「第1分科会 発言要旨」後半

2006年8月05日

第一分科会「後半」

福川【日】:
これまで(前半)の議論を集約してもらって、いくつかの問題を整理し、それにしたがって議論を堀下げていく。

賈【中】:
前半の内容はとても豊かでした。まとめというよりは見解を述べたい。 交流は重要。 議論で出た論点は、交流の基礎、信頼関係、相互理解、相互尊重などであった。相互尊重が進められて信頼、理解もできる。
交流の内容は、経済、文化、環境、政治、安全保障問題など。
政治問題については、より深く考えてなければならない。民主というのは非常に重要である。 民主をどうやって建設していくのか。 
「民主」といえば、西側の歴史や背景というのがどうしても出てくる。アジアの国には自らの歴史と民主の建設を結びつけて、自らの道を探し出すことが必要になってくる。 西側の言うところの「民主」を押し付けようとすると、予想外に悪い結果を及ぼすことがある。 民主を建設する過程において、自らの国情にあった「民主」を見つけ出すことが大事。これは現在、日中が直面している問題である。そして、中国は民主を建設するのにより多くの困難がある。

交流の阻害要因をいかに減らしていくのかが重要である。 民衆が観光であろうとビジネスであろうと交流を行う過程で、その阻害要因を減らしていくことは可能だと思う。

福川【日】:
日中を基礎にしながらアジアの価値観の共通性を見出し、新しいアジアの価値の創造、コンセプトビルディングを構築する。
交流するにあたっての相互連携、政治、経済、文化、若者の交流が必要であり、また、それらのシナジー効果を発揮させるのが大事だ。交流の阻害要因が増えるのを防ぐべきだ。
日中間の経済は、一方通行の交流ではない。技術開発、企業連携の展開など、拡大型だ。
新アジア主義について、経済面の交流と、それを実現させるインフラの整備、会社法の制定などが必要になっていくのはないか。通貨金融協力も必要だ。こういった問題も議論する必要があると思う。
交流の基礎は、相互尊重だ。これを拡大すればアジアの共通基盤を築けるのではと考える。

白石【日】:
日本の政治家(中川さん)から新しいアジア主義という言葉をきいたのは初めて。地理的に非常にフレキシブルであって、アジアという地域、経済の動態、人の交流など、既に主なプリンシプルが指摘されていると思うが、それは平等のパートナーシップ、垂直ではなく水平な関係をオープンでインクル-シブに進める。あくまで、ここでの主役は民間セクター。政府がやることはルール作りであり、行動規範を制定するだけだと思う。
アジアの中で、アジアの各国がどういった国を作りたいと考えるのか。500年のスパンで見た場合、ヨーロッパにおける国家の形成と、アジアにおける国家形成では、その過程がかなり違うという研究結果がある。
ヨーロッパの場合は、戦争の能力をまず高めていき、そして経済の基盤を築き上げていった。アジアはそうではなく、こちらも500年スパンで見た場合、日中お互い国を拡大するのではなく、国内の繁栄をまず第一と考えていた節がある。「経世済民」といった言葉があるが、この知恵は今でも活きていると思う。こういう言葉をキーワードにすれば(日中共に共通している知恵なので)、お互いが共有できるビジョンが描けるのではないか。

