日中は二か国を超えて、アジアと世界に貢献を―董建華初代香港行政長官を表敬訪問

2016年1月11日

 言論NPO・代表の工藤は、アジアの平和に向けた様々な対話の一環として1月6日から8日の3日間、香港を訪問し、初代香港行政長官で現在中国政治協商会議副主席を務める董建華氏を表敬訪問するなど香港の有識者やメディア関係者と会談を行いました。

 まず、会談の冒頭で工藤は、言論NPOのミッションと活動について紹介を行い、その中で言論NPOが05年に提唱・設立し過去11年間に渡り開催してきた「東京-北京フォーラム」について触れ、日中政府間対話が停止し、二国間関係が大きく悪化したときにおいても唯一のハイレベルな対話の舞台として機能してきた成果と功績を伝えました。そして、
日中のトラック2対話として今後も日中関係の改善とアジアの課題解決に向けて対話を行い両国内外に発信していく意欲を伝えました。

 続けて、董建華氏からは、10年以上に渡り日中間の民間対話として強い影響力を持ち継続して実施してきたこと、両国における唯一の対話の舞台として大きな成果を上げてきたことを評価し、強い支持の意を表明しました。その上で、「日中が歴史に向き合い、二国間問題について対話を行うのは大事だが、日中二か国を超えてアジアや世界の課題に知恵を出して協力し、貢献していくことが重要である」と強調しました。これに対して、工藤は賛同し、言論NPOはアジアや地球規模課題についての対話にも取り組んでいることを紹介しました。また、昨年発表した日中共同世論調査において、日本と中国が目指すべき価値観として「平和」・「協力発展」を選ぶ両国国民が大多数を占めた結果に触れながら、日中のサイレントマジョリティーは対立ではなく、平和と協力を志向していることを伝え、そのためにも言論の責任と健全な対話の舞台が必要であると述べました。

 最後に、両氏は「東京-北京フォーラム」を軸に日中二国間の対話をより発展させ、国民間の信頼関係をより向上させるために努力を続けることで一致し、表敬訪問は終了しました。

 工藤はこの他、香港主要メディアとの懇談、香港大学の教授陣を訪問し、言論NPOが取り組んでいる日中、日韓、日中韓米四カ国対話などの活動を紹介しながら、日中関係の現状やアジアの課題について意見交換を行い、3日間の訪問を終えました。言論NPOは今後も日中を中心にアジアの課題に取り組む対話を実施し、本ウェブサイトで発信していきますので、ぜひご覧ください。