「2016年の日本を考える」有識者アンケート結果

2015年12月31日

総論

 言論NPOは、2016年を迎えるにあたり「2016年の日本を考える」と題して、有識者を対象にアンケート調査を行いました。

 この調査は、2016年が日本と世界にとってどのような年になるか、私たちがどのような課題に取り組まなければいけないのかに関する有識者の見解を明らかにし、今後の言論NPOの議論づくりに活用するために毎年行っているものです。
 調査の結果、2016年に日本が特に本格的に取り組むべき課題として、半数を超える有識者が「人口減少や高齢化など、日本の将来問題への取り組み」を挙げるという結果になりました。

2016年、日本が特に取り組むべき課題は「人口減少や高齢化など将来問題への取り組み」が5割
 2016年、日本にとってどのような課題に特に本格的に取り組む1年にするべきかを尋ねたところ、「人口減少や高齢化など、日本の将来問題への取り組み」が53.0%と、10の選択肢で唯一半数を超えました。「非正規雇用や貧困など、若い世代の労働環境などの改善に向けた取り組み」が24.9%で続き、多くの有識者が、日本社会の持続性を左右する社会保障問題への対応を重視していることが分かりました。

2016年の日本や世界の動向では、「日本の財政」「日本経済」「国際テロ」への注目度が高い
 日本の社会や政治、そして世界の動向で気になっていることを3つまで選んでもらったところ、「日本の財政再建」が25.8%、「日本経済の動向」が23.8%など、参院選に向けた各党の課題解決能力が問われるテーマに多くの回答が集まりました。一方、世界の課題では、「ISなど国際テロ問題」との回答が22.6%に上りました。

2016年、日本の政治に「変化を期待できない」との見方が約6割に達する
 2016年の日本の政治に新しい変化を期待できるか尋ねたところ、「期待できない」との回答が59.5%と、6割近くに達しました。一方、「期待できる」は昨年より6.8ポイント上昇したものの、25.8%にとどまりました。

84.7%の有識者が、2016年を重要な1年になるとみている
 2016年が日本にとって、「決定的とまではいわないが、日本の将来に影響を与える重要な1年になる」と考える有識者は69.6%、さらに、「日本の将来に影響を与える、決定的な1年になる」と考えている有識者も15.2%いました。両者の合計は84.7%と、昨年からは微減したものの、ほとんどの有識者が2016年を重要な年になるとみていることになります。

6割強の有識者が、2016年の安倍政権の運営に厳しい見通しを示す
 2016年が安倍政権にとってどのような年になるかを質問したところ、「様々な問題が表面化し始め、政権運営に黄信号がともる1年になる」が45.6 %、「政権への支持が低下し、安倍首相の基盤そのものが崩れ始める1年になる」も16.6%ありました。両者を合わせると62.2%に達し、昨年の61.0%から微増しています。


調査の概要

 今回の調査は、言論NPOの活動にこれまで参加していただいた全国の有識者約5200人を対象に、2015年12月26日から12月29日までの期間でメールの送付によって行われ、ご回答いただいた217人分のアンケート結果を集計し、分析しました。
 回答者の属性は、以下の通りとなっています。


2016年、日本が特に本格的に取り組むべき課題

2016年、日本にとってどのような課題に特に本格的に取り組む1年にするべきかを10の選択肢から2つまで選んでもらったところ、「人口減少や高齢化など、日本の将来問題への取り組み」が最も多く53.0%、以下、「非正規雇用や貧困など、若い世代の労働環境などの改善に向けた取り組み」が24.9%、「北東アジアに平和秩序を作り出すための取り組み」が21.7%で続きました。参院選を控え、日本社会の持続性を左右する社会保障問題への関心が相対的に強い一方、すべての選択肢で、選んだ人の割合が最低でも1割程度あり、有識者が日本の課題として広範なテーマを重要視していることが分かりました。


2016年の日本や世界の動向で気になっていること

2016年の日本の社会や政治、そして世界の動向で気になっていることを3つまで選んでもらったところ、「日本の財政再建」が25.8%で唯一4分の1を超え、次いで「日本経済の動向」が23.8%に達しました。その他、「日本の原発再稼働と再エネに関する取り組み」(16.1%)「介護や医療など、少子高齢化に伴う日本の対策」(15.7%)も相対的に多くの回答が集まり、今年の参院選で、安倍政権の実績や各政党の課題解決に向けた提案が問われる政策テーマへの関心の高さが裏付けられました。また、安倍首相の今後の言動が注目される「参院選後の憲法改正に向けた動き」との回答も17.5%ありました。
一方、世界の課題では、昨年、パリ同時多発テロやシリア情勢などをめぐる世界各国の対応が注目された「ISなど国際テロ問題」が22.6%と、全体で3番目に多い回答を集めました。北東アジア地域の課題をめぐっては、構造改革による成長モデル転換の成否が世界経済に大きな影響を及ぼす「中国経済の動向」を選んだ人も17.5%に達しました。


2016年、日本の政治に新しい変化を期待できるか

 参院選が実施され、衆参同日選挙の可能性も指摘される2016年、日本の政治に新しい変化を期待できるかを尋ねました。最も多かった回答は昨年と同様「期待できない」で59.5%でしたが。この割合は昨年(64.0%)より5ポイント減少しましたが、依然として高い割合となっています。一方、「期待できる」は昨年の19.0%から増加したものの、依然として25.8%にとどまりました。また、「わからない」との回答は14.8%(昨年は15.8%)でした。


2016年は日本にとってどのような年になるか

2016年が日本にとってどのような年になると思うかを尋ねたところ、最も多かった回答は「決定的とまではいわないが、日本の将来に影響を与える重要な1年になると思う」で69.6%、次いで「日本の将来に影響を与える、決定的な1年になると思う」が15.1%でした。両者を合計すると84.7%となり、昨年の調査(86.0%)よりも微減したものの、ほとんどの有識者が、2016年を日本にとって重要な年と見ていることが分かりました。なお、「日本の将来にとっては単なる通過点に過ぎず、これまでと変わらない1年になると思う」という回答は12.0%(昨年11.5%)にとどまりました。


2016年、安倍政権にとってどのような年になるか

2016年が安倍政権にとってどのような年になるか尋ねたところ、「様々な問題が表面化し始め、政権運営に黄信号がともる1年になる」が45.6 %(昨年49.5%)、「政権への支持が低下し、安倍首相の基盤そのものが崩れ始める1年になる」も16.6%(昨年11.5%)ありました。両者を合計すると、62.2%の有識者が、安倍政権の運営に対して厳しい見通しを示していることとなり、この割合は昨年の61.0%から微増しています。一方、「リーダーシップを発揮し、課題解決に向けて着実に動いていく1年になる」という回答は、昨年の27.2%から24.0%に微減しました。