新しい変化を僕ら自身が起こせるか―2011年の課題

2011年1月01日

110101_04.jpg 新年あけましておめでとうございます。新しい年の幕開けです。皆さんはこの年にどのような思いがありますか。

 2011年、私は、この新しい年こそ、日本が未来に向けて動きだせるか、その決定的な岐路にあると思っています。

 ただ、はっきりしているのは、政治にただ期待したり、お任せするだけでは、この国が未来に向かうことはできないということ。つまり、私たち有権者が自分の問題として、この国の将来に向かい合わなくては、この国は変わらないのです。

 そうした新しい変化を、私たちの力で起こすことができるのか。それこそが、新年の課題だと私は思います。

 昨年末、私たちは「菅政権の100日評価」に関する有識者のアンケートを行いました。

 驚いたのは、半数近く(43.7%)が今の日本政治の現状を「政府の統治(ガバナンス)が崩れ、政治が財政破綻や社会保障で課題解決もできないまま、混迷を深める国家危機の段階」と回答したことです。

 今の日本の状況を、「国家危機」と認識する。これは余程のことです。しかし、日本の政治は、この国が直面する課題に本気で取り組んでいるとは思えない。つまり、未来に対する競争が政治の世界で始まらない。問題が表面化しても応急処置だけで、選挙への影響を意識した場当たり的な対応や政権を維持することだけに明け暮れています。

 政治が課題解決に向かわず、自分の自己利益のためだけに存在するとしたら、政治の機能停止としか言いようがありません。

 ここで考えなくてはならないのは、こうした政治は私たちが選んだということです。だから、政権交代に期待したが駄目だったとか、政治が悪いとか、傍観者的に済ますわけにはいきません。私たちはこの状況にしっかりと向かい合う必要があるのです。

 今の日本の政治は、国民との約束に基づいて動いているわけではありません。政治と有権者との距離も広がり、政治の混乱は不透明で分かりにくくなっています。しかし、これはある意味で政治を私たちが取り戻すチャンスだと私は考えます。つまり、私たち自身が現状に向かい合い、この国の未来について自分なりの考えを持ち、政治にそれぞれの形で参加するしか、この国の政治を変える道は見つからないと思うからです。

 私たちみんなの力で、この国の政治が未来に向かって競い合うようにし、有権者と政治との間に緊張感を取り戻す。こうした「民主主義の復権」こそ、新年私たちの問われた第一の課題なのです。こうした流れが新年、目に見える形で動き出すことがまず大切だと思います。

 しかし、それだけでは足りない、と私は考えます。私たちは有権者としてだけではなく、自立した市民としてこの社会の「公」に自らの意思で参加し、それを担う必要があります。つまり政府に頼るのではなく、自発的に社会の課題に向かいあう。こうした強い市民の存在こそが、強い民主主義をささえるのです。

 つまり、2011年、日本に問われている新しい変化は、「民主主義の復権」とこうした私たちの「市民としての覚悟」にかかっているのです。

 今年の日本の政治は冒頭から混迷を深める可能性があります。通常国会で予算の関連法案は簡単に通るとは思いません。しかし、法案を通すためだけの単なる数合わせや、既存政党のままでの政権交代では日本の政治は変わりません。この危機のタイミングだからこそ、政策軸や政権のビジョンに基づいた、新しい政治の流れ、本当の意味での政党の再編が必要なのです。

 私たち言論NPOはこの新しい年、日本の課題解決で政党に対案を提示し、さらに有権者が政治を判断するための様々な議論や評価を提起し、強い民主主義や、強い市民を作るための議論に、覚悟を固めて取り組みます。こうした議論の流れをつくることで、日本の政治や日本の社会に新しい変化を生み出したいのです。

 そのためにも多くの皆さんの協力が必要です。この歴史的な局面で私たちは「言論の責任」を果たしたいと考えています。皆さんにもぜひ議論に参加してもらい、日本の将来のために力を貸してほしいのです。


⇒ 2011年、市民が動けば日本は変わる大きなチャンスの年に

 新年あけましておめでとうございます。新しい年の幕開けです。皆さんはこの年にどのような思いがありますか。2011年、私は、この新しい年こそ、日本が未来に向けて動きだせるか、その決定的な岐路にあると思っています。
 ただ、はっきりしているのは、政治にただ期待したり、お任せするだけでは、この国が未来に向かうことはできないということ。つまり、私たち有権者が自分の問題として、この国の将来に向かい合わなくては、この国は変わらないのです。