言論スタジオ「COP17で問われる課題とは何か」報告

2011年11月23日

問1.3.11の東日本大震災と福島原発事故後、原発の稼働停止などにより京都議定書の目標(温室効果ガスを1990年と比べ2008年から12年の平均で6%削減)達成が危ぶまれています。このような状況についてあなたはどのように考えますか。


「その他」と回答した人の自由記述

・1かゼロかのような問いかけを政府や利害関係者がしているようだが、数字の根拠はどうなのだろうか?また、自然エネルギーについての推進ということで最終年プラス何年かで達成可能というような公表の仕方は検討されないのだろうか?このあたりが皆目見えない。従って今の状況は何かの誘導のような感じが否めない。(60代、その他・退職者)
・日本としては、震災復興が最優先課題(70代、その他・リタイア族)
・電力の原子力依存は捨てるべきと考えています。循環型エネルギーを社会に啓発しなければならない時だと存じます。(40代・学者・研究者)


問2.11月28日から12月9日まで南アフリカのダーバンで気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開催されます。この会議では2013年以降(京都議定書第1約束期間以降)の気候変動に関する国際的な枠組みの合意が目指されています。この会議についてあなたはどの程度知っていますか。


「その他」と回答した人の自由記述

・そろそろ、人類生存のための地球環境自体の寿命を検討する時期に入りつつあるように思える。人類を育んできた地球を人間の知恵で破滅させつつあるようにも見える。(70代、その他・リタイア族)


問3.COP17では2013年以降の気候変動に関する国際的な枠組の合意が目指されていますが、各国の利害が厳しく対立し立場が分かれています。あなたは次のどの立場が望ましいと考えますか。


「その他」と回答した人の自由記述

・何らかの枠組みにとにかく載せるというのは重要だと思う。いわゆる先進国は京都議定書準拠、他の国々は別の基準を用意してでも何らかの枠組みに載せるというのも仕方がないと思う。問題は米国だと思うがEU、カナダ、日本で圧力をかけることはできないのだろうか?少なくとも経済情勢厳しい欧州が何とか頑張ろうという方向を出したら日本は後ろ向きは不可能だと思うのだが。(60代、その他・退職者)
・アメリカや中国、インドなどが二酸化炭素排出制限に消極的であるのは、経済至上主義をあくまで貫くためと考えます。自由主義であろう共産主義であろうと,もはや経済至上主義が人類に真の幸福をもたらさないことは明らか、未来の地球、人類他多くの生命を存続させるためには、弁証法的に今日の社会構造を否定し根本的な哲学、人間としての自覚、新しい倫理観の確立が急務であり、新たな道を模索するしかありません。こうしたことが数年でできるとは考えられませんが、今日はその大変革の緒に就いたところでありましょう。残念ながら大国の自覚は極めて低いと考えます。(60代・NPO・NGO関係者)
・地球環境の有難さを世界的に再認識すべき。エジプトの古代文明が中近東の砂漠化をもたらしたという、反省をこめ、いまこそ、地球そのものの 永久的な保全を考えるべき時期。(70代、その他・リタイア族)
・そもそも地球温暖化が疑わしい。物事を短期的に見すぎ。数字の遊び過ぎ。(40代、自営業)
・CO2による温暖化の進行は待ったなしだと思います。様々な異常気象が発生し、規模や被害が大きくなっている現在、「京都議定書」はあまり意味がなく延長すべきではありません。「空白状態」は論外です。消極的な国をも説得し、「京都議定書」より進んだ新しい「議定書」が必要です。消極的な国に色々な資料を提出し、温暖化の進行の危険性を粘り強く説得するべきです。「生命」が大事か、「金」が大事かと強く問うべきだと思います。(40代、その他・求職中)


