日中対話、再始動へ-言論NPO、11月4日に中国・国観智庫と第1回「日中安全保障対話」を開催-



 言論NPOは11月4日、中国のシンクタンク「国観智庫(グランビュー)」と共同で、第1回「日中安全保障対話」を開催します。
 今回の対話では、日中関係が厳しい状況にある今、双方の専門家が直接向き合い、関係改善と北東アジアの平和に向けた具体的な道筋を探ります。

北東アジアの軍事的緊張をどう抑えるのか


 現在、北東アジアの安全保障環境は大きく変化しています。
 米中間の戦略的・軍事的競争が続く中、中国は軍事力を増強し、西太平洋を含む地域で軍事活動を活発化させています。一方、日本も日米同盟を基礎に防衛力を強化しています。
 さらに、中露の軍事的連携や露朝の軍事協力など、地域の安全保障環境を変える動きも進んでいます。
 こうした動きには、それぞれ異なる戦略的な背景があります。しかし、その結果として相互不信が高まり、偶発的な事件や誤認が、深刻な危機や軍事衝突に発展する危険も生まれています。
 それにもかかわらず、日本と中国の間には、こうした変化や双方の戦略的な意図について、率直に議論する十分な機会がありません。
 今回の対話では、まず、日本と中国が現在の安全保障環境をどう認識し、互いの行動をどう受け止めているのかを明らかにします。
 そのうえで、立場の違いや軍事的競争が続いていても、地域の平和と安定を維持することを双方の共通利益として確認できるのか、そして危機を紛争に発展させないために何ができるのかを議論します。

11月4日の対話では何を議論するのか


 今回の対話では、次の3つの課題を取り上げます。

1.日中関係の膠着状態をどう打開するか

 現在の日中関係がなぜ行き詰まっているのか、双方が何を問題と考え、関係改善のために何を必要としているのかを率直に議論します。
 互いの主張を繰り返すだけではなく、関係改善に向けて、どこに具体的な可能性があるのかを探ります。

2.北東アジアの軍事的緊張はなぜ高まっているのか

 米中間の戦略的競争、中国の軍事力増強、日本の防衛力強化、日米同盟、中露・露朝の軍事協力などを取り上げます。
 日本と中国は、現在の地域秩序をどう見ているのか。双方は何を目指し、相手の何を警戒しているのか。
 まず、それぞれの戦略認識の違いを明らかにします。

3.軍事的緊張をどう管理し、危機を防ぐのか

 戦略的競争を直ちに解消できなくても、軍事衝突や戦争を防ぐためにできることはあります。
 今回の対話では、軍備管理の可能性に加え、軍事活動の透明性向上、偶発的な接触の回避、ホットラインなどによるリスクの低減、危機が発生した際の政治・外交・軍事上の意思疎通について議論します。
 さらに、政府間の対話だけでなく、民間の専門家対話が危機の予防にどのような役割を果たせるのかも検討します。

 米中間の危機管理だけで北東アジアの平和を守れるのか。日中の間にも継続的な危機予防・危機管理の仕組みが必要ではないか。
 これが、今回の安全保障対話で考えたい重要な問いです。

日中双方の外交・安全保障専門家が参加


 日本側からは、宮本雄二元駐中国大使、香田洋二元海上自衛隊自衛艦隊司令官、小野田治元航空自衛隊教育集団司令官、増田雅之防衛研究所中国研究室長、工藤泰志言論NPO理事長が参加します。
 中国側からは、張沱生国観智庫首席研究員、于鉄軍北京大学国際戦略研究院院長、張雲南京大学教授、任力波国観智庫総裁らが参加する予定です。

 会議はオンライン形式による非公開で行い、終了後に議論の概要を公表します。

福田元総理の「対話を止めてはならない」という思いを引き継ぐ


 言論NPOは2005年に「東京―北京フォーラム」を創設し、20年以上にわたり、日中双方の政治、経済、外交、安全保障などの関係者が率直に議論する場を築いてきました。
 同フォーラムの最高顧問を務めた故・福田康夫元総理は、日中関係が厳しい局面にあるからこそ、対話を止めてはならないと訴え続けてきました。

 言論NPOの工藤泰志理事長は、今回の対話再開について、次のように語っています。
 「意見が一致するから対話するのではなく、意見が異なるからこそ対話する。これが私たちの原点です。福田元総理の思いを受け継ぎ、日中関係の改善に向けて取り組みます。

安全保障から、経済や国際秩序の対話へ


 今回の安全保障対話は、一度限りの取り組みではありません。
 言論NPOは今後、経済や国際秩序などの分野でも、中国側の関係機関と専門家対話を積み重ねていく方針です。
 こうした対話は「東京―北京フォーラム」に代わるものではなく、議論と信頼を積み重ねるための取り組みです。
 言論NPOは、日中双方が対話を続けることで、北東アジアの平和と安定に向けた具体的な可能性を探っていきます。

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開催概要
• 日時:2026年11月4日(水)14:00~18:00(日本時間)
• 会議名:第1回「日中安全保障対話」
• 共同開催:言論NPO・国観智庫
• 形式:オンライン、日中同時通訳
• 公開範囲:非公開。終了後、議論の概要を公表予定
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