座談会「世界の金融危機と日本の進路」(4)いま政府・日銀がとるべき対策は

2009年1月29日

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内田和人氏(東京三菱UFJ銀行企画部経済調査室長)
平野英治氏(トヨタファイナンシャルサービス株式会社取締役)
水野和夫氏(三菱UFJ証券チーフエコノミスト)
工藤泰志(言論NPO代表)

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いま政府・日銀がとるべき対策は

工藤 今までの議論は、アメリカをベースにした金融危機、グローバルな経済不況の問題に対してどう対応できるか。その危機を乗り切った後、アメリカをベースにした展開はどうなっていくのかという話でした。しかし目を日本の国内に転じると、政治の世界では、こうした世界的な危機への対応や危機後の日本の進路のような議論もありません。あるのは、選挙・政局の議論だけです。

そこで2つの点で議論したいのですが、ひとつは、日本政府の経済対策は今議論してきたような状況に見合っているのかどうか。2つ目は、世界的な大転換のときに日本として、どんな進路を形成すべきか、日本に何ができるのか、です。


景気対策の緊急実施とセーフティネット対策を

内田 その前に今の日本経済の状況に関して私見を述べたいと思います。外需依存傾向がより強まる一方で、内需については少子高齢化、経済構造システム疲労などがあって成長のポテンシャリティが非常に弱い。そのような中で今年9月以降、特に8月の輸出の大きなマイナスから、日本の主要3業種である輸送機械、電子部品・電気機械、一般機械が大きく減産ないしは業績の悪化という状況に入ってきた。この3業種は産業連関表で言いますと、誘発効果が1を超えて、だいたい1.2くらいあります。要するに、車を1台つくると、さらに車1.2台分くらいの景気増幅効果がある。この3業種が業績を拡大すれば、日本経済に対して、いわゆる経済のレバレッジ効果が効くわけですが、逆に大きく減速すると経済の悪化が増幅して進む。この3業種の大幅な業績悪化は、これから川下ないし関連企業に波及していくのではないかと思います。

 当然サプライヤーや部品工業などに影響があると思われますが、私どもの分析によると通常のサービス業、金融・流通、それから派遣会社も大きな影響を受ける。実際に8月以降の倒産件数を見ると、それまでは建築基準法の改正の影響が大きくて建築・不動産の業界の倒産件数が非常に高かったわけですが、8月以降は今申し上げた業種を含めて、建築系は3分の1くらいに減り、残り3分の2が一般のサービス、それから卸売業などに広がってきています。金融危機の第一波については、日本経済は新興国に支えられていたし、金融業界もサブプライム関連の損失は少なかったわけですが、第二波で世界経済が減速したとたん、日本経済も失速状態に入りました。

 それに伴って、われわれ金融機関にも大きな貸出関連の損失コストが増えている。今後さらに増大するでしょう。私どもが出している世界経済見通しでは、来年の世界全体の経済成長率はよくても2%で、その中で先進国は軒並みマイナスですが、先進国の中で一番マイナスが大きいのがイギリスで、マイナス1.8%くらいです。これに対して2番目にマイナス成長が大きいのが日本と見ており、マイナス1.2%です。このようにこれから経済が大きく悪化するのは、残念ながら日本経済なのです。

 その中で景気対策ということですが、まずは補正予算の総額39兆円の対策、これをスピード感をもって実行していくことが重要だろうと思います。ただし39兆円のうち、いわば真水部門は5兆円のみでありまして、30兆円は金融支援策です。給付金は乗数効果が2割程度しかありませんので、だいたい2兆円の減税効果、GDPの押し上げ効果が0.1%から0.2%くらい。景気対策は一刻も早く通すべきですが、効果は極めて限定的だと見ざるを得ません。

 景気対策として何が重要かというと、これから年度末にかけて企業の資金繰りは相当タイト化していきますので、企業倒産を抑えるために企業金融支援を強化しなければなりません。その上で、できれば中長期的な経済の構造転換を睨んで、環境など成長分野に財政支出を積極的に投入していくのが望ましい。しかし、そこまでは議論が行かないと思いますので、雇用や金融のセーフティネット対策、あとは正直言ってアメリカのオバマ政権の経済対策頼みというのが現実的なところではないかと思います。5000億ドル、7000億ドルの半分は2年間でやるとオバマ氏は明言しており、1月の大統領就任式後の共和党との議会対立は相当強いものになるとは思いますが、4、5月くらいまでに通過して6月以降に実施されれば、年後半は景気底入れ期待が持てるようになると思います。

