言論NPOは11月17日、東京都内で記者会見し、中国・北京で今月下旬に開催予定だった「東京―北京フォーラム」を延期すると発表しました。中国側主催者である中国国際伝播集団から「現下の日中関係の状況を踏まえて延期する」と前日に通告があったことを受けての措置です。
また、同日に結果公表を予定していた日中共同世論調査についても、公表を再延期することになりました。再延期後の日程については、いずれも協議中です。
工藤泰志(言論NPO代表、「東京―北京フォーラム」日本側執行委員長)コメント
私たちの民間外交は、政府外交に一歩、あるいは半歩先んじて両国の問題を解決していくことをその役割としています。これは中国側の主催者も全く同じ考えです。私たちはこの約一カ月間、毎日のように中国側と連絡を取り合ってきましたが、この「東京―北京フォーラム」の役割に関しては両主催者の認識は完全に一致していました。
私たちは、尖閣諸島をめぐって日中関係が困難に直面していた2013年に一度だけこのフォーラムを延期したことがあります。その年は日中平和友好条約35周年でしたので、「延期した時間を活用して、平和のための準備作業をしよう」ということで延期しました。
しかし、今回はそうした延期の理由となるような事情がないわけです。尖閣問題や歴史認識問題をめぐって日中両国が激しく対立していた時ですらなかったような、重要なメッセージを中国側が今回の延期に込めているということを受け止めざるを得ないと私は思っています。
ただ、この民間の対話チャネルが壊れたわけではありません。中国側もこのフォーラムをどうしても開催したいという意志を持っています。我々は、この北東アジア地域の平和と安定のために何としても使命を果たしたいと思っていますので、今後も開催に向けた努力を継続していきます。
