相手国に対する印象は、両国ともに悪化のピークを脱しつつあるが、 両国関係に関する認識は中国側で足踏み~「第11回日中共同世論調査」結果~

2015年10月21日

 言論NPOと中国国際出版集団が2015年10月22日に公表した「第11回日中共同世論調査結果」では、両国における相手国に対する印象は悪化のピークを脱しつつある一方で、両国関係に関する認識では、特に中国において改善に足踏みがみられました。

 今回の調査では、相手国に対する印象に関しては、両国ともに悪化のピークを脱しつつあることが明らかとなりました。日本人の中国に対する印象は「良くない」は依然として88.8%と高水準ですが、最も悪かった昨年(93%)よりはやや改善しました。中国人の日本に対する「良くない印象」は昨年の86.8%から78.3%へと改善し、8割を切りました。最も悪かった2013年(92.8%)から見ると14ポイントも改善しています。

日中両国に対する印象

 一方で、両国関係に関する認識では、特に中国側では改善に足踏みがみられました。現在の日中関係を「悪い」と判断している日本人は昨年から10ポイント以上改善し71.9%となりましたが、中国人では、「悪い」という判断は67.2%となり、昨年とほぼ同水準となっています。この背景には、戦後70周年を機に中国国内で厳しい議論が行われていたことがあると考えられます。
 安全保障問題に関しては、領土問題を巡る解決方法について、中国人では「両国間ですみやかに交渉して平和的解決を目指す」が、昨年の32.6%から43.6%へと10ポイント以上増加しているなど、落ち着いた見方が広がっています。ただその一方で、中国人では、自国にとって軍事的な脅威だと感じる国・地域として、「日本」を挙げた人が81.8%で最も多く、日米安全保障協力が進む中、中国国内では日本がアメリカを上回る脅威と認識されていることがわかりました。
 東アジアの将来のために目指すべき価値観については、日本人の72%、中国人の59.6%が、「平和」を最も重視していることが明らかとなっています。

 この調査は、言論NPOと中国の国際出版集団が毎年共同で実施しているもので、今年は8月から9月にかけて実施しました。

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