「北京コンセンサス」

2017年12月18日

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 第13回北京―東京フォーラムは、2017年12月15日から17日にかけて北京にて開催された。

 日中両国の有識者が政治、経済、外交、安全、メディアなど各領域において、いかにして一歩前に進んで困難を克服し、障害を取り除き、対話を強化し、着実に日中関係を改善し、協力を深めていくのかについて大いに議論を深めた。

 現在の世界情勢はまさに複雑で大きな変化に直面している。チャンスと挑戦の機会はともに増え、国家間の相互依存もかつてない程に深まっている。この新しい情勢の下で、日中両国は共通の利益をより拡大するために関係を改善し、協力関係をさらに強化していく必要がある。

 本フォーラムは、日中の政府間で関係改善の動きが始まっていることを歓迎し、民間対話の重要な役割を再確認し、以下の合意に達した。

一 日中関係はまさに重要な節目と発展の契機を迎えている。日中関係を調和がとれ、健全かつ安定したウィンウィンの関係にしていくことは、両国国民の利益である。グローバルガバナンス体制を強化し、アジアの平和と安定を維持、発展させることは、日中両国が背負う共同の責任である。

 日中の四つの政治文書と四つの原則の共通認識に基づいて行動することは、日中関係が健全に安定して発展する前提である。

二 この間、日中の首脳は何度も会見し、両国間の意思疎通のチャネルも徐々に回復している。これは双方が信頼を深め、違いを解決するために極めて重要である。次は、お互いが高度な歴史的使命感、政治的責任感を持ち両国の関係をさら一歩に改善するため、対話や交流を戦略的に強化し、良好な環境や雰囲気を構築することである。さらに多くの実際の活動で、お互いが脅威になるのではなく、より強いパートナーになることを目指すべきである。メディアはその過程において積極的に建設的な役割を果たすべきである。

 両国は、相互信頼を戦略的に深めることを通じ、両国首脳の相互訪問の条件をつくることができる。

三 世界経済で反グローバリズムや保護主義の動きが強まる中、日中両国がより開放的な経済秩序の確立に向けて様々な協力を行っていくことの重要性が一段と高まっている。私たちは、より開放的な国際経済秩序こそが、世界経済の発展の基盤と考える。

 日中両国は、二国間あるいは多国間の協力関係を向上させることに絶えず努める中で、貿易・投資・資本の交流を促進し、「一帯一路」の枠組みの下での協力のあり方を含め、具体的な行動やプロジェクトの進め方についても検討していく。また、第三市場での協力についても、その方式を模索する。なお、日中両国は、経済構造の改革という喫緊の課題を共に有しており、その解決に向けては民間企業間の具体的な協力が重要である。

四 日中両国は、地域の平和と安定、国際的な核不拡散体制の維持、非伝統的な安全保障への挑戦などで重大な共通利益と共同の責任を有している。我々は朝鮮半島の非核化の目標を堅持し、新たな核の脅威の出現を許さず、平和的手段によって脅威を取り去り、争いを解決するという原則を共有する。

 双方は危機管理措置を強化し、できるだけ早く海空連絡メカニズムの運用開始をすべきである。

五 本フォーラムで私たちは、新しい時代、新しい環境下での45年前の日中国交正常化の大きな積極的な意義を明確にした。この対話で得られた重要な成果に基づき、来年の日中平和友好条約締結40周年に向けて作業を開始する。我々は、民間対話の歴史的使命を再認識し、弛まぬ努力を続け、日中関係の安定と健全な発展の推進のため、建設的な役割を果たす、ことを誓う。

2017年12月17日
「北京―東京フォーラム」主催者一同


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