民の知恵を結集し、日本再生のための議論の舞台を

2011年6月11日

民の知恵を結集し、日本再生のための議論の舞台を

松井 道夫(松井証券株式会社・代表取締役社長)

 松井証券社長の松井です。言論NPOの理事をやっております。

 現在の日本の状況を端的に言うと、魚は頭から腐るとよく言いますが、頭が腐った状況が国家レベルで起きているという風に認識しております。もちろんその頭を選んだのは国民ですから、突き詰めれば国民が腐り始めているのかもしれません。ただ、日本人はそんなにバカではないと思いますし、いざとなれば賢明な対応をすると信じていますけれども、今がその分岐点というか、ギリギリのところに至っているのかな、と思っています。

 最近の東日本大震災をはじめとして、それに付随した政府のトップの諸々の発言は、資本主義をまったく無視するとか、あたかも日本は統制国家ではないかというような発言を平気でしている。このままこういった政治がリードして、日本の国を良い方向に持っていくとは到底考えられません。もちろん、政権交代をしたからといって解決できるわけではないかもしれません。しかし、少なくとも今の政権は、全く志もないし、気持ちもない。もっと言うと能力も無いことははっきりしています。まず、この辺りから手をつけることが一番大事ではないかと思います。一刻も早く総選挙をやってもらいたい。もちろん、旧自民党がそれに代わるべきだということを言うつもりはありません。おそらく、そういったことを何回も繰り返して、それなりのリードできるトップが築き上げられるのではないかと思っています。

 どういう形で国家破綻が起きるかはよくわかりません。国家破綻という言葉は非常に刺激的な言葉ですが、私は本気になってカントリー・リスクを考えないといけないと思っております。資本市場はそれを意識し始めています。例えば、東電に対する銀行の債権放棄について平気で発言した幹部がいましたが、あれは、まさに資本の原理だとか、世の中の仕組みを全否定する発言だということが、当の本人が分かっていない。非常に怖い話です。この行き着く先は、まさに統制国家です。法治国家ではなく統制国家です。なおかつ、国民に支持されなければいけない、という何ともあいまいな表現でそれを正当化している。これは本当に危機的状況だと思います。

 言論NPOは、様々な分野からインテリジェンスを結集する組織ですから、官僚機構、つまりシンクタンクを有効に利用しなければいけないということは、論を待ちません。一方で、政府がそういう状況であるからこそ、民の知を様々な分野から結集して、本質的な議論をする場を設けることが今一番必要ではないかと思います。世の中には、そういったことに対して危機感を持ち、それなりの意見を持っている人がたくさんいると思います。そういう知をこの場で結集して、日本を再生していくということを願っております。その動きに、微力ですがサポートできればいいかなと思いこのNPOを支援している次第です。みなさん、これから多いに新会員を増やして、そういった言論の場をもっと大きくしていこうではないでしょうか。


 松井証券社長の松井です。言論NPOの理事をやっております。

 現在の日本の状況を端的に言うと、魚は頭から腐るとよく言いますが、頭が腐った状況が国家レベルで起きているという風に認識しております。もちろんその頭を選んだのは国民ですから、突き詰めれば国民が腐り始めているのかもしれません。ただ、日本人はそんなにバカではないと思いますし、いざとなれば賢明な対応をすると信じていますけれども、今がその分岐点というか、ギリギリのところに至っているのかな、と思っています。