「被災地のため、僕らは何をするべきか」 ─語り手:大阪ボランティアセンター理事・事務局長・早瀬昇氏

2011年2月17日

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■■■■ 言論NPO メールマガジン 【号外】(3月17日発行) 
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■■■■ 発行:認定NPO法人言論NPO〈https://www.genron-npo.net/〉

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東北地方太平洋沖地震の復興のために
言論NPOも本格的な活動を開始します

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3月11日(金)に東北地方太平洋沖地震によってお亡くなりになられた皆様の
ご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆さまに、心からお見舞い申
し上げるとともに、一人でも多い皆様やご家族の皆様がどうかご無事でありま
すこと、そして、被災地の一刻も早い復興をお祈りいたします。

言論NPOとしては、被災地の救出から復興までを視野に入れて、そのために
緊急に必要な情報を皆様にお伝えし、共有するほか、この間起こったことを冷
静に分析しながら、これからの復旧や復興までを視野に入れて、議論の力で私
たちなりの役割を果たしていきます。


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 【緊急対談】
 「被災地のため、僕らは何をするべきか」
  ―語り手:大阪ボランティアセンター理事・事務局長・早瀬昇氏

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今回は、阪神淡路大震災の時に「被災地の人を応援する市民の会」の事務局長
を務められた、大阪ボランティアセンター理事・事務局長の早瀬昇氏と緊急対
談「被災地のため、僕らは何をするべきか」をお届けします。
ここでは議論の一部を掲載いたしますが、被災地のために自分のできることは
何かと考えておられる皆様にはぜひお読みいただき、今後の行動の参考にして
いただければ幸いです。

▼緊急対談の全容はこちらから↓
https://www.genron-npo.net/society/topics/post-55.html

■阪神淡路の経験と東北太平洋地震は何が異なるのか■

早瀬氏:今回の地震が阪神淡路大震災と違うのは、1つは被災地の広さです。
数え方にもよりますが5県にまたがって被災しているわけです。阪神淡路大震
災の時は、阪神間と淡路島という狭い地域でした。それから、阪神淡路大震災
の時は震災の翌日には、被災地に電車で入ることができました。翌日の1月1
8日には阪急電車の始発が、西宮北口という被災地のど真ん中の駅に入ること
ができました。電車で行けるということは非常に重要なことで、被災地に負荷
をかけずに大量のボランティアが入れました。

ところが、今回の場合には、ご存知のようにボランティアは一般道でしか入れ
ないので、国道4号線を使うのですが、今は大渋滞です。実際には被災地に向
かって、食料やガソリンを運んでいるのですが、その中にボランティアの車が
入ってしまうと、その分だけ被災者の皆さんに負荷をかけるわけですね。その
点で、今は、ボランティアは入ってはいけないということになっています。電
車が使えない、つまりアクセスが難しいということは、もの凄く重大な問題で
す。

■これまでは救助の段階で、後方支援を固める時期■

早瀬氏:今はまだ、レスキュー期です。復興ではないです。

工藤:つまり、これまで住んでいた人たちがどこにいるかわからない、そうい
う状況なので、そういう人たちの食料とか、生活を安定に...

早瀬氏:よく「72時間」と言われますが、その数字は、水が無いときの話な
のですね。水があれば72時間以上生きられるので、5日経っているけど、ま
だレスキュー期です。昨日だって、2人見つかったでしょ。だから、水があれ
ば、まだ生き延びている人がいることもあるし、そもそも被災者の状態が全く
分かっていません。ボランティアの人たちは、生活復興の時に関わっていく存
在ですから、その点で言うと、今は義援金系の話と、支援金の時期ですね。言
い方ははっきりしていないのですが、僕たちの中では、義援金は被災者に配る
お金で、支援金は現地をサポートするNPOに対してのお金であって、この2
つの仕分けをしながら資金的にサポートしていくことが、今は必要だと思いま
す。

■ボランティアこそ被災者一人一人の生活に寄り添える■

早瀬氏:ボランティアの場合は、ボランティアは一体何をするのかという立ち
位置をしっかりしなければいけない。...(中略)ボランティアに一番大切なこ
とは、一人ひとりにこだわることなのですよ。つまり、行政は、公平に対応す
るのですが、一人ひとりの生活に寄り添えるのはボランティアなのですよ。例
えば、今回の場合は事態が違うので、一概には言えませんが、津波がなく震災
だけだった阪神淡路大震災の時に、我々が被災地でやったことは、今日みたい
な日だったら、被災者の皆さんが家に帰って、荷物を探しているわけです。そ
ういう時に、ボランティアも一緒になって色々なものを探すのですね。へその
緒を探したり、ああ、これはねとか、そういうような一人ひとりの生活に寄り
添うことが、ボランティアの役目なのですよ。行政は、個別に対応することは
できません。何百万人とか言うけれど、数ではなくて、全部一人と一人と一人
の合計が、何百万になる。だから、一人の人に寄り添うということが、ボラン
ティアの本来の仕事なのですよ。もちろん、救援物資の仕分けとか、ある種の
兵隊的に動かないといけない面もありますが、元来のボランティアの最も大切
な要素は、そこなのですよ。そこが活かされるような、コーディネーションを
しないといけない。そのためには、ボランティアコーディネーターが必要だと
いうことです。


▼緊急対談の全容はこちらから↓
https://www.genron-npo.net/society/topics/post-55.html

言論NPOでは、今回の緊急対談を端緒に、現地の方の声を含め、様々な情報
を皆さんに伝えていく役割をしっかりと果たしていきたいと考えていますので、
ぜひご注目下さい。

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