「安倍政権100日評価と日本政治の行方」 有識者アンケート結果

2013年4月20日



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2013年4月20日  認定NPO法人 言論NPO


 言論NPOは、「どのような政権も、発足後100日を過ぎれば有権者による厳しい監視にさらされなければならない」との考えから、政権の100日時点(4月4日)での評価アンケートを有識者対象に行い、4月20日に結果を公表しました。回答したのは企業経営者、メディア関係者、学者・研究者、公務員等の401人。この調査は、2006年の第一次安倍政権から、福田、麻生、鳩山、菅、野田の各政権で行われ、今回の第二次安倍政権は7回目となります。


100日時点の支持率は53.1%で、これまでの6政権と比べて極めて高い水準に

 まず、安倍政権の100日時点での支持率は53.1%と、それまでの6政権の100日時点と比べてきわめて高い水準となりました。これまで最も高かったのは、野田政権の33.9%でで、第一次安倍政権は24.0%に過ぎませんでした。また、この100日時点で安倍政権を「期待以上」と見る有識者は42.9%で、「期待通り」を合わせて64.8%となっています。この「期待以上」と「期待通り」を合わせた評価でも、これまでの政権で最も高いのは野田政権の25.2%でかなり高い評価となっています。さらに、100日後の政権運営についても、「期待できる」は39.2%と4割近くありました。


「首相の資質」に関わる評価は5点満点中3.3点―歴代最高得点

 次に、首相としての資質を、「説明能力」、「チームや体制作り」、「実績」、「指導力や政治手腕」、「見識、能力や資質」、「基本的な理念や目標」、「政策の方向性」、「首相の人柄」の8項目を5点満点で見たときの平均は3.3点となり、これまで最高得点だった野田、鳩山政権の2.4点を大きく上回り、7政権では最高得点を記録しました。第一次安倍政権は2.2点でした。8項目も、「首相の人柄」では野田、鳩山、福田政権と同水準になりましたが、そのほかは過去最高であり、他の6政権を大きく引き離す高評価になっています。とりわけ、「指導力や政治手腕」が3.6点と高い点数となっています。


安倍政権が手懸ける34項目では100日時点で評価はまだそう高くない

 一方、これまで安倍政権が打ち出した政策や政権対応の34項目のそれぞれに対する評価を聞いたところ、「うまく対応できた」と「うまく対応できていないが、今後期待できる」という回答の合計が50%を越えたのは8項目で、「緊密な日米同盟の復活」は71.8%、「TPPへの交渉参加」が69.4%、「日銀との共同での2%の物価目標への取り組み」が64.5%、「アベノミクスによる経済成長」が63.4%でした。

 逆に安倍政権の100日では、「対応で来ておらず、今後も期待できない」と答えた有識者が40%を越えた政策は12項目あり、「社会保障制度の改革」が51.6%、「地方分権改革」は51.9%、「電力システムの抜本改革」が47.4%、「財政健全化」が43.9%でした。

  「尖閣諸島の問題の解決」などアジアの外交課題に関しては設問の多くで、「今後は期待できる」、と「今後も期待できない」がほぼ同数となり、意見が分かれています。


国民に説明が不足しているのは、財政破綻の回避、エネルギー政策、社会保障改革

 また安倍政権が、国民に説明を求められている課題で、その説明が十分でないと有識者が感じている政策課題で最も多いのは、「日本の財政破綻をどのように食い止めるかの道筋」の46.1%で、続いて「原発再稼働に向けた道筋と日本のエネルギー政策」の32.4%、「社会保障制度をどのように持続的なものにするか」の30.9%が並んでいます。


既存政党への期待が回復

 現在の日本の政治について、前回の野田政権時の100日評価では「国家危機の段階」や「既存政党の限界が明らかになり、政策を軸に政界再編に向かう過渡期」と判断する人々がそれぞれ4割近くになっていましたが、今回は両方とも半減。代わって、「新しい国や政府、社会のあり方をまだ模索している時期」が43.6%で最多となりました。また、既存政党に対する評価を問う設問でも、「期待している」が10.8%だった前回調査に比べ、「いくつかの政党には期待している」が44.6%を占めるなど既存政党への期待が回復してきています。さらに、日本の政党政治の今後については、「自民党を中心とした政治が長期化し、一極化する」が36.4%で最多となり、「政界の再編や混乱が繰り返され、政党政治自体が信頼を失う」という回答は15.2%にとどまりました。