賈【中】:
では、「新しいアジア主義」について。

ジャオ【中】:
本当のところ、「新しいアジア主義」というのがまだあまりわかっていない。最初にこの言葉を聞いて、すぐにすんなり分かる人はいないと思う。
ヨーロッパとアジアを比較することについて、昔、日本のある企業の幹部の人にいろいろ話を聞く機会があったが、フランス人、またドイツ人は、自分たちが「フランス人」か「ドイツ人」というのではなく、自分たちは「ヨーロッパ人」という認識を持っているが、アジアではそうはいかない。ヨーロッパでは54年もかかったが、共通の通貨ができた。ヨーロッパ内では、交通の便も非常に便利で、電車や飛行機でどこにでも行ける。
70年代から80年代にかけて、中国が空港施設を整備していた時代、アメリカ人はボーイングの売り込みに来たが、なかなかうまく話し合いがいかなかったということがあった。 そのとき、日本の三菱が日本から飛行機を買ったらどうかという話を持ってきたが、上海と日本の間で結局取引は成立しなかった。
しかし、日本はアメリカとうまく協力しているようで、日本はアメリカから部品を輸入して、機体や部品をいろいろ組み立てて生産している。
ヨーロッパとアメリカは、アジアに「第三極」ができることを喜ばしく思っていない。また、ヨーロッパは、アジアが一体となるのは不可能だと思っている。この「第三極」を形成するにあたり、軸となるのは、中国、日本である。人口から言えば、中国はもちろん大国だが、総合力から言えば、中国は大国とはいえない。GNPからいうと、日本は中国の4倍である。中国が大国となるのはまだまだ先である。 
また、ヨーロッパとアメリカは比較的近い関係があるので、人々の考え方が似ている。
新アジア主義はおそらく実現すると思う。新アジア構想において、日本にとってはFTAも問題になってくるであろう。日本には20年前にはFTAはなかったはずだ。日本は島国なので、海に囲まれており、貿易が発達しているので、FTAは必要ないと過去日本人から聞いたことがある。
日本の円がどうなるか、中国は非常に注目している。それは影響が強いからだ。
私たちは常にアメリカの言いなりになる必要はない。アジアには貧困問題を抱える国もあれば、日本のように豊かな国もある。私たちは日本から学ばなければならないことがたくさんある。

政府は学者の理論に目を向けないかもしれないが、私たち学者は政府や役人に声をぶつけていかなければならない。そのような行動はアジアの発展にとって必要である。
アジアの発展というものは、真っ暗な森の中で徘徊して光を見つけるものだ。

福川【日】:
APECが発足したのは80年代だと思うが、このような連帯を広げていこう、開かれたアジアを目指していこうという動きや、できるところから実践していくことはとても大事だと思う。
また、グローバリズムとアジアをどう考えるか、ヨーロッパとアメリカの関係をどう考えるか、これらについても考えていかなければならない。

塩崎【日】: 
実態の経済とか人の動きとかは、われわれが考えている以上に進んでいる。中川先生がおっしゃったのは、今起こっていることをまず整理して、進むべき方向を定め、また、明確な部分を示したと思う。
それは、デファクトコミュニティーができつつある証左ではと思う。
EUに関しては、共通通貨を導入するまで54年もかかっている。
遠い遠い先の希望の星として、統一通過を語るのはいいと思うが、この時点では無理であると思う。統合は簡単ではないと思う。
ただ、この統合は何の統合を指しているのか。政治連合としての統合をめざすのではなく、経済連合との統一だろう。EPA、共通ルールの作成ということだ。中国が独禁法をもつようになったのはわれわれにとっては驚きだったが、政治統合を目指すのは難しいが、実態的には気持ちの上ではエコノミーインテグレーションに賛同する国は多いかと思う。
97年の通過危機を境にして、あの頃までの日本はアジアを大事にしていたのは経済界であって、政界、行政はアメリカとの関係をより強く見ていた。しかし、97年の危機は、日本にとって、アジアについて考える機会となった。あの時に、中国も拠出金を出して、アジアの復興に協力した。 日本、中国、韓国、それぞれ問題を抱えていたが、協力して復興を援助する姿勢は、それぞれASEAN諸国と協力していかなければならないという考えを持っていることを裏付けた。連帯意識を持っているというのがはっきりした。
「新アジア主義」では、開かれた独自性という言葉を使っていたが、基礎として信頼関係、相互尊重というのは大事だが、共通ルールの作成にあたっては、相互尊重だけというよりは、互譲も必要になってくるかと思う。それにはまず何よりも政治が強い意思をもっていなければならない。

黒川【日】:
500年前というのはルネッサンスの時代。その頃一番進んでいたのは中国の文明。アジアのルネッサンスもあるのではないかと思う。ヒューマンバリューのパーセプションというのは独自にあると思う。
歴史を勉強、分析する価値は、未来を描くためにある。
私たちは知識があるが、しかし私たちはそれで賢くなったのか。
イスラムの60%はアジアにある。そういった国とどういったパートナーシプを築きあげるのか。われわれの年代よりも、若者同士の交流が波及していくのがグローバルアジアにとって必要だと思う。