 あとは中国ですね。中国の経済対策4兆元が予定通り実施されれば、日本の外需の約6割が新興国、そのうち中国が25~26パーセントありますので、かなりの下支え要因になります。他人頼みのようですが、現実的に日本の景気はアメリカ、中国次第だと思います。


工藤 セーフティネットとしては今の対策は機能しているということですか?


内田 30兆円が企業金融支援になっているので、それなりに機能すると思います。ただ、まだ第一次補正しか通っていませんから、第二次補正が通らないと年度末には間に合わない。企業の資金繰りは年末、年度末が一番厳しく、1―3月は社債の償還が相当あります。今の資本市場の状態だと社債の折り返し発行は難しいので、大企業中心に短期の調達を増やすと思います。日銀は銀行への資金供給を増強していますが、資本規制がある下では銀行の貸出増加にも限界があると思います。あとは政府保証の貸出を拡大しないと、全体として企業の資金繰りをカバーしきれないのではないか、と思います。


政府・日銀が民間企業のリスク引き受けを

平野 おっしゃるとおり、年末資金については手当てが進んでいるところが多いけれども、年度末にかけて相当厳しくなるだろうと予想されます。今、株価が落ちていて約8000円ですが、さらに落ちる可能性も高い。株が1万円を超えているときと8000円のときで何が違うのかというと、全体的に見たときの銀行の自己資本のレベルが違います。つまり、銀行は自分のバランスシートの中に乗っている株を、金融危機の中で政府主導になったことで売却しましたが、その後また株の購入を増やしました。株が上昇している間は銀行経営に大変プラスだったということですが、株価が下落する中では銀行の自己資本比率が低下していきます。自己資本比率が低下しているときに銀行ができることは、資産を圧縮するか、資本を増やすかしかないわけです。しかしこの資本市場の状況では資本は簡単に増やせません。そうするとどうしても、貸し剥がしと言われようが、貸し渋りと言われようが、資産を圧縮しないと健全性は保てないわけです。マクロでは、全体としては年度末にかけてそういう動きが起こってくるのではないかということが予想されます。

 一方で、グローバル企業を中心に企業の業績は悪くなります。企業の業績が悪くなるということは、キャッシュフローがどんどん減ってくるわけで、マイナスになるかもしれない。つまり資金調達のニーズは高まります。そうすると、資金の供給と需要のミスマッチが大きくなり、そのことが企業の資金繰りを悪化させるであろうということが予想されます。重要なのは、資金繰りの逼迫が健全な企業まで及ぶということになりますと、日本経済の将来の食い扶持をどんどん失うということになりますから、そこは何としても守らないといけないということです。

 どうやって守るかというと、もちろん銀行自身も色々努力をして、民間企業も努力しないといけない。しかし、今のようなグローバル金融危機の中では、それだけでは限界があるかもしれないので、やはりここは政府介入によって、何とか健全な企業には金が回るような支えが必要だと思います。そういう意味で、信用保証の枠を増やしたりする信用補完措置は非常に意味がある措置です。それだけに早くやらないと意味がない。早く法律が通れば安心感が生じます。そうするとマーケットの信用も変わってくる。それが単に案としてウロウロしているだけでは、何の意味もありません。カネがどこから出るのかという議論やカネを出す約束ではなくて、カネそのものがビシッと出てくることが重要です。出てくるメカニズムがあるということが重要だという意味では、先ほど内田さんが言ったスピードはとても重要です。

 しかしこれで十分かと言われると、私は政府にはまだまだやる余地があると思っていまして、今の金融機能強化法などは少々使いにくく、いろいろばら撒き的に配る余地があるのなら「これは」という金融機関に政府が条件つきで資本を注入することが本当は重要だと私は思っています。それから政府・日銀が直接、民間企業のリスクを引き受ける。これは非常に異例のことですが、海外を見渡すとどこでもそういうことをやっている。日本においても、検討していいのではないか。金融機関に「貸し剥がしをするな」とだけ言うのは非常に酷な話で、規制があるわけですからそうはいかない。ですから、政府がそういう民間の金融活動に直接介入する程度を強めるということも、緊急措置として私は早期検討されてしかるべきだと思います。率直に申し上げていろんなレベルで危機感が足りないのではないか。これからはもっと危機感を共有したうえでの政府の指導力が求められていると思うわけです。


