相互の国民感情は依然として悪いが、 こうした状況に対して両国民が問題意識を強く持ち始めている~「第10回日中共同世論調査」結果~

2014年9月10日

 言論NPOと中国国際出版集団が2014年9月9日に公表した「第10回日中共同世論調査結果」では、両国民の相手国に対する感情や認識が昨年から依然として高い水準のまま悪い状況であることがわかるとともに、こうした状況に対して国民が問題意識を強く持っていることが明らかになりました。

 日本人の「相手国に対する印象」は、「良くない」が93%となり、調査開始以来初めて9割を超えた昨年よりもさらに悪化しました。一方、中国人では「良くない印象」は86.8%となり、過去最悪の92.8%だった昨年よりは改善しているものの、依然として悪いまま高止まりしている現状が明らかになっています。

日中両国民の相手国に対する印象

 一方、こうした相手国に対する感情が相互に悪化している現在の状況については、両国民ともに問題視していることがわかりました。日本人では「望ましくない状況であり、心配している」と回答した人が32.5%、「この状況は問題であり、改善する必要がある」と回答した人が46.9%となり、合計すると8割近くになります。中国人も同様で、「望ましくない状況であり、心配している」と回答した人が35.2%、「この状況は問題であり、改善する必要がある」と回答した人も35.2%で、合計すると7割になりました。
 日中両国民が考える日中関係の最大の懸念材料としては、政府間や国民間に信頼関係がないことを挙げる人が、両国に目立ち始めています。日本人で最多の回答は「領土問題」で、これが58.6%で突出しています。ただ、「日中両国政府の間に政治的信頼関係がないこと」も35%と4割近くになっているほか、「国民間に信頼関係がないこと」を指摘する人も25.5%あり、合わせると6割の日本人が政府や国民間に信頼関係がないことが、関係改善の障害と捉えていることになります。中国人でも、「領土問題」が懸念材料と考える人が64.8%で最多となりました。ただ、日本と同様に、中国でも政府や国民レベルの信頼関係がないことを関係改善の障害と見ている人は少なくなく、「政府間の信頼関係がないこと」は25.4%、「国民間に信頼関係がないこと」を障害と見る人は15.5%となり、合計すると4割を超えています。

 この調査は、言論NPOと中国の国際出版集団が毎年共同で実施しているもので、今年は7月から8月にかけて実施しました。



世論調査の全設問の調査結果を読むには、アカウント登録が必要です。

全設問の結果データ集を見るには、言論NPOの会員登録が必要です。

※現在、会員ページを準備中です。順次公開してまいりますので、もうしばらくお待ちください。
ログインして世論調査の全設問の調査結果を読む
ご入会・新規登録はこちら


1 2