【vol.18】 『言論NPO アジア戦略会議・シンポジウム』パネリスト、コーディネーター紹介

2003年2月28日

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■■■■■言論NPOメールマガジン
■■■■■Vol.18
■■■■■2003/02/28
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言論NPOは、日本の政策課題について本物の責任ある議論を、ウェブ、雑誌、フォー
ラム等で展開しています。人任せの議論では決して日本の将来は切り開けないからで
す。政策当事者や財界人らが繰り広げる、白熱の議論の一部を皆さんに公開します。
                      https://www.genron-npo.net

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●INDEX
■ 『言論NPOアジア戦略会議』第7回会議~第10回会議報告


●TOPIX
■ 3月7日(金)言論NPO アジア戦略会議・シンポジウム 締切迫る!
 「変貌するアジアに日本はどう向かい合うか─真に開かれた国づくりを目指して」

■ 『言論NPO アジア戦略会議・シンポジウム』パネリスト、コーディネーター紹介

■ 3月15日(土)言論NPO シンポジウム「NPOが日本社会を変える」


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■ 『言論NPOアジア戦略会議』第7回会議~第10回会議報告
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アジア市場への日本経済の空洞化、激動の続く朝鮮半島情勢、アジアのニューリー
ダーとなりつつある中国の動向、そしてアメリカのアジアへの影響力......こうしたア
ジア情勢の中で、日本は今後、対アジア戦略をどう立てていけばよいのだろうか。

言論NPOでは、21世紀のアジアにおける日本の地位、役割、存在感を深めるための中
長期戦略を描き出すために、今年8月に「言論NPOアジア戦略会議」を立ち上げ、月2
回のペースで世界の将来像を含めた総合的視点での議論を重ねてきました。

3月7日のシンポジウム開催に向けて、毎回専門家による専門的視点からの講話をもと
に、会議メンバーによる白熱した議論が展開されてきたこれまでの会議の経緯を報告
します。

●第7回会議(2002年11月26日)「アジアの通貨・国際金融問題」

○加藤隆俊氏(元財務官・現東京三菱銀行顧問)
○加藤暁子氏(慶應義塾大学グローバルセキュリティ・リサーチセンター研究員)

今回は、会議のメンバーでもある元財務官の加藤隆俊氏が、アジアにおける通貨・金融
面の協力について、まず現状、協力の方向を説明。そこから発展して、IMF体制との
関係や円の国際化問題などの論点と、日本が今後どう対応していくべきかの視点につ
いてお話くださいました。つづいて、ゲストスピーカーの加藤暁子氏から、新聞社で
長年アジアを取材してきた豊富なご経験もふまえて、現在構想中の日本とASEAN諸国
間でのFTA(自由貿易協定)が抱える問題、およびFTA交渉を通じて見えてきたアジ
アの中での日本が対応すべき課題についてのお話をいただきました。

そのあと、お二人の興味深いお話をもとに会議メンバーが活発な意見交換を行い、ア
ジアに望ましい安定した通貨体制とはどのようなものなのか、日本が対アジア戦略を
描く上で欠けているものは何かなど、議論は幅広い論点で展開していきました。

●第8回会議 「中国WTO加盟の影響について」
(12月05日)「WTO加盟により加速する中国『世界工場』化の実態と意義」

○橋田坦氏(東京国際大学経済学部教授)
○周牧之氏(東京経済大学経済学部助教授)

今回は、ゲストスピーカーに橋田坦氏と周牧之氏をお招きし、WTO加盟後急速に変化
する中国をめぐって、それぞれ専門の研究分野から非常に興味深いお話をうかがいま
した。まず橋田坦氏が、中国WTO加盟の影響について、加盟時の論点であった市場ア
クセスの拡大や国内制度の改革などが現在どのような状況にあるか、そして今後の展
望と課題は何かをお話しくださいました。つづいて周牧之氏からは、中国が現在「世
界の工場」化しつつある要因と実態、および世界経済システムのパラダイムが大きく
変化してきている状況を具体的な事例を示しながら、お話しいただきました。

そのあと、お二人のお話をもとに、会議メンバーとの意見交換が行われました。特
に、世界経済のシステム自体が大きく変化する中、巨大な産業集積と都市空間を背景
に急速にグローバル・サプライチェーンを構築していく中国と、日本の現状を比較し
てさまざまな意見が出され、議論は活発に展開しました。

●第9回会議 「アジア戦略会議最終提案にむけた座標軸の提案」
(12月13日)「国際比較でみるアジアの価値観」

○谷口智彦(日経ビジネス編集委員)
○福川伸次(座長・電通顧問)

今回は、この3ヶ月重ねてきた専門家を招いての議論の最終回として、日本の対アジ
ア戦略を総合的見地から見る議論、および価値観の観点から日本とアジアを見る議論
を展開しました。

