世界の課題に対して言論の責任を果たすためです。私たちは、有権者や市民が強くならなくては、この国の政治も将来も強いものとならない、と主張してきました。

それが、どの程度実現したのか、今は「まだ道半ば」としか答えることができません。

しかし、はっきりとしているのは、今、強いさらなる一歩を踏み出さないと、この国の未来を描けない瀬戸際に今の日本があるということです。

だから、言論NPOは、この国の課題に言論の力で、本気で挑もうと考えています。

それが私たちが今回提起した4つの言論なのです。

私が、ここで提起したいのは「責任」ということです。

国会の論戦でも多くの場でもこの間、「言論の自由」という言葉は何度も聞きましたが、「言論の責任」を問う声はわずかです。日本の将来に向かって新しい挑戦は大切ですが、権利や利益を主張するだけでは、この今の課題を乗り越えることはできません。いま問われているのは、「責任」なのです。

だから私たちは皆さんに、こう問いたい。

「それぞれの分野でまず自分の責任を果たそうではないか」と。

政治は日本の課題に真剣に取り組んでほしい。将来に向けた政党間の質の高い競争が必要です。

ジャーナリスト、学者は、この状況に警告を提起し、議論を始めるべきです。

そして市民こそが、当事者として課題の解決に主体的に参加すべきなのです。

それぞれが課題に正面から向かい合い、真剣に議論を行い、力を合わる。その新しい流れをいま始めなければ、この国の将来は切り拓けない。

そのために、私たちは議論を開始します。

言論NPOは、課題解決に向かう多くの声を集め、議論の舞台を作り出し、政治に解決を迫り、その声を世界に伝えます。

そうした言論の役割に、私たちは「責任」を持って取り組むつもりです。