アジアの役割と将来像
―アジア円卓会議セッション2―

 セッション1での意見の一致を踏まえ、セッション2「アジアとして取り組むべきこと」「大国主導の力の展開が進む世界で、アジアはどのような取り組みが必要か」と、工藤が問いを重ねました。

大国間対立の時代とアジアの行動指針


 冒頭、ドゥヴリ・スパラオ元インド準備銀行総裁は「大国、特に米国が一方的な行動を強め、経済的ナショナリズムが経済効率を凌駕している。断片化が進み、信頼が薄れている。世界が二つの金融ブロックに分かれてしまっていることは本当に残念だ」と述べ、アジアが「一か二かを選ばなくてはならない」状況への強い懸念を示しました。

 その上で四つの行動指針を提示しました。第一に国内でルールに基づくシステムを整備し信頼を積み重ねること▽第二にRCEP(地域的な包括的経済連携)を超えた「規範の創造」に踏み出すこと▽第三に日本・韓国・インド・インドネシア・シンガポールなど政治地理的に異なる国々が「課題ベースの連合」を先駆けること▽第四に日本のリーダーシップを求めること──を挙げながら「日本は米国の同盟国であり技術のリーダーであり、ルールベース貿易の支持者だ。TPPを米国撤退後も守り抜いたように、大国間とミドルパワーの双方への橋渡し役となれる」と述べ、アジアの安定化要因としての日本への期待を鮮明にしました。