張【中】:
アジアには東アジア、南アジア、中央アジアがあり、こうした多くのアジアに新アジア主義を唱えるのは、その実現性に疑問がある。東アジアは現実的だと思う。それは歴史、文化で共通認識があり、経済協力が盛んなので、実現できるかと思う。EUはヨーロッパ共同体を基礎として作り上げてきた。東アジアというのをまず作ってそこから広げていけばいいのではと思う。

賈【中】:
テーマを変えたい。具体的にどう協力していくか。

中国、アメリカには中米による教員のトレーニングコースがある。これは、中国とアメリカの仲が非常に良かったときにできたプロジェクト。中米関係が悪くなり、どうすればいいのかとなったときに、民間が何とかしないといけなくなった。悪くなった原因として、お互いの国民が偏見をもつようになったというのがある。それはメディアの影響、そして先生の影響。先生が偏った考え方を生徒に教える。だから、教員のトレーニングでこういった問題を改善していこうという目的で、このプロジェクトを発足させた。隔年で、アメリカの大学の教授15人が中国に来て、北京で一週間滞在して、教授同士交流して、また中国の文化、経済などを視察し、また、ほかの都市も訪問して中国を全体的に理解してもらう。3週間の視察研修を通して、客観的な中国を知ってもらう。そして翌年は、中国から15人がアメリカに行く。このプロジェクトは今も続いており、非常に効果が上がっている。これは日中でもすぐやりたければ実現できると思う。私はこのプロジェクトを日中で立ち上げたい。

福川【日】:
カントは、一番難しい職業は、政治、教育と言った。政治とは不完全な人間が不完全な人間を統治しようとすることであり、教育も不完全な人間が、不完全な人間に教えようとするからだという。
政治面の交流、文化、経済にどのようなシナジー効果をもたらせるのか。
交流の内容をどういうふうに充実させればいいのか。

白石【日】:
日中関係は二国間の関係として考えるのではなく、アジアの中でとらえる必要がある。

溝口【日】:
今行われている大交流を円滑に行っていくインフラの整備をどのように行っていくのか。これはアジアの中でみんなでやっていかなければならない。フレキシブルなコラポレーションが必要だ。アジアは多様性があるので、一律に論じるのは難しい。これはアジアの特徴であり、ヨーロッパと異なる点である。アジア全体のひとつの大交流という中で、エリアを形成しつつあるので、いろいろ組織を作ってやるやり方もある。 文化、人などの交流、相互理解をどう進めていくかの交流だ。 経済交流は進められるが、ほかの交流は進んでいないという問題に直面している。この点で、政府には一定の役割がある。それは、若者、研究者、先生の交流で、こういったのはどんどんやっていく必要がある。それは二国間でやってもいいし、フレキシブルにやっていかなければならない。ただ、そういったことが大事であるということ自体をもっと発信していかなければならない。

進【日】:
今年で2回目のアンケートだが、今年の結果で、全般的な雰囲気があまり良くないというのは現在の状況を反映していると思う。 中国の人は「日本に行ったことがない」が圧倒的に多い。もう少し、中国の人に日本に来てもらうように政府は働きかけるべき。卒業旅行など、学生旅行を活性化してはどうか。ビザの問題も同時にある。自分はビザ問題についてこれまで日本の政府関係者にも働きかけてきた。中国航空会社の不満は、便数を増やして日系航空会社は利益が出るが、中国は利用率に余裕が出てしまう、それはビザ問題に起因していると思っている。しかし、アンケート結果を見て、心強く思うのは、どのような状況下であれ「民間交流を必要」としている声が非常に多く、日中の将来に明るい展望を見出すことができる。
ヨーロッパ内はたしかに移動は便利。アジアがあそこまでスムーズになるのは難しいが、せめて国内線か国外線かといったのを役所で線引きするよりは、民間、利用者の視点で考えてはどうか。それによって利便性がもっとアップする。 
2009年に羽田にもう一本滑走路ができるので、これを機に、日中の主要都市には頻繁に飛行機が離発着するという環境にしたい、またそうなる必要があると思う。