<アンケートの概要>

 安倍政権は2013年4月4日に発足後100日を迎えました。どのような政権も、発足後100日を過ぎれば有権者による厳しい監視にさらされなくてはなりません。そうした考えから、言論NPOではマニフェスト評価の一環として2006年の安倍政権から、「100日評価アンケート」を有識者を対象に行い、その結果を公表しています。

 今回の安倍政権の「100日評価」は、安倍政権(第一次)、福田政権、麻生政権、鳩山政権、菅政権、野田政権に続き7回目になります。

 アンケート調査は言論NPOの活動にご参加、あるいはご協力をいただいている各分野の有識者、ジャーナリスト、企業経営者、官僚などを対象に2013年4月上旬から約2週間の日程で調査票の郵送やメールの送付によって行われ、2013年4月15日までの回答者である401人分を集計し、分析しました。回答者の属性は、男性が88.8%、女性が11.2%となっています。年齢別でみると、10代が0.0%、20代が2.8%、30代が7.3%、40代が15.0%、50代が29.8%、60代が29.5%、70代が13.2%、80歳以上が2.3%です(それ以外は無回答。以下同様)。回答者の職業は、企業経営者・幹部が17.5%、会社員が15.5%、メディア幹部が1.5%、メディア関係者が11.3%、国家公務員が2.6%、地方公務員が3.9%、国会議員が0.3%、地方議員が1.0%、NPO・NGO関係者が8.5%、学者・研究者8.5%、各団体関係者が8.2%、学生が0.5%、自営業が5.7%、その他が12.1%となりました。



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安倍政権の100日

 安倍政権の100日時点での支持率は53.1%と、これまでの6政権の100日時点と比べるときわめて高い水準になっています。また、発足時には「中長期的な成長戦略を立て、『強い経済』を実現すること」や「財政再建への取り組みを本格化すること」、「デフレ経済を立て直すこと」などが期待されていましたが、この100日時点で42.9%が「期待以上」と評価し、「期待通り」の21.9%を合わせると6割を超える人がこれまでの政権運営に満足しています。さらに、「期待以下」は3.2%にすぎず、これまでの政権と比較すると特に際立った数値が出ています。

 一方、100日後のこれからの政権運営については、「期待できる」は39.2%と4割近くにのぼりましたが、「どちらともいえない」という慎重な見方も3割以上あります。

安倍政権を支持するか

 安倍政権を「支持する」という回答は53.1%で、これは過去6回の100日評価アンケートの支持率と比べると最も高い水準であり、これまで最も高かった野田政権の100日時点での評価を20ポイント近く上回っています。「支持しない」という回答は23.2%にとどまり、調査開始以来初めて支持率が不支持率を上回りました。


あなたは、現在の安倍政権を支持しますか。【単数回答】

現在の安倍政権を支持しますか


【参考】歴代政権の100日時点での支持率比較

歴代政権の100日時点での支持率比較

発足時に抱いていた期待と比べて

 また、発足時に抱いていた期待と比べて、100日時点での安倍政権をどう思うか尋ねたところ、最も多かった回答は「期待以上」で42.9%となりました。「期待通り」の21.9%を合わせると6割以上の人が肯定的に評価しています。


安倍内閣は4月4日で発足100日を迎えました。現在までの安倍政権は、あなたが発足時に抱いていた期待に比べどうでしたか。【単数回答】


歴代政権の当初からの期待度比較

歴代政権の当初からの期待度比較


安倍政権に期待した役割とは

 では、安倍政権は誕生時、どんな役割を期待されたのでしょうか。安倍政権に本来期待されていた役割を問う設問で最も多かった回答は、「中長期的な成長戦略を立て、『強い経済』を実現すること」(49.6%)が最も多く、「財政再建への取り組みを本格化すること」(32.2%)、「デフレ経済を立て直すこと」(27.7%)、が続きました。


あなたが安倍政権に期待した役割は何ですか。【3つまで回答】

安倍政権に期待した役割は何ですか


今後の政策運営に期待できるか

 「安倍政権の今後の政策運営に期待できるか」という問いに対しては、約4割の39.2%が「期待できる」と回答しており、「期待できない」との回答(19.2%)を大きく上回りました。ただ、「どちらともいえない」と判断を見送った人も3割以上(33.4%)います。