内田 今、平野さんもおっしゃっていた後半の部分が非常に重要で、実は今、銀行では私どもも含めて、お金は余っている状況です。預金と貸出のバランスは、預貸率と言われるものですが、日本は貸出が預金の約50%と預金量が貸出量を大きく上回る預超の状態になっており、その結果、貸出競争が起きていて、貸出レートも海外に比べて高くない。ではそういう中でなぜ問題になっているかというと、BISでリスクアセットの規制があり、貸出資産を自己資本の一定の範囲にとどめないといけない。BIS規制にはもうひとつあり、景気が悪くなると貸出資産に対するリスクを厳しく評価しなさいということになっています。これは前回の日本の不良債権の教訓でもあるわけですが、つまり景気が悪くなると、貸出資産のリスクはどんどん高まります。株式については株価が上昇する見通しから購入したのではなく、商法改正により、海外からのハゲタカファンドに対する防衛の意味もあって株式保有を増やしたというのが真実なのです。いずれにせよ、株価が落ちると、自己資本もその分の損失がだんだん増えてくる。このように、今はBIS規制に縛られた状態にあります。

 そうしたなかで何が一番有効かということですが、緊急避難的に日銀が民間企業のリスクを直接的に引き受けることだと思います。既に日銀はCPを担保にした資金供給オペレーションを行っています。しかし、日銀がCPを直接買い取る効果とは異なるわけです。どう違うかというと、担保の場合は、日銀に預けていたCPが最後にまた銀行に戻ってくる。そうすると、銀行のCPや短期の金融の貸し出しの枠は、変わらない。一方、日銀が担保のCPを例えばその銀行の保有するCP5兆円のうち2兆円を買い取れば、2兆円は信用リスクが銀行から日銀へ移転していますので、銀行の貸出枠が空くわけです。その分、銀行で言えば証書貸付や手形貸し付けを増やすことができる。政府なり日銀がCPを買い取ってくれれば、企業金融という意味では非常にインパクトのある政策になると思います。

 財政政策については、信用収縮や失業率上昇が厳しいなかでは、砂に水をまくようにして効果は期待できません。短期的な効果は限定的と割り切ったうえで、中長期的に産業の成長力が高まるようなたとえば環境分野などに重点的に行うべきではないでしょうか。目先1、2年はそんなに効果はないでしょうが、危機を抜けたあとに、知的所有権や国際競争力が高まるなど、そういう姿にもって行くことがこの局面では重要だと思います。


工藤 それでは水野さんが来られましたので、水野さんに今の経済情勢の中で日本政府がとっている経済対策についての評価をしてもらえませんか。


水野 先ほど内田さんがおっしゃったことは私も同じだと思います。マクロ経済対策には、総需要を追加して、経済を押し上げるという効果は、もうほとんどないと思います。定額給付金あるいは、住宅減税などについてもそうです。なぜ効果がないかということですが、これは日本が92年、宮沢内閣のときから、事業規模で足して140兆円くらい、真水で70兆円くらいの対策をしました。それで景気はプラス成長になり大企業製造業は景気のプラス成長に寄与しましたが、中小の非製造業は140兆円をつぎ込んでもマイナス成長でした。ですから、そもそも日本の持っている経済システムは、今の世の中で動いているグローバル化のシステムには全く対応していないので、そこを直さないと、従来型の総需要追加策は効かなくなっているのだろうと思います。今回の政策も、より景気優先だということで、この1年2年をどうするかということでしょう。それはむしろセーフティネットに内田さんのおっしゃっていたように、2兆円を定額給付金に使うなら、全部雇用対策だとか失業保険の充実などに使ったほうがいいと思います。


