非公開会議1
気候変動問題など国際社会が直面する喫緊の課題に対処するためにも、多くの各国のコンセンサスを取り付ける必要がある


 「東京会議2023」では、2つの公開フォーラムだけでなく、非公開でも5つのセッションが行われました。

 「世界の協力と自由経済に活路はあるのか」と題する非公開会議1には10カ国のシンクタンク代表者が参加。ウクライナ戦争から1年が過ぎ、日米欧など民主主義陣営と中露など権威主義陣営の対立が進む中、多国間協力と自由経済の活路をどう見出していくのかを論点として、活発な意見が交わされました。

 国家安全保障の観点から経済・貿易関係を考える傾向が強まっていることについて、政治と経済のパラドックスが強まっているとの見方が、出席者から幾度も示されました。その上で、第二次世界大戦後につくられたWTOなどの国際機関が従来の役割を果たせなくなってきており、ブロック化が進んでいるとの指摘も相次ぎました。この点に関して、現状では打開策を見出すことができず、しばらくは国際環境の風向きを見なければならないとの声も聞かれました。さらに2024年の次期米大統領選でドナルド・トランプ前大統領が再選された場合、現状が一層不安定化するとの懸念も示されました。

 米中間のデカップリングについては、米国の輸出データなどを通じて、デカップリングが一定程度生じているという分析が披露されると同時に、完全なデカップリングは困難との認識で一致しました。改革の必要性が求められているサプライチェーンにおいても依然として中国が大きな位置を占めており、リスクの集中を避けるための方策実現が重要であるとの発言もありました。

 また、近年指摘されるG20の政策遂行能力の脆弱さについては、改めてG7のリーダーシップの推進が求められるとの指摘がありました。国際社会で台頭しつつある「グローバル・サウス」諸国との関係性については、まとまりに欠けるために、引き続きG7を中心に政策を示す必要があるとの見方が示されました。これに対し、「グローバル・サウス」の国々の意見を排除すべきではない、という反論する意見も出されました。気候変動問題など国際社会が直面する喫緊の課題に対処するためにも、できるだけ多くの各国のコンセンサスを取り付ける必要があるとの考えで一致し、会議は終了しました。