安倍政権の100日をご覧になって、安倍政権の今後の政策運営をあなたは期待できますか。【単数回答】


安倍政権の今後の政策運営をあなたは期待できますか


【参考】歴代政権の今後の期待度比較

歴代政権の今後の期待度比較



100日時点で見た安倍首相の資質

 安倍首相の「首相の資質」は5点満点で3.3点。最も評価が高かったのは「指導力や政治手腕」の3.6点で、その他すべての項目で他の政権と比べて最も高い評点が出ました。

 言論NPOでは、100日時点で見た首相の資質に関して、①首相の人柄、②首相の政策決定におけるリーダーシップ(指導力)や政治手腕、③首相としての見識、能力や資質、④政権として実現すべき基本的な理念や目標、⑤既に打ち出されている政策の方向性、⑥これまでの政策面での実績、⑦安倍政権を支えるチームや体制づくり、⑧国民に対するアピール度、説明能力、の8項目について、「よい」(5点)「ややよい」(4点)「ふつう」(3点)「ややよくない」(2点)「よくない」(1点)と「わからない」の6段階で評価しています。

 この結果、安倍首相の100日時点での評価は、この8項目の平均で3.3点(5点満点)と、安倍(第一次)、福田、麻生、鳩山、菅、野田の各政権の100日評価と比較すると、際立って高い評点が出ています。特に第一次安倍政権との比較においても、1点以上上回っています。

 最も評価が高かったのは「指導力や政治手腕」の3.6点で、他の項目でも調査開始以降の最高点を記録しています。

 今回の評価では、この首相の資質を問う8項目の評価を5点満点で点数化してレーダーチャートで表示しています。


安倍政権のこれまでをご覧になって、首相の実績や資質に関して以下の項目をあなたはどう評価しますか。

首相の実績や資質に関してどう評価しますか


【参考】歴代首相の資質に関する評価

歴代首相の資質に関する評価

歴代首相の資質に関する評価


安倍政権が打ち出した個別課題への評価は

安倍政権の100日で「うまく対応できた」と相対的に評価が高かったのは、34項目の政策課題のうち、「政策決定における首相のリーダーシップや統率力」や「堅密な日米同盟の復活」、「TPPへの参加」など6課題でした。逆に、「一票の格差と選挙制度の見直し」や「中長期の財政健全化に向けてプライマリーバランスの黒字化」、「持続的な社会保障制度に向けた改革」などは、「うまく対応できていないばかりか、今後も期待できない」という厳しい評価となっています。

 安倍政権における政策課題の実行に関して100日時点で①うまく対応できた、②うまく対応できていないが、今後期待できる、③対応できておらず、今後期待もできない、④わからない、の4段階で有識者に評価してもらいました。

 その結果、安倍政権の100日で、①の「うまく対応できた」、②の「うまく対応できていないが、今後期待できる」が合わせて50%を超えたのは、「政策決定における首相のリーダーシップや統率力」(74.8%)や「堅密な日米同盟の復活」(71.8%)、「TPPへの参加」(69.4%)などをはじめとして7項目ありました。

 逆に、③の「対応できておらず、今後も期待できない」で最も多かったのが、「一票の格差と選挙制度の見直し」の52.9%で、その他にも50%を超えたものとしては、「地方に対する権限移譲や規制緩和などの地方分権改革」(51.9%)、「持続的な社会保障制度に向けた改革」(51.6%)と3項目ありました。この厳しい評価が「うまく対応している」、「うまく対応できていないが、今後期待できる」の合計を上回った政策課題は上記3項目の他にも、「聖域なき規制改革」(49.4%)、「電力システムの抜本的な改革」(47.4%)、「竹島の領土問題解決に向けた取り組み」(47.4%)など15項目にも及びます。


安倍政権のこれまでの対応や打ち出している政策について、あなたはどう思いますか。

安倍政権のこれまでの対応や打ち出している政策について、どう思いますか

安倍政権のこれまでの対応や打ち出している政策について、どう思いますか

安倍政権のこれまでの対応や打ち出している政策について、どう思いますか

安倍政権のこれまでの対応や打ち出している政策について、どう思いますか


安倍政権に求められる国民への説明課題とは

最も多かった回答は、「日本の財政破たんをどのようにくい止めるのかの道筋」。「原発再稼働に向けた道筋と新しい日本のエネルギー政策」、「社会保障制度をどう持続的なものにするのか」などがそれに続いています。

 安倍政権が現在、国民に説明を求められている課題の中で、有識者がその説明を十分ではないと感じているものを聞いたところ、最も多かった回答は「日本の財政破たんをどのようにくい止めるのかの道筋」の46.1%で、「原発再稼働に向けた道筋と新しい日本のエネルギー政策」(32.4%)、「社会保障制度をどう持続的なものにするのか」(30.9%)が続きました。

