「東京―北京フォーラム」最高顧問・元内閣総理大臣 福田康夫氏のご逝去について

「東京―北京フォーラム」最高顧問・元内閣総理大臣 福田康夫氏のご逝去について

2026年10月26日
言論NPO代表・工藤泰志

「東京―北京フォーラム」の最高顧問を務められた福田康夫元内閣総理大臣が、10月22日にご逝去されました。
言論NPOは、福田氏のご逝去に際し、謹んで哀悼の意を表するとともに、長年にわたり私たちの活動に寄せていただいた多大なるご支援とご尽力に、心より感謝申し上げます。
福田氏は、内閣総理大臣として日中間の「戦略的互恵関係」の発展に尽力され、退任後も一貫して、日中両国の相互理解と信頼関係の構築に力を注いでこられました。
とりわけ、言論NPOが2005年に創設した「東京―北京フォーラム」においては、2010年8月に東京で開催された第6回フォーラム以降、13度にわたり基調講演にご登壇いただきました。
また、2015年からは最高顧問としてフォーラムの活動を支えていただき、日中関係が厳しい局面に直面する中にあっても、対話を継続することの重要性を繰り返し訴えてこられました。
福田氏は、フォーラムを通じて、日中両国が目先の対立にとらわれることなく、大局的かつ長期的な視点から両国関係を捉え、アジアと世界の平和と繁栄に向けて共に責任を果たしていくことの重要性を説いてこられました。その言葉は、日中関係が困難に直面するたびに、両国の対話を支える大きな指針となりました。
2024年、第20回フォーラムにおける最後のご講演に際しては、20年にわたる対話の積み重ねによって、フォーラムが日中間の貴重な民間対話の場へと発展してきたことを評価されました。また、その基盤には、日中双方の参加者が長年にわたり築いてきた信頼関係があることを指摘され、民間対話の意義を改めて示されました。
日中関係がいかに困難な状況にあっても、対話を絶やすことなく、相互理解と信頼を積み重ねていく。
福田氏が一貫して示してこられたこの姿勢は、「東京―北京フォーラム」が創設以来、大切にしてきた理念と深く重なるものです。

昨年11月、私はフォーラムの延期について報告するため、福田氏を訪ねました。
その際に福田氏は、日中関係が厳しい局面だからこそ、「対話に動くべきだ」とおっしゃいました。
そして、「それができるのは君たちしかいない」と日中対話の再開に向けて私たちを力強く激励してくださいました。
私たちは、それから半年以上かけて準備してきました。そして11月、いよいよ対話再開の目途が付きました。
そのことを福田氏にご報告できなかったことが、残念でなりません。

言論NPOは、私たちの民間外交の取り組みに寄せてくださった、福田氏の長年にわたる強いご理解と温かいご支援を決して忘れることはありません。
そのご遺志を必ず受け継ぎ、今後も日中両国の相互理解と信頼醸成に努めるとともに、アジアの平和と安定に向けて、民間対話を再開させたいと考えております。
福田氏の長年にわたるご功績とご尽力に改めて深い敬意と感謝の意を表するとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。