@niftyとの連動企画が始まります!

2008年6月09日

◆ @niftyとの連動企画が始まります!

新たな議論作りを展開します。
皆さんもぜひご参加ください。  ( 4分 )


聞き手:
インターン 弓岡美菜(東京大学)

 現在はきちんとした議論が最も不足している状況です。言論NPOはまさに日本の健全な議論作りのために生まれたNPOであり、議論がないときちんとした民主主義ができないと思ってきたのですが、今はあまりにもひどい。私たちも色々なマニフェストを評価して、政治をチェックして有権者に判断材料を提供しようと思っていたのですが、政治のほうに有権者との約束を軸に政治を動かそうという気持ちがあまりないということがはっきり見え始め、まずいと思いました。これは市民側が怒らなければいけない局面に来ていると。

 私たちは怒るために議論をしているのではありませんが、今の社会にいることを自覚し、議論を開始することによって政治なり日本の将来なりにプレッシャーをかけないと、私たちはいつも課題解決から逃げて将来に伸ばしていくような政治と付き合わなければならなくなります。今必要なのは勇気であって、今ある課題を解決していくという気持ちを持ってそれに取り組む人たちが必要です。

 そのためにも私たちは議論がしたいので、議論をどういう風に行えばいいかということになりますが、言論NPOのウェブサイトは議論といってもかなりハイクラスの人が発言しているだけでした。その発言を皆さんに見せるというのも一つだったのですが、それだけではダメです。言論NPOは議論をこれまで通りに提案しますが、それに対して色々な人たちが参加し議論を作っていくというプロセスに言論NPOが参加し責任を持とうと思い始めました。

 そうしたところ、@niftyの人から「一緒にやってみよう」というがありましたので、私たちは現在、言論NPOの議論作りと@niftyのインターネットの力をドッキングさせて、日本の議論作りに本格的に取り組むということになったわけです。

 一番議論したいのは受益と負担の問題です。日本で改革は何回も行われてきましたが、いつも重要なことを曖昧にしてきたんです。どんなサービスにも、そのサービスを受ける側の負担が伴いますが、「負担」という問題から政治はいつも逃げてきたんですね。埋蔵金など色々なことがあったかもしれないが、自分たちの挑戦については自己責任が問われるだろうし、サービスを求めるのであればそれに対して負担を考えなければいけないだろう。そういう局面が皆分かっているだろうに、政治はそれについてきちんとした議論を有権者に問いかけようとしていない。

 この状況が非常にまずいと思っていますので、最終的に私は受益と負担をベースとした政策の議論により多くの人に参加して欲しいと考えています。しかし政策論議に入るその前に、まず政治を考えてみたいと思ったわけです。


 私たちの非営利組織にも、海外の、外国人のメンバーも色々いて、「日本はもう殆ど世界から相手にされていない。」「孤立していると言うよりも取り残されてしまった」という人が多いのですね。「日本の中では色々議論していることがあるが、世界に問題がある時に誰がそれを決定できるのか。決定できるような政治家なりリーダーが、日本にいるのか」と言われるわけですね。まさに仰るとおりで、私たちが内向きの話をたくさんしている間に、本当はもっと解決しなければいけないことをどんどん先送りしてしまったために、自分たちのことで精一杯になってしまっているんです。

 この状況の政治はあまりにもまずいと思っています。もう手遅れだと言う人も確かにいますが、私たちは今でも遅くないと思っているので、まず「政治を自分たちのものに取り戻す」というところから議論を開始したい。そのためにはまず今の政治の状況について皆に語って貰おうと思います。

 そのために私は三人の有力な発言者を用意しますので、その人の提案について皆さんから議論をどんどん寄せてもらいたい。そして私は議論を絶えずチェックして、その議論に合わせて次々に言論NPOの持っている有力な発言者を投入します。双方向の議論をどんどんヒートアップさせていきたいと思っていますね。ただそれだけではなくて、私たちは適宜皆さんにアンケートをとったり、実際のフォーラムをやって直接皆さんと議論したりすることを考えています。そういうことをすることによって、まず政治にみんなが参加して、それから次に政策論争に早く入って欲しい。

 政策も、私たちは評価をやっているので、その評価の素案を皆さんに公開します。皆さんには評価に対する色々言って貰い、その中で評価を完成させたいと思っています。つまり市民が参加することによって政治を評価する、将来に対する議論作りに参加する、そういう大きなムーヴメントをこの実験の中で作ってみたいと思っています。

 一緒にやってみましょう。