ジャオ【中】:
ビジネス界の方、特に航空界の人は非常に明確なアイデアを持っている。中国人の東南アジアの旅行がいちばん多いのは安いから。日本に行くのが一番高い。聞いたことがあるのだが、日本の航空券は金額の最低ラインが決まっているらしく、あまりディスカウントできないというが、本当が。日本のことが別に嫌いだから行かないわけではない。日本は桜、温泉など、中国人にはとても魅力的。チケットさえ安ければ。そして、ホテルも高い。こういう要因が、日本に来ない理由となっている。このチケット、ホテル代をなんとかして欲しい。

張【中】:
以前、学者同士で専門的な一週間の報告会を行った。(北京国際関係)会場はとても緊張した雰囲気だったが、議論が活発で、とても有意義であった。もっと良い研究者が中国に来て、相互交流をする必要がある。 世論調査の結果でも、相互の知識が欠けているとの結果が出ている。双方において、実質に正しくない部分、誤解の多い部分を出し、メディアも含めて、相互理解を深めていってはどうか。例えば、中国人が思っている「日本の軍国主義の復活」は、日本人にとってはありえないと言う。日本人が思っている「中国に対しての脅威」「核兵器で攻撃」などは、中国人には考えれられない。中国はいかなる国に対しても核を使用しない。
シンクタンク同士の交流ができればいいと考えている。

福川【日】:
政治の面で相互理解していくのは重要。政治家同士の交流、メディアの交流、文化交流、いろいろな交流を多層的に展開して、シナジー効果を導き出す、そのようなプログラム作りが必要。

唐【中】:
われわれの日中関係、またアジア関係を処理するには、豊かで多面的な文化や特徴ある部分を受けていく度量も必要である。アジアの人間の性格には、非常にいい面があると思う。度量の広い見方で対応していく必要がある。
日中に関してはコミュニケーション不足。いろいろなレベルでの交流には賛成。民主という面で、私が所属している政治協調会議というのがある。政治協調会議は、いろんな人がいろんな意見を議論し合う。これも民主の一つのルートだと思う。われわれ(日中)の中に阻害関係があるのではあれば、意見を交換し合えばよい。

ジャオ【中】:
中国と日本との間の阻害要因をどうやって減らしていくのか。それは相互に友人を作ればいいのではないか。われわれには友好の歴史がある。友人になってこそ率直な意見を言い合うことができる。
日本人による、日本の文化、日本の国民感情を紹介した本を出版したらどうか。今そのような本はあるが、あまりおもしろくない。 中国では日本の品位、道徳についての本はあまりない。自分が日本について読んだ本がある。ひとつは、1898年の新渡戸稲造先生の本で、「武士道」。この本から私はいくつか日本について学ぶことができた。非常によい内容だと思ったが、中国人にとってはあまり新鮮ではなかった。2冊目は、アメリカ人が書いた「菊と刀」。もう60年以上も前の本。3冊目は、1928年、当時、国民党の人が書いた本、日本に留学した状況を述べた本。しかし、これらの本で知った日本人像は、今の日本人と同じなのか。だから、現在の日本人が日本人について書いた本を読んでみたい。
日本の書店では、中国に関する本というのは、どうも差別的であるとか中国が嫌いとかという内容のものが多かった。中国に関して正しい本を出して欲しい。 また、中国人にも中国について書いてほしいと思う。  
中国人が日本について書くときは、どうもアメリカ人の本の影響を受けているような気がする。

李【中】: 
一番大きな問題は、お互いに対しての研究が足りないということではないか。もう少しつっこんだ研究してほしいと思う。日本の中国に対する研究というのは不足していると思う。私たちが使っている資料が共有できるはずなのに、それが共同研究まで発展していない。歴史に関しても中国のマイナスの面を強調しているような気がする。客観的な研究をしてほしい。そうでなければ、読者はその本からマイナスの知識を得てしまう。中国には多くの日本人学者がいるのだから、彼らも日本に関しての客観的な本を作成してほしい。

