【プレスリリース】衆議院選挙に向けて安倍政権2年の「通信簿」を公表します

2014年12月01日

・総合評価は昨年2.7点から評価を下げ2.5点に
・アベノミクスは2.8点で、昨年3.2点から0.4ポイント低下

8分野の評価会議を明日2日から8夜連続で公開します また、有識者300人による安倍政権の評価アンケート結果も明日2日に公表します

 認定NPO法人 言論NPO(東京都中央区日本橋、代表:工藤泰志)は、12月14日投開票の衆議院選挙に向け、安倍政権の2年時点における「政権実績評価」を行い、その結果を本日12月1日に発表いたしました。総合評価は5点満点中2.5点となり、昨年実施した安倍政権1年時点での総合評価2.7点より、0.2ポイント下がりました。アベノミクスで注目される「経済再生」の分野は、現時点で成果を判断できないことが点数を押し下げ、昨年の3.2点から、今年は2.8点に下がりました。

 評価は、政策問題に関係する約50人の専門家が参加し、11分野の評価会議とヒアリングによって、評価が行われました。また、明日2日公開予定の有識者6700人を対象に実施した「有識者アンケート」の結果も評価の参考にしました。評価基準は、この2年間の安倍政権下で2012年の自民党マニフェストに掲げられた公約など67項目がどのように実現されたのか、その進捗度に応じて1~5点とし、説明責任を果たしていない政策は-1点としました。

 総評や各項目の詳しい評価については、言論NPOホームページでご覧いただけます。また、明日2日から8夜連続で、今回の評価会議を放送いたします。



安倍政権通信簿は2.5点(5点満点)

 言論NPOは衆議院選挙を前に、安倍政権の実績評価を行いました。全体の結果は5点満点中2.5点となり、歴代政権の中で最高点を出した昨年の2.7点よりもわずかに下がりました。11分野のうち、8分野で昨年から点数が下がり、今回上昇したのは2分野しかありませんでした。

 アベノミクスについては、経済の好循環に向けて鉱工業生産や輸出の数量などに数字の改善がみられますが、安倍首相が述べているような「景気の好循環」にはまだなっていないと判断しました。そのため、経済成長に関する様々な目標が現時点で達成できるかは微妙な段階にあるという結論になりました。


8分野の評価会議を12月2日から8夜連続で公開します

言論スタジオ 安倍政権2年の通信簿と選挙の争点(8夜連続放送)


評価基準について

 評価は、2012年の衆議院選挙における自民党のマニフェストを基本に、11分野67項目を選択して行いました。マニフェストに書かれていない政策についても、所信表明演説や施政方針演説で国民に対して国会で説明されている政策を扱っています。各項目ついて、個々の政策が各目的を実現するために実行されているのかどうか、予定通り進んでいるかどうか、説明責任を果たしているかどうかなどから評価されております。配点と判断基準については、下記のとおりです。

・未着手、断念
1点
・着手して動いたが、目標達成は困難な状況になっている
2点
・着手して順調に動いているが、目標を達成できるかは判断できない
3点
・着手して順調に動いており、目標達成の方向に向かっている
4点
・この2年間で実現した。もしくは実現の方向がはっきりと見えてきた
5点

※国民に対する説明責任が果たされていない場合は、1点減点としました。


今回のマニフェスト評価に参加したメンバー

 今回の評価には、言論NPOのマニフェスト評価会議から、湯元健治(日本総合研究所)、西沢和彦(同)、鈴木準(大和総研)、内田和人(三菱東京UFJ銀行)、神保謙(慶應義塾大学)、川島真(東京大学)、田中弥生(大学評価・学位授与機構)、山地憲治(地球環境産業技術研究機構(RITE))、松下和夫(京都大学名誉教授)、小黒一正(法政大学)等50氏が参加しました。


言論NPOについて

 言論NPOは「健全な市民社会」には「健全な議論」が必要との思いから、新しいメディアや議論の舞台を作ろうと2001年に発足したネットワーク型シンクタンクです。有権者と政治との間に緊張感ある関係を実現し、この国の民主政治を機能させるために、有権者の立ち位置に立って2004年から政府の政策実行の評価やマニフェストの評価を定期的に専門的に行っているほか、有権者が政策を判断し、政治を選ぶための様々な議論を行っています。


ご取材のお願い

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言論NPOプレスオフィサー 吉崎