 前回、野田政権時の100日評価でも上位に入っていた「日本の財政破たんをどのようにくい止めるのかの道筋」が、自民党へ政権交代した現在においても、依然として重要な国民への説明課題であることが明らかになっています。


あなたは、安倍首相が現在、国民への説明を求められている課題で、その説明が十分でないと感じているものがありますか。【2つまで回答】

安倍首相が現在、国民への説明を求められている課題で、その説明が十分でないと感じているものがありますか


「アベノミクス」は成功するか

「成功する」と考えているのは17.7%と2割以下にとどまり、半数以上の有識者が「一定程度成功するが、長くは続かない」と「アベノミクス」の効果を疑問視しています。

安倍首相就任後、いわゆる「アベノミクス」によって、円安が進み、株価が上昇するなど、経済に明るい兆しが見えてきました。しかし、アンケートでは53.9%と半数以上の有識者は「一定程度成功するが、長くは続かない」と回答し、ある程度は有効な政策であるものの、その効果は限定的であると考えています。


安倍首相就任後、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略の3つを柱とする「アベノミクス」によって、円安が進み、株価が上昇するなど、経済に明るい兆しが見えてきました。あなたは、安倍政権の経済政策はこのまま成功すると思いますか。【単数回答】

安倍政権の経済政策はこのまま成功すると思いますか


「一票の格差」と解散総選挙

「一票の格差」の是正後、衆議院を解散するべきかという問いに対して、約半数の有識者はその必要はないと考えています。

昨年の衆議院選挙の「一票の格差」を巡る訴訟で、各地で違憲、または違憲状態との判決が出され、さらに広島高裁では選挙無効の判決も出されました。この格差を是正後、衆議院を解散するべきかという問いに対して、49.9%と約半数の有識者は「解散する必要はない」と考えています。一方で、「解散するべき」という回答も33.4%と一定数ありました。


昨年の衆議院選挙の「一票の格差」を巡る訴訟で、16件全てで違憲、または違憲状態との判決が下され、広島高等裁判所では選挙無効の判決が下されました。あなたは、「一票の格差」の是正が行われた後、直ちに衆議院を解散するべきだと思いますか。【単数回答】

「一票の格差」の是正が行われた後、直ちに衆議院を解散するべきだと思いますか


憲法を改正すべきか

「憲法改正」については、賛成派がやや優勢となっています。

 安倍首相のこれまでの発言から、今年7月の参議院選後に憲法改正に向けた動きが加速することが予想されています。この動きについて、「賛成」(23.9%)、「どちらかといえば賛成」(26.4%)を合わせると50.3%になり、半数を超える有識者が憲法改正について肯定的な評価をしています。ただ、「反対」(23.2%)、「どちらかといえば反対」(20.0%)という否定的評価の合計も43.2%と4割を超え、見方が分かれています。


安倍政権は、これまでの発言などから、今年7月の参議院選後に憲法改正に向けた動きを加速させるのではないかと見られています。あなたは、憲法改正について賛成ですか。反対ですか。【単数回答】

憲法改正について賛成ですか。反対ですか。


安倍外交の評価

安倍政権の外交姿勢について、4割以上の有識者が「現実的な外交を行っており全体的に評価できる」と肯定的に受け止めています。ただ、安倍首相がリーダーシップを発揮しているとは考えていない有識者もある程度存在しています。

 「戦略的な外交」、「普遍的価値を重視する外交」、国益を守る「主張する外交」を基本方針とする安倍政権の外交政策について、「現実的な外交を行っており全体的に評価できる」(40.4%)という評価が最多となっています。しかし、「現実的な外交は行っているが、リーダーシップを発揮しているとはいえない」という回答も23.7%あり、安倍首相の指導力を疑問視する声も一定数存在しています。一方、「安倍首相はナショナリストであり、不安である」と懸念する声は19.0%と2割以下にとどまっています。


安倍政権は外交政策の基本として「戦略的な外交」、「普遍的価値を重視する外交」、そして国益を守る「主張する外交」を挙げています。安倍政権の100日間をご覧になって、安倍政権の外交姿勢についてどのようにお考えですか。【単数回答】