福川【日】:
日本人自身も日本人とは何かをもっと知るべき。情報や書籍の交流がいかに少ないかと思う。

白石【日】:
本の数でいうと、日本では中国に関する本はかなり多く出ている。日本は言論の自由があるので。ある一部の見方しかないというのはまちがい。しかし、読む方(本を選ぶ側)によって、本の内容が偏るということはもちろんありえる。
日本人が書いた非常に良い内容の書籍はあるので、それを翻訳していく必要はある。

溝口【日】:
現代小説とかが翻訳されているとわかりやすいのではと思う。
また、韓国の映画が今人気であるが、それはときに政治の力以上に相互の理解促進に役立っている。

福川【日】:
日本の傾向というと、特に若い人に読書時間が少なくなってきている。情報経路はテレビが圧倒的。どうやって人々に活字に情報を得て、考えるようにしていくか。行間の読み方を知らない若者が多い。 テレビメディアという瞬間的なメディアで意識が形成されていくこのプロセスをどうにかしていかなければならない。

黒川【日】:
本屋には良い学術書がない。本屋には売れそうな本しかない。

張【中】:
世論調査によると、テレビ、ネットはもっとも影響力が多いかと思う。しかし、インテリ系は書籍もよく読む。例えば、来年国交正常化45年を祝うというので、双方協力してよいプログラム、ドキュメントを制作してはどうか。

福川【日】:
アジアの交流を推進するという点で、APECの機能をどう考えるか。アジアの枠組みを改善するという点ではどうか。

白石【日】:
東アジアには各国共通して考えなければならない問題がある。例えば、鳥インフルエンザ、海上問題、安全保障など。しかし、今のところその事務局がない。アセアンプラス3では、最近やっと日本、中国、韓国から人を派遣して事務局を設立しようという動きが出てきた。
アジア版のOECDのように、小さな事務機構をつくるとことは十分に考えられるのではと思う。
APECというのは、1990年代にはとてもその役割は大きかったが、通貨危機以降はそのモメンタムを失ってしまった。しかし、インフォーマルな形でもいいので、各国の首脳が意見を言い合う「場」があるということは非常に大切だと考えている。

溝口【日】:
OECDのように非常にがっちりした組織を作るのは難しいが、連絡場所として小さな組織を作っていき、それで機能すればもっと価値を付加させていき、拡大していけばいい。
首脳が集まるという場をつくるという意味で、アセアンプラス3は続けていかなければならない。

賈【中】:
今後のフォーラムの運営、方針など、何をしていかなければならないか。

黒川【中】:
このフォーラムの名前をより多くの人に知ってもらう。年に1回では少ないと思う。共催など、名前を載せて広げていくというのはどうか。

進【日】:
まず結果を精査して、実現できるものは形にしていくのが大事。
中国側から日本についてよくわかる書物が少ないというのがあったので、それには対応していくべき。ひとつひとつ小さなことから実現していく。
チケットのディスカウントもそうだ。

溝口【日】:
交流の場や、それを処理する会合などを開いてもいいと思う。 このフォーラムを年に何回も開催するのは大変だとすれば、例えば、歴史認識の問題に関してなど、このフォーラムの名の下に、テーマ毎に小委員会や専門家会合を頻繁に開催してはどうか。研究会、専門部会などである。

賈【中】:
たくさんできることがあると思う。個人的に教育関係に興味がある。教育の面でもっと交流を進めて行きたい。どういった課題、解決方法があるのかを話し合っていきたい。日本の大学とも協力関係があるが、(早稲田大学など)、中国の学生(博士課程)が日本の学者というのは、理論の要求よりももっと詳細な要求を求めてくる、それに学生がまいっている。日中学者のやりかたが違う。だから交流を深めていく必要がある。
ビザの問題については、私たちがいかに不便を被っているのかを知ってほしい。
不法滞在はこのビザ問題があるのではないか。日本では合法的に強制送還させられるというのがある。ある意味、これは正しいが、これが不法滞在につながっていると思う。アメリカの難民政策とは異なる。

前半の内容はとても豊かでした。まとめというよりは見解を述べたい。 交流は重要。 議論で出た論点は、交流の基礎、信頼関係、相互理解、相互尊重などであった。相互尊重が進められて信頼、理解もできる。