アジアの声を世界へ 「アジア円卓会議」初開催
言論NPO代表の工藤泰志は、初めて開催された「アジア円卓会議」の冒頭挨拶でまず、現在の国際情勢について「大国による力の行使が前面に出る局面が増え、国際社会のルールや協調の基盤が大きく揺らいでいる」と指摘。ウクライナ戦争や中東の紛争など、世界各地で緊張が高まっている状況を挙げた。
一方で、世界は単純な二極体制へ向かっているわけではなく、「国際秩序と大国関係に関する専門家調査」結果で多くの専門家が指摘したように「多極化し、不安定な均衡の中に入ろうとしている」との見方を示した。
そのうえで、世界人口の約6割を占め、世界経済の成長の大半を担うアジアは「世界の重心の一つ」であり、その重要性が一段と高まっていると強調。ただし、国際秩序の将来をめぐる議論では、「これまでアジアの声が十分に共有されてきたとは言えない。アジアは沈黙したままでいいのか」と問題提起した。
今回の円卓会議は、そうした状況を踏まえ、東京会議の新たな取り組みとして初めて開催されたものだと語った工藤は「アジアが一つの立場を作ることが目的ではない」と述べつつ、多様な立場を持つアジアのリーダーが率直に議論し、世界の変化をどう捉え、今後何をすべきかを考える場にしたいとその設立趣旨を説明。日本の役割については「アジアの声を世界につなぐことだ」と指摘。世界の指導者が集まり議論を行ってきた「東京会議」と連携し、アジアの議論を世界へ発信していく考えを示した。
工藤氏は最後に、「この円卓会議がアジアの未来に向けた率直な議論の場となり、その声を世界に伝える歴史的な第一歩になることを願っている」と述べ、会議の開会を宣言した。