中長期的な視点で日本の将来を/川島昭彦(株式会社ビー・ユー・ジー 代表取締役社長)

2010年2月21日

川島昭彦氏

川島昭彦(株式会社ビー・ユー・ジー 代表取締役社長)



 昨年初め、ラスベガスで行われた世界最大のコンシューマエレクトロニクス展(CES)に行ってきました。以前はこの種の展示会では日本企業は大きな存在であり、ブースの数や大きさに留まらず、発表される新製品や製品戦略など一つひとつの動向に世界中の注目が集まったものでした。ところが日本が得意としてきたこの分野においてもその存在感は薄れ、韓国勢や中国、台湾勢にその立場を奪われつつあるように感じられました。世界的な経済停滞の中、興隆する新興国の陰で、我が国には暗いニュースばかりが目立ちます。ことさら日本の株式市場の低迷は深刻であるように思われます。世界の金融が我が国の将来に魅力を感じないという表れだからです。日本はこのまま二流国に落ちぶれていくのでしょうか。否、そうであってはならないし、我々にはまだまだ世界に誇れる素晴らしい点があると思います。

 歴史的な政権交代が実現し、鳩山内閣がスタートして100日が経ちましたが、事業見直しや空港行政の見直しなど、長年の自民党政権下で手が付けられずにいた問題にメスが入り、この点については一定の評価が得られるものと思います。しかし重要なのはこれからであり、10年後、20年後、30年後といった中長期的な視点で日本の将来を見つめ、内政、外交の骨太な指針を立て、それに沿った施策を実現していくことだと思います。2010年はまだまだ厳しい社会情勢の中での幕開けとなりますが、鳩山政権にとって真価が問われる年になるかと思います。そして日本の将来にとっても重要な年になると思います。

 昨年初め、ラスベガスで行われた世界最大のコンシューマエレクトロニクス展(CES)に行ってきました。以前はこの種の展示会では日本企業は大きな存在であり、ブースの数や大きさに留まらず、発表される新製品や製品戦略など一つひとつの動向に世界中の注目が集まったものでした。ところが日本が得意としてきたこの分野においてもその存在感は薄れ.....