米中対立の深刻化が北東アジア最大のリスク日本の有識者333人が回答

2023年6月21日

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 言論NPOは、2023年7月18、19日開催の「アジア平和会議」を前に、「2023年の北東アジアの安全保障リスク」について、言論NPOの活動に参加する有識者1000氏を対象にアンケート調査を実施し、333氏から回答を得た。

 2023年の北東アジアの平和で、特に懸念していることについては、「米中対立の深刻化」が、昨年の29.4%から22.4ポイント増の51.8%となり、これが突出している。

 上位十位にはそのほか、「世界に専制国家と民主主義国家の分断傾向が見られる」が29.2%、「日本外交が米国一極に傾き、バランスを欠いている」が22.6%で入っている。

 また、台湾問題では、「台湾海峡の偶発的事故の発生」が27.4%、「台湾有事の可能性」も23.5%と十位内の二つを占めている。

 「北朝鮮のミサイル発射などの挑発的な軍事行動」は28.9%であるが、これと「北朝鮮が核保有国として存在すること」の27.1%を合計すると、北朝鮮の動向を懸念する有識者も半数を超えている。


【2023年、北東アジアの平和に関して特に懸念していること(上位10位)】

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 その結果、有識者の50.5%と半数以上が、北東アジア地域は紛争や衝突が起こり得る切迫した状況にあると回答している。

 特に、「台湾海峡」では、数年ないし将来的に紛争や衝突が「起こる」という見方が66.9%と7割近くなるなど、「台湾海峡」が、有識者が大きなリスク要因とみなしていることが明らかとなった。また、「朝鮮半島」で紛争や衝突が「起こる」との見方が昨年49.7%から54.3%に増加している。

 核保有国・北朝鮮への対応では、「中国との交渉を急ぎ、北朝鮮の軍事行動や核保有に伴う行動を抑止するなど、中国も含めた体制を構築するための努力を行う」という回答が27.9%で最も多い。以下、「当面は米国の核の拡大抑止の力を高めるほか、日米韓の安全保障体制を高める」(23.4%)、「北朝鮮自身との対話を構築するためのあらゆる努力を始める」(20.1%)の順となっている。

 北東アジアの現在および将来の平和のために取り組むべき課題については、「北東アジアで偶発事故を回避する連絡メカニズムの強化や事故防止協定などの危機管理の仕組みを機能させること」(44.7%)、「日中、日韓、米中などの大国関係の安定」(41.7%)の2つが4割を超え、「北東アジア地域の紛争回避や、持続的な平和を目的とした多国間の対話」も39.6%で続いている。「アジア平和会議」がまず民間レベルで目指している事故防止協定や多国間平和のための仕組み作りの必要性を、多くの有識者が認識していることも明らかとなった。

 また、北東アジアの持続的な平和のために目指すべき原則や理念では、「不戦」を選んだ有識者が32.4%と、昨年同様に突出しており、言論NPOが8年前に中国と合意し「アジア平和会議」創設の出発点となった「不戦」の理念への支持が強いという結果になった。


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