問4.これまでの設問に関し追加的なご意見、ご質問がありましたら、ご自由にご記入ください。

・1.中国とアメリカがここ一年で出したCO2及び温室効果ガスについて、それがどれだけ世界の環境に悪影響を及ぼしているか数字で示せるとよいと思います。 2.カザフスタンではロケット燃料の燃焼ガスにより多数の家畜が死滅していると報道がありました。また、航空機燃料の燃焼ガスもその毒性が指摘されています。こうした飛行物体が世界の空に排出する毒性の強いガスによる大気汚染も議論すべきかと思います。またPM2.5など生命に害を及ぼす大気汚染の実態について認識を高めるべきではないでしょうか。(50代、会社員)
・2050年の長期目標(90年比、80%削減)に向けて、戦略的環境アセスメントの観点から、震災復興を前提にしたエネルギー需給等の複数の代替案を比較検討して、2013年以降の中期的立場を検討する。(60代・自営業)
・3月11日東日本大震災、福島の原発事故発生以来自然エネルギーについて(マスコミの報道も含め)まともに取りあげられていない。切羽詰まっている状況にも拘らず、地球温暖化対策の基本である京都議定書のことが完全に忘れ去られている現状に危機感をおぼえる。震災からの復興していくにあたり、エネルギーの恩恵を我々は如何に受けるべきかについて抜本的に議論していかねばならない。 この放送がその第一歩にならんことを切に望む。(40代・各団体関係者)
・COPでの取り決めが参加国全員の賛成ではなく、別の取り決めで済むようなメカニズムを作らないと、この件での合意は不可能でしょう。その辺で、日本はEUと組めないんでしょうか?日本はこの件でリーダーシップをとるためには、約束を果たすか、そうでない場合の説明をしていく必要がありますが、今の民主党には、この件をリードする人がいるような気がしない。他党からでもいいので、そういった人を南アに送るべきではないですか?(60代、NPO・NGO関係者)
・ものづくりよりマネー優先の感覚が、価値感・倫理観の崩壊につながっている。日本はこのまま推移すると、金持ちは海外に逃避し、極東の避難民の受け入れを強制され、日本列島は、超貧民列島になるおそれあり。(70代、その他・リタイア族)
・温室効果ガスの削減というのは本当に温暖化対策として有効かどうかに疑問を持っています。そもそも温暖化というのは複合的に起こることであるので、それを単純にCO2に帰することは、MONEYに代わる排出権取引という名の"ポイント"制にすぎない。しかもこのポイント制は先進国の金融に直結するものであり、途上国の幸福について考慮されたものでは当然ない。まして、大量の放射性物質を数万年にわたって地球全体で保管していかなければならない「原子力発電」抜きには語れない代物です。CO2がいいか?ストロンチウムがいいか?と聞かれたら...CO2の方がいいのではないでしょうか?COP17以降はもうやめたらどうでしょうか?(40代、企業経営者・幹部)
・環境問題に関する米中ロの横暴な態度をこれ以上許してはならない。これらの国々が本気で環境問題に取り組む姿勢が無いのは最早明らか。なんでこんな利己的な連中のために我々小国が 犠牲にならねばならないのか。大国の独善と横暴に忍従せよなどというのはナンセンス。(70代、その他・無職)
・京都議定書制定当時の議論はそもそも『二酸化炭素悪ありき』を前提にした物でしか無かったと捉えています。そもそもの地球温暖化が問題なのか、温暖化しているならば本当の原因は何かの議論をしつつ安定的エネルギー供給の議論が進んで行く事を望んでいます。また、政策の連続性は重要ですが、復興再生を成さねばならない日本の現状に京都議定書が定める内容が見合わないのであれば、日本は現状に即したエネルギー政策を主張すべきです。(30代、国会議員・秘書・党関係者)
・今更蒸し返しても仕方がないことかもしれませんが、温暖化の科学的根拠が未だに不明確であると感じていますし、むしろ、以前より批判的科学者が増えているようなニュースも耳にします。排出量取引にかんして、ギリシャが財政難のなか売りに出す情報で相場が急落したといったニュースを最近どこかで見たような気がします。温暖化CO2問題にかんしては数年前、近隣大学の専門学者を集めた公開講座で多くの専門家の話を3年間聞きましたが、見解には非常に大きな幅がありました。科学的な根拠付けは難しいといった印象があります。本当に温暖化問題が、現在のような世界規模の経済社会危機の中で、いままでのあり方でCOP17移行も続けるべきなのかあらたな方向を検討すべきなのか判断がつきかねています。新興国も先進国も経済的余裕があるのか?先進国は経済の停滞でCO2排出量はそれほど増加はしないかもしれませんが、新興諸国はここ4-5年は急速に伸び続ける可能性が高いでしょう。世界貿易という観点からすると排出量を現在のように国別に判断するのは単純すぎるようにもおもわれますが?(70代、各団体関係者)
・地球温暖化対策にしても、いまだ確たる科学的証拠がないとして消極的な考えを持つ国があります。出来るはずがないとされた北極圏のオゾンホールの出現、フロンよりも二酸化炭素の断熱効果、オゾン層の破壊などが危険視され、福島の原発事故どころではない、全人類が宇宙からの途方もない放射線を浴びる結果となるやもしれません。そうなれば人間は自身の手で数十億年をかけて培ってきた地球の生きとし生ける生命を破壊することになるやもしれません。そうなれば人間は地球上の最悪の放蕩児となりましょう。一刻も早く万物の霊長としての自覚とこの地球に責任を持つ人間になることが求められています。物やお金にうつつをぬかしているのは、子供がオモチャをもらって有頂天になっているに等しい。人間は一歩も二歩も真の意味で大人にならなければなりません。資源の分捕り合戦や、覇権や、マネーゲームなどは将にその証左にほかなりません。今こそ歴史に深く学び、古今の叡智を結集し思考の在り方を根本的に変えるべきでしょう。釈迦が、キリストが、孔子が訴えた人間として踏み行うべき道を今一度真剣に考えなければなりません。キリストを民衆が十字架にかけたように、二千年後の人類が自らを十字架にかけるようなことがあってはならないと思います。現代は愛が極めて希薄な暗黒の時代だと思う今日この頃です。(60代、NPO・NGO関係者)
・地球規模の課題に対しては、各国の意見の対立を鮮明にする方向ではなく、共通の立場に立てる取り組みを進めることを議論の中心にすべきである。(50代、各団体関係者)
・地球内部の状態は変えられません。しかし、地上の大気の状態は間違いなく人間が壊しました。しかし、人間の知恵を結集すれば、ゆっくりかもしれませんが確実に温暖化を阻止し、おだやかっだった昔に戻せると思います。私は9月に亡くなられた、ワンガリ・マータイ氏の意思を継ぐべきだと思います。燃やして放出された化石燃料の回収は、植物に頼らなければならないと思います。そして、将来は化石燃料の使用を極力抑え、他のエネルギーを使うべきだと思います。現在、食料価格高騰の原因にもなっていますが、私はバイオ燃料が最適だと思います。電気で車は走りますが、飛行機は飛ばないし、船も長距離の航行が難しくなります。(40代、その他・求職中)
・途中まで、COP17という言葉の意味もわからず書きました。お役に立てずごめんなさい。(40代、自営業)
・放射能汚染やTPPについても言われることだが、政府の情報秘匿はひどい。 これは政権党がどこかに関係ないような気がする。ここで数値的なもの、または各国の状況についての事実の公表があって初めて実りある議論ができるとおもうのだが、ここを何とか突破する必要があると思う。(60代、その他・退職者)
京都議定書は あくまでも暫定的な合意であったことを強調し、米・インド・中国が何らかの形で削減義務を負うべき、と主張することが必要。それが、成功しなければ、日本は京都議定書のレベルを上回る削減目標を具体的に設定し、それを遵守することを一方的に宣言する。(60代、企業経営者・幹部)