谷口智彦氏(日経ビジネス編集委員)は、日本のアジア戦略を考える1つの視点とし
て、覇権国米国と中国の今後の可能性、さらにアジアの中での日本の地位の変化を分
析し、かつての英国がそうだったように、日本が米国の背中を借りる(ピギーバッ
ク)道をとるしかないのではとの見方を説明しました。これを受けて会議メンバーで
活発な意見交換がなされました。

つづいて、福川伸次氏(座長・電通顧問)が、2001年12月に電通総研が報告した「価
値観国際比較調査」をもとに、アジアの価値観の共通性と多様性、日本とアジアの係
わりの歴史と現況などを報告。調査結果からうかがえるアジアの成長指向、生活観、
社会観、家庭観、企業観、対日観などについてお話いただきました。そして、アジア
戦略会議における今後の議論の方向性を含め、メンバーによる意見交換を行いまし
た。

●第10回会議(2003年1月27日)「日朝経済関係の現状と課題」

今回は「日本のアジア戦略への提言―言論NPO見解」をまとめるにあたっての議論
が、会議メンバーによって展開されました。

議論は事務局がまとめた素案を軸に行われ、日本はアジアとどう向き合うかの大きな
戦略的見方を日本人自身に提示し、問題点を指摘するような提言が必要なのではない
か、日本がアジアのダイナミックな変化の中で孤立し始めているという現状認識をよ
り厳しく打ち出していくべきではないか、また、提言はアジアの人々にも発信し、互
いに議論交流できるような形に発展させるべきではないか、といった議論が活発に行
われました。 

●言論NPOアジア戦略会議の記事はウェブサイトにも掲載されています。
https://www.genron-npo.net/forum/asia/index_asia.html

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●TOPIX

■ 3月7日(金)言論NPO アジア戦略会議・シンポジウム 締切迫る!
 「変貌するアジアに日本はどう向かい合うか-真に開かれた国づくりを目指して」

午後1時~6時半 、経団連会館 14階 経団連ホール(東京都千代田区大手町1-9-4)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/kaikan/map.html

アジアの変化に日本はどのように向かい合い、日本自身はどのような国づくりを今後
目指すべきか。座長は福川伸次(電通顧問)。ゲストスピーカーには柳井正(ファー
ストリテイリング会長)、榊原英資(慶應義塾大学教授)、康奉均(韓国民主党国会
会議員・前大蔵大臣)、ノルディン・ソピー(マレーシア戦略国際問題研究所(ISIS)
所長)、堺屋太一(作家・エコノミスト)、小林陽太郎(富士ゼロックス会長)等。

定員:300人。入場無料。申込締切:3/3。


●お申し込み、プログラムなど詳細は下記まで
https://www.genron-npo.net/about/history/030214_sympoanno.html

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■ 『言論NPO アジア戦略会議・シンポジウム』パネリスト、コーディネーター紹介

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【セッション1】『 アジアの変化に日本はどう向かい合うべきか 』
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●パネリスト:
○柳井正/やない・ただし(ファーストリテイリング代表取締役会長兼CEO)
Profile
1949年山口県生まれ。71年早稲田大学政治経済学部卒。ジャスコに入社後、父親の
経営する小郡商事を継ぎ、84年社長に就任。カジュアルウエア小売店「ユニクロ」の
チェーン展開で急成長する。99年東証第一部に上場。2002年11月代表取締役会長に
就任。


○ドナルド・P・ケナック/Kanak,Donald P.
 (AIGカンパニーズ日本・韓国地域社長兼CEO)
Profile
1952年ワシントン州スポケーン生まれ。ノースカロライナ大学で経営学士、ハー
バード・ロースクールにて法学博士号、オックスフォード大学にて経済学博士号を取
得。多国籍金融・保険コンサルティング会社の共同経営者、米国系生命保険会社の日
本子会社で社長兼CEOを経て、92年リージョナル・バイスプレジデントとしてAIGに
入社。95年3月にはAIGカンパニーズの日本・韓国地域における社長兼チーフ・オペ
レーティング・オフィサーに就任、2001年1月に社長兼CEOに就任。


○榊原英資/さかきばら・えいすけ(慶應義塾大学教授)
Profile
1941年生まれ。64年東京大学経済学部卒業。65年大蔵省入省。69年ミシガン大学
経済学博士号取得。94年財政金融研究所所長、95年国際金融局長を経て財務官就
任。99年退官後、慶応義塾大学教授就任。「グローバルセキュリティ・リサーチセン
ター」を設立しディレクターを務める。アジアを中心に世界の市場分析を行う。


●コーディネーター:
○谷口智彦/たにぐち・ともひこ(日経ビジネス編集委員)

