私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか
―「第18回東京-北京フォーラム」の参加メンバー4氏が語ります

2022年7月04日

 言論NPOは11月末頃に「第18回東京-北京フォーラム」を開催します。今回のフォーラムに参加予定の宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表、元駐中国日本大使)、山口廣秀氏(日興リサーチセンター理事長、元日本銀行副総裁)、岩本敏男氏(NTTデータ相談役)、神保謙氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)の4氏が、「私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか」を、語りました。


 4氏は、この状況に取り組まない限り、世界は分断しかねない歴史的な分水嶺にあるとの認識で一致しています。世界の分断をこれ以上、悪化させず、世界の平和秩序や国際協調を修復し、中国を国連憲章の下にとどめておくためにも、中国との本気の対話は不可欠だと、語ります。

 宮本氏は、世界を分断させないためにも、日本と中国、アメリカと中国、ヨーロッパと中国のような形で対話の場を作り出す必要があり、「東京-北京フォーラム」がその舞台の先駆けになるべきだと強調しました。

 山口氏は、世界経済や中国国内の経済も不安定化する中で、世界経済の分断を食い止めたいとの自身の立ち位置を鮮明にした上で、中国側から日本との関係を大事にし、世界を分断させるような行動を中国は取らない、といった議論を引き出したいと語りました。

 岩本氏は、異なった政治体制だったとしてもデジタル技術をどう使っていくか、その先のデジタル社会の将来をどう見ているのか、という議論を引き出しながら共通のルール作りの議論に中国を引き込みたい、との決意を述べました。

 神保氏は、個人的な関心は、新しいテクノロジーをどのように安全保障政策に位置付けていくのか、というお互いの理解を深めていくこと、さらに、軍事力に自信を深めた中国だからこそ、軍備管理・軍縮をどう進めていくのか、であると語り、そうした議論を進める準備があるという雰囲気を日中で作れれば、この対話により大きな意義がある、と語りました。




私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか

中国を世界の平和秩序側に立ってもらうためにも、対話の加速が必要だ / 宮本 雄二(元駐中国日本大使)

私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか

現時点で中国と決裂してもいいと思う経済人は一人もいない / 山口廣秀(元日銀副総裁)


私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか

デジタル技術の分野で、共通のルールづくりのための舞台にしたい / 岩本敏男(NTTデータ相談役)

私たちは、なぜ中国との議論に参加するのか

日中両国がどのような世界を目指したいのかを広い見地で議論ができる場に / 神保謙(慶應大教授)



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