言論NPOの活動に対するご意見やご要望、ご感想がございましたら、ご記入ください。

・マスコミの堕落が進んだ今、「言論NPO」の役割は大きいです。微力ながら応援します。頑張って下さい。(40代、その他・求職中)
・もうすこし、メディアに情報発信をされたらいかが。(70代、その他・リタイア族)
・言葉を使う人間として言論の力が重要です。言論は意思の伝達、思想の伝達、モノの考え方を変革するために与えられた天賦の力であります。日本の政治も言論の力が脆弱なための混乱であり、特に民主党政権はその基底に国家、国民を心から慈しむ愛情が欠けているとともに、国家ビジョンを持っておりません。頭でっかちの秀才を育ててきた教育にも問題があり、松下政経塾に根本的に欠けているものがあるということです。本当に人生の苦悩を通過してこない根無し草の頭の良さが 目立ちすぎます。国民の愚かさとあいまっての混乱であります。政権奪取に拘るあまり道を踏みはずしました。だからと言って自民党においても長い間の政権に安座し不断の変革を怠ったことは 間違いありません。工藤代表をはじめ言論NPOがオピニオンリーダーとしてますますの活躍を祈念いたします。考え方が変われば言葉が変わる、言葉が変われば態度(礼儀)がかわり、態度が変われば運命が変わり、運命が変われば人生が変わります。これは個人、家庭、社会、国家、世界に 通じる普遍的法則であります。これをどう活用するかは自覚次第ということです。(60代、NPO・NGO関係者)
・討論の議事録やビデオ配信は、大変重要だと思うが、メールを受け取っている方としては、数分で見られるダイジェスト映像とか、抄録とかがあると助かる。その場にいない者にとって、例えば自宅で1時間や2時間のビデオを見るのは現実的ではない。(60代、その他・退職者)



 11月23日の言論スタジオでは、蟹江憲史氏(東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授、高村ゆかり氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授)、松下和夫氏(京都大学大学院地球環境学堂教授)をゲストに招き、「COP17で問われる課題とは何か」をテーマに議論が行われました。
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