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【セッション2】
『 日本とアジアの関係をどう構築するべきか―北東アジア経済圏の可能性―』
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●パネリスト:
○ノルディン・ソピー/Noordin, Sopiee(マレーシア戦略国際研究所(ISIS)所長)
Profile
マレーシアを代表する知識人の1人で、論客としても知られる。同国の有力英字紙
「ニュー・ストレーツ・タイムズ」のグループ編集長などを経て、84年からマレーシ
ア戦略国際問題研究所(ISIS)所長。97年3月に同研究所の会長兼最高経営責任者
(CEO)に就任した。 ISISはマハティール政権の委託研究や政策提言などを通じて、
国政、近隣諸国にも大きな影響力を持つ。アジアの立場から経済や安全保障問題など
を分析する切り口には共感者も多い。 67年英ロンドン・スクール・オブ・エコノ
ミックス修了後、同スクールで政治科学・国際関係学の博士号取得。52歳。


○杜平/Du, Ping (国家発展計画委員会国土開発与地区経済研究所長)
Profile
1956年湖北省生まれ。82年中国国家計画委員会(現在の国家発展計画委員会)に配
属。沿海地域開発担当処長、内陸地域開発担当処長、環境政策担当処長を歴任した
後、98年に国家発展計画委員会国土開発与地区経済研究所長に就任。杜平氏は中国で
は有名な政策メーカーであり、長年中国の国土政策、地域開発政策及び環境政策の立
案に携わる。さらにASEAN10プラス1FTA構想を始めとする多くの国際協力政策に
も関与している。中国のマスコミでは現在、杜氏を西部大開発政策第一人者と評して
いる。


○堺屋太一/さかいや・たいち (作家・エコノミスト)


○康奉均/Kang, Bong-kyun (韓国民主党国会会議員・前大蔵大臣)


●コーディネーター:
○国分良成/こくぶん・りょうせい(慶應義塾大学教授)

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【セッション3】『 開かれた日本づくりをどう進めるか 』
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○福川伸次/ふくかわ・しんじ(アジア戦略会議座長・電通顧問)
Profile
1932 年生まれ。55年東京大学法学部卒。同年通産省(現経済産業省)入省。ジェト
ロ・アムステルダム駐在員などを経て、通産省事務次官に。88年、退官。神戸製鋼副
社長などを経て、94年、電通顧問兼電通総研代表取締役社長兼研究所長に就任。現
在、総合資源エネルギー調査会(経済産業省)、政府審議会委員などを務める。主な著
書は『21世紀・日本の選択』『IT時代・成功者の発想』等。


○小林陽太郎/こばやし・ようたろう(経済同友会代表幹事、富士ゼロックス代表取
締役会長、言論NPOアドバイザリーボード)
Profile
1933年ロンドン生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ペンシルバニア大学ウォート
ンスクール修了後、富士フイルム入社。富士ゼロックス取締役販売部長、取締役社長
を経て、92年に代表取締役会長に就任、現在に至る。その他、経済企画庁経済審議委
員会委員、文部省大学審議会委員、社団法人経済同友会代表幹事などを兼任。


○山崎正和/やまざき・まさかず(劇作家・評論家、言論NPOアドバイザリーボード)
Profile
1934年生まれ。56年京都大学文学部哲学科卒業。京都大学大学院美学美術史学博士
課程終了。関西大学、大阪大学教授を経て、現在東亜大学学長。劇作から文芸評論、
社会論まで活動領域は広範囲。主な著書に『柔らかい個人主義の誕生』『大分裂の時
代』『歴史の真実と政治の正義』等。

●上記の記事はウェブサイトにも掲載されています。
https://www.genron-npo.net/about/history/030214_sympoprof.html

●お申し込み、プログラムなど詳細は下記まで
https://www.genron-npo.net/about/history/030214_sympoanno.html

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■ 3月15日(土)言論NPO シンポジウムのお知らせ
  「NPOが日本社会を変える」(仮)  後援:笹川平和財団

午後1時~5時、日本財団ビル2F・大会議室(東京都港区赤坂1-2-2)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html

パネリストは、北川正恭(三重県知事)、松井道夫(松井証券社長)、後房雄(名古
屋大学(教授)、穂坂邦夫(志木市長)など。

定員:200人。入場無料。申込締切:3/11。


●お申し込み、プログラムなど詳細は下記まで
https://www.genron-npo.net/about/history/030227_sympoanno.html

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  ┏━━━━━━━━━━━━ 会員募集 ━━━━━━━━━━━━━┓
   言論NPOは、ウェブサイト以外に、出版、政策フォーラム、
   シンポジウムなど、多様な活動を展開しています。
   また、自由闊達で質の高い言論活動を通じ、日本の将来に向けた、
   積極的な政策提言を繰り広げていきます。
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