政治に向かいあう言論

「日本の知事に何が問われているのか」/古田岐阜県知事

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071028_gifu.jpg古田 肇(岐阜県知事)
ふるた・はじめ
1947年生まれ。71年東京大学法学部卒業後、通商産業省入省。 JETROニューヨーク産業調査員、内閣総理大臣秘書官(羽田内閣、村山内閣)、経済産業省商務流通審議官、外務省経済協力局長などを経て、05年2月 岐阜県知事に就任。 昨年発覚した不正資金問題に対しては「県政再生プログラム」を実施し、県民の信頼回復に全力で取り組む一方で、「地域の元気づくり」「暮らしの安全づくり」を基本に据えた政策本位の県政を進めている。

第6話 飛騨美濃じまん運動と誇りの持てるふるさと岐阜県づくり

 岐阜はどちらかというと地味なところですから、私も含めて自己主張というか、外に向かって、売り込むことはあまり得意ではありません。しかし、観光では、岐阜にこんないいものがある、あれもある、これもある、我々にとっての自慢とか誇りを探し、アピールする。そうすると、それが、アイデンティティーにつながるし、誇りを生み出し、その地域の活力が出てくる。

 そういう意味での観光交流キャンペーンを県民運動として大きく展開しようじゃないか。岐阜の自慢、誇りをどんどん外にアピールしていこうということで、「飛騨・美濃じまんプロジェクト」を今年度から始めました。

 東海北陸自動車道が来年全線開通する、平成17年に開通した東海環状自動車道東回り区間に続き西回り区間の整備が始まる、高山ICなど中部縦貫自動車道の整備が進む、さらに平成16年の台風23号の被災により一部不通となっていたJR高山本線が全線開通するなど、岐阜県の社会資本整備は飛躍的に進んでおり、今年は「岐阜県版大交流時代の幕開け」と位置づけています。

 6月には、「みんなでつくろう観光王国・飛騨美濃条例」を制定し、観光産業を岐阜県の基幹産業としていくことを位置づけ、「知ってもらおう」「見つけ出そう」「創り出そう」の3つを合言葉に、岐阜県の良さをアピールしていこうという「飛騨美濃じまん運動」を県民運動として展開することを盛り込んでいます。この飛騨美濃じまん運動では、岐阜県の外に対して自慢するだけでなく、同時に、運動を通じて、県民の皆さんに岐阜県に住むことの誇りを持ってもらいたいと願っています。

 また、飛騨美濃観光大使ということで、これまでに、岐阜県ゆかりの演歌歌手の石原詢子さんをはじめ、グラビアアイドルの熊田曜子さん、歌手の五木ひろしさんと野口五郎さんの4人の方に岐阜県のPRを手伝っていただいています。それぞれの方が、岐阜県への熱い想いをお持ちの方ばかりで大変心強く、皆さんの応援で、飛騨美濃じまん運動を大いに盛り上げて行きたいと思っています。

 そして現在、10月から12月までの三ヶ月間、JR各社と共同で、「いい旅 ふた旅 ぎふの旅」をスローガンに、「ひだ・みのじまんキャンペーン」を全国に展開中です。機運が大いに盛り上がってきているところですが、三ヶ月のキャンペーンだけに終わらせるのではなく、次の観光政策の展開につなげていきたいと考えています。

 岐阜県では、平成24年に国体が開催されます。公募の結果、愛称は「ぎふ清流国体」に決定しましたが、岐阜県の良さをよくあらわしている名称になったと思います。この国体までの5年間を当面の目標として、岐阜県の魅力を更にアピールし、"訪ねて良し、住んで良し"の誇りあるふるさとづくりを進めていきたいと思っています。

全6話はこちらから

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