日本の強みを生かすための「構造改革」に取り組むべき

工藤 では、今までお話も踏まえながら、今日本の政治はこの危機の中で何を考えないといけないのでしょうか。


平野 そんなにいいアイディアがあるわけではありませんが、短期的には、皆さんがおっしゃっているように、経済が下手をすると壊れそうなのを壊さないようにということとセーフティネットをしっかりさせることだとおもいます。私も雇用対策は重要だと思います。ただ、メディアや政治で言われているレベルの話と、ギャップを比較的感じるのが金融の問題です。日本の金融は相対的に、「危ないこともしてこなかったしバランスシートもきれいだから、まあ大丈夫だろう、回り続けるだろう」という仮説があったけれども、そういうことではないと私は思い始めています。セーフティネットという意味では、健全な企業にお金が何とか回るような、支援をいろんなかたちで政府が真剣に検討すべきだと思います。そうでないと、せっかく日本にいい条件があるのにもかかわらず、それが将来生きてこないということになります。まず、目先は壊さないようにということです。

 しかし、やはり一番重要なのは、日本の相対的な強みというものを見据えた、今は流行りませんが「構造改革」というところに再び粘り強く取り組むべきであろうと思います。日本は衰退していくための条件がいろいろありますね。たとえば人口減少はマーケットが段々縮んでいくことを意味します。財政赤字問題を解決するめどもたっていない。地球的な資源制約がますます強まる中で、天然資源もほとんど持っていない。そういう意味で、知恵を出さなければ国は滅びていくという状況にあるわけですから、まず経済を壊さないこと、次に日本が持っている強みを再認識しながら知恵を出し実行に移していくことではないかと思います。日本の何がいいのかなと考えると、やはり日本の規律ある労働力は魅力ですね。世界中どこに行っても、こんな立派な労働資源はないのではないかと思います。

 環境技術などの技術資源は特に定評のあるところです。最近は海洋資源なども大変注目されています。日本には非常に広大な排他的経済水域があります。しかし保有しているだけでは意味がないので、利用の方法についても、もっと考えることがあるのではないかと思います。それから農業支援も注目されています。資金供給もそうで、これはある意味で金融資源になるわけです。さらに、アジアとの経済金融関係を強化しようというお話が先ほど内田さんからありましたが、やはり世界の成長の中心になるアジアに位置していることの有利性は、日本にいるとあまり気づかないけれど、海外から見ているとものすごく大きいわけです。こういう潜在能力を生かすような国づくりを今から進めていくことが私の希望であり期待であり、もしこれができなければ、「日本はバブルの頃がピークだったね」という話で終わると思います。それはそれでひとつの選択でもあるわけですが。

 もうひとつ最近思うのは、ポスト金融危機に関係することですが、アングロサクソン流の資本主義をどう考えるかについて最近議論があります。私は政府の失敗より市場の失敗のほうがはるかにましだと思っています。ただ、企業のガバナンスということを考えたときに、日本から世界にインプット、発信できる価値観もあるのではないかと最近考えています。それは、長期的な取引関係を重視する企業行動、あるいは企業の社会的意義を強調する風土です。これは間違うと社会主義・共産主義になってしまうのでバランスの問題ですが、この考え方はポストクライシスの価値観、資本市場のガバナンスに関する価値観を形成する上で、日本からインプットできる要素があるのではないかなと思います。

 今回の金融危機でレバレッジというのがひとつのキーワードになりましたが、シティバンクの前の  チャールズ・プリンスさんが「音楽が鳴っている間は踊りはやめられない」とおっしゃりました。経営者は株主に責任を負い、株式価値を最大化するのが役割だと。それはそれでいいのですが、その株主は往々にして近視眼的なものです。株が上がらないと、配当が出ないと満足しない。もっと言うと、株主は企業の経営なんてわかりませんから、何を見ているかというと競争相手を見ているわけです。シティのパフォーマンスを何と比べているかというと、JPモルガンとかそういうところと比較している。シティの経営の中身などは見ていない。つまりベンチマークは他の企業だけということになると、みんな競争しているわけですから「危ない」と思っても、短期で収益がとれるものに構造的に行ってしまうわけです。これは別に商業銀行だろうがファンドだろうが同じだと考えていいと思います。このメカニズムは総体として非常に近視眼的になってしまうことがやっぱりあると。それを修正するようなことを考えるべきだろうと私は思っております。