安倍政権の外交姿勢についてどのようにお考えですか


日本の政党政治の今後


 
有識者は日本の政党政治の今後について、自民党を中心とした政治体制が続き、それが長期化すると考えています。

アンケートでは日本の政党政治の今後についても尋ねています。昨年の衆議院総選挙の結果、「自民党を中心とした政治が長期化し、一極化する」と考えている人が36.4%と最多となり、「政界の再編や混乱が繰り返され、政党政治自体が信頼を失う」という回答は2番目に多かったものの、15.2%にとどまりました。一方、「民主党が再建され、再び自民と民主の二大政党に戻る」と考えている人は2.2%にすぎず、民主党にとってきわめて厳しい結果となっています。


日本の政党政治の今後についてお聞きします。あなたは、自民党の政治(連立も含めて)は長期化すると思いますか。それとも再び、政界再編などが起きると思いますか。【単数回答】

自民党の政治(連立も含めて)は長期化すると思いますか。それとも再び、政界再編などが起きると思いますか。


参議院選挙の争点

7月の参議院選挙において、有識者が考える争点としては、「原発の再稼働を含めたエネルギー政策」がトップ。TPP交渉参加の是非や社会保障制度改革がそれに続いています。
参議院選挙で問われる争点としては、「原発の再稼働を含めたエネルギー政策」が46.1%で最多となりました。これに「TPPの交渉参加の是非」(37.7%)、「年金、医療、介護など少子高齢化に伴う社会保障制度の抜本的な見直し」(35.4%)、「アベノミクスへの是非」(34.9%)などが続きました。また、「憲法改正の是非」にも27.2%と一定の票が集まりました。


7月の参議院選挙で問われる争点は何だと思いますか。【4つまで回答】

7月の参議院選挙で問われる争点は何だと思いますか。


日本政治の現状認識

日本政治の現状を「新しい国や政府、社会のあり方をまだ模索している時期」と考えている有識者が前回調査から比べて急増。逆に、「国家危機の段階」や「既存政党の限界が明らかになり、政策を軸に政界再編に向かう過渡期」と判断する声は大きく減少しました。

「日本の政治の現状をどのように判断していますか」という設問では、「新しい国や政府、社会のあり方をまだ模索している時期」という回答が43.6%で最多となり、前回の野田政権100日評価時(15.0%)と比べると3倍近く増加しました。一方、その前回調査時に1位(41.7%)だった「政府の統治(ガバナンス)が崩れ、政治が財政破綻や社会保障などで課題解決できないまま混迷を深める国家危機の段階」は今回20.7%と半減。さらに、2位(36.9%)だった「既存政党の限界が明らかになり、政策を軸に政界再編に向かう過渡期」との回答も今回17.5%と半減しました。

代わって2位に浮上したのは、「未来の選択肢が政党から提起されないまま、サービス合戦や官僚たたきに明け暮れ、ポピュリズムが一層強まる時期」(30.4%)で、こちらは前回調査時(27.4%)から大きな変動はありませんでした。


あなたは、今の日本の政治の現状をどのように判断していますか。【2つまで回答】

今の日本の政治の現状をどのように判断していますか。


既存政党に対する評価は

既存政党に対する評価についての設問では、「期待している」と「期待していない」という有識者の2つの意見が拮抗しています。

現在の日本の既存政党についての設問では、「全ての既存政党に期待している」(1.7%)、「いくつかの政党には期待している」(44.6%)の肯定的な立場の合計が46.3%。一方、「全ての既存政党には期待していない」(8.7%)、「ほとんどの既存政党には期待していない」(37.9%)の否定的な立場の合計が46.6%となり、非常に拮抗しています。前回調査では「期待している」が10.8%であったのに対し、「期待していない」が61.8%と大差がついていたことを考えると、既存政党への期待が回復してきていることがわかります。


あなたは、現在の日本の既存政党に期待していますか。【単数回答】

今現在の日本の既存政党に期待していますか。


【調査に関するお問い合わせ】

 このアンケートに関してご不明な点などがございましたら、
言論NPO事務局(TEL:03-3527-3972 担当:宮浦)までお問い合わせください。

※なお、記述回答の結果につきましては、2013年4月下旬に言論NPOウェブサイト上で公表いたします。



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 言論NPOは、「どのような政権も、発足後100日を過ぎれば有権者による厳しい監視にさらされなければならない」との考えから、政権の100日時点(4月4日)での評価アンケートを有識者対象に行い、4月20日に結果を公表しました。回答したのは企業経営者、メディア関係者、学者・研究者、公務員等の401人。この調査は、2006年の第一次安倍政権から、福田、麻生、鳩山、菅、野田の各政権で行われ、今回の第二次安倍政権は7回目となります。