 その意味では、日本の経営も悪くない。もう少しカッコイイ言葉で表現できれば、おそらく日本は、いわゆる経済的貢献のほかに、理念的な貢献もできるかもしれないと思っていまして、そういう意味ではこの言論NPOの場で、そういう考えを議論しながら、アイディアを磨いていくのも大事だなと思います。


工藤 アメリカの規制緩和、競争主義がかなり格差を拡大させたということでした。まともに努力した結果の格差は別にいいわけですが、それに対する反発もある。オバマ氏も金融危機を直すために立ち上がり、ブームを起こしたというよりも、取り残された民主主義を何とか復権しようということで世論の支持を集めたわけです。この現象をどういうふうに見ればいいでしょうか。

平野 まだ具体的なものが出てきていないのでよく分かりませんが、この前アメリカに行ってきたとき、そういう意味でのオバマ政権への期待感は強く感じました。やはりアメリカは危機の中にありながら、大したものだなと思いました。そういう期待感がオバマ大統領を生んだ。また彼の政府の顔ぶれをみても、なるほどと思わせるところはある。自分は若いけれど、ベテランも配置しながら、オールスターのようなイメージを打ち出した。その意味ではアメリカにも元気があるし、私も期待したいと思います。

 しかし、どこでこれまでの流れを修正していくかという部分はなかなか難しくて、私はアメリカだけでできるとは思っていません。それはつまり、先ほども申し上げましたが、みんな構造的に近視眼的になるということもある。しかし、日本にはそれを何とかしてきたある種の企業群があるので、そういう実績を国際社会にインプットしていくことが重要だし、そういう日本をオバマ氏は評価するのではないかと思います。

 金融の面でも日本は受身ではなくてもっとインプットしていくべきです、アメリカはもともとの理念をかなぐり捨てて金融社会主義になったわけで、ヨーロッパはもともと社会主義だったのがさらに強まりました。中国ももともと社会主義です。すると金融社会主義と言われていた日本が相対的には一番自由かもしれないという状況になっている。日本が一番自分たちの考えを発信しやすい状況になっているわけです。

 だから今の政府が情けないということが、工藤さんが言われるようにとても気になるわけです。最後はその話になってしまうのですが。日本の政治にもメディアにも問題があると私は思います。残念なことは、海外でも日本の政治に興味を持っている人が、親日派の中でもほとんどいなくなりましたね。この前、「ジャパンアズナンバーワン」のエズラ・ヴォーゲルさんと話をしましたが、今の日本の政治について聞いたら、「興味ありません」と言われてとても残念でした。アメリカの関心は中国に向いているのです。しかしこういう姿を、日本のマスコミは正確に伝えないですよね。

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profile

内田和人(三菱東京UFJ銀行 経済調査室長)

1985年慶応義塾大学卒業後、三菱銀行入行。2001年調査室(NY駐在)チーフエコノミスト、資金証券部資金グループ次長を歴任。円貨資金証券部円資金グループ次長を経て、07年より現職。約20年にわたり、内外の金融市場、経済の分析、ポジション運営に携わる。主な著書に「米国経済の真実」他。

平野英治(トヨタファイナンシャルサービス株式会社 取締役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント)

1973年日本銀行入行。国会・広報担当審議役(97年)、国際局長(99年)、理事・国際関係担当(02年)を経て2006年退任。同年6月トヨタファイナンシャルサービス取締役に就任。経済同友会幹事、同行政改革委員会、及び米国委員会副委員長。

水野和夫(三菱UFJ証券株式会社チーフエコノミスト)

1953 年生まれ。80年早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了、八千代証券(81年合併後は国際証券)入社。以後、経済調査部でマクロ分析を行う。98年金融市場調査部長、99年チーフエコノミスト、2000年執行役員に就任。02年合併後、三菱証券理事、チーフエコノミストに就任。2005年10月より現職。主な著書に『金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉』他多数。

工藤泰志(言論NPO代表)

1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学修士課程卒業。東洋経済新報社で、『週刊東洋経済』記者、『金融ビジネス』編集長、『論争 東洋経済』編集長を歴任。2001年10月、特定非営利活動法人言論NPOを立ち上げ、代表に就任。