2013年、言論NPOは「議論の力」でこの国の未来に向けた課題に取り組みます

2013年1月01日

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2013年、言論NPOは「議論の力」でこの国の未来に向けた課題に取り組みます

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あけましておめでとうございます。
言論NPO代表の工藤泰志です。

昨年は、言論NPOの活動にご理解とご協力を賜り、ありがとう
ございました。
さて、新しい年を迎えました。皆さんは今年、どのような1年に
なると思いますか。
私は、今年こそ、「変化の年」だと思っています。
昨年末、日本では総選挙が行われ、日本の政治は自公政権に戻り
ました。安倍総理は、今年の参議院選に向けて成果を出そうと、
取り組みを強めています。
ただ、その行動が高い支持を集めていないのは、首相の個性だけ
ではなく私たち有権者との間に小さいけれどかなり重要な隙間が
あるからだと、私は考えています。
一言で言えば、先の選挙で私たちは「日本の未来」を選んでいな
い、ということです。


≪なぜ自民党は大勝したのに感動が沸かないのか≫


代表制の民主主義では、私たちは公約を提案する政党やその候補
者を選びます。
しかし、この間、私たちが直面している問題は、選ぶ政党がな
くなり始めているということです。その最大の理由は、日本の政
党が、日本が直面する課題解決に挑まず、未来に向けた競争が政
治の舞台で始まらないからだ、と私は思います。
この間、私自身、政党や政権の評価などを行い、2つ学んだこと
があります。
政治は日本の課題から逃げられず、有権者に向かい合わない政治
は有権者に必ず否定されるということです。
民主党への政権交代はその期待の表れでもありましたが、それが
実体とは異なることはすぐ明らかになりました。というよりも、
民主党という政党が様々な人たちの寄せ集めで、党内の意見集約
もできず、権力を維持するためだけに存在しているという事実が、
はっきりとわかったのです。
今回の自民党の地滑り的な大勝はある意味で選挙制度のいたずら
でもあります。
にもかかわらず、一方的な大勝に感動というものが沸かないのは、
結局、有権者に向かい合わず政党の存命だけに明け暮れた政権に
NOを示すことしか、多くの有権者は先の選挙で争点を見いだせ
なかったからです。
有権者は投票先を悩み、そして有権者に横柄な政党や、政治家の
延命のためだけに間際に作られた政党や組織のガバナンスが曖昧
な政党も選びませんでした。それはこの時点では賢明な判断でし
た。が、その代わり、戦後最悪の投票率となりました。


≪既に日本は、大きな変化の真っただ中にいる≫


つまり、政権は交代しましたが、政治の世界に本当の意味で変化
は起きなかったのです。
それでも私が、新年を「変化の年」と主張するのは、日本は既に
大きな変化の真っただ中にいると思うからです。
この変化は、有権者の「気づき」がその背景にあります。この間、
未曽有の震災がおこり、原発がいかにリスクの高いものであるこ
とも分かりました。高齢者が増え続ける中で、社会保障の仕組み
が持続可能ではないこともはっきりとしました。財政破綻のリス
クも高まり、経済の成長はなかなか困難な作業であることもわか
りました。
多くの人はこれまで当たり前と考えている問題に、大きなリスク
が広がっていることを自分の生活の中で気づき始め、自分たちの
身は、自分たちで守らないといけない、自分たちの将来は自分で
考えないといけない、と考え始めているのです。
そう考えた時に、「政治」は自分たちの遠くにあるものではない、
ということに多くの人は気づいたのです。
私が言う、日本の変化とはこうした生活者の「気づき」なのです。
その意識と現在の政治との距離の大きさが、次の変化につながっ
ていくのです。


≪私たち有権者の当事者としての覚悟が問われている≫


しかし、この変化をただ受けて立つだけでは未来に向かえない危
うさも持っていると私は考えます。国民は様々な課題に不安を持
っています。しかし、その不安に迎合して勇ましいことを言うの
は政党の役割ではありません。また聞こえがよい政治家の言葉に
ただ期待するだけでは、安酒を飲んだように後味の悪い、深刻な
結末を残しかねません。
つまり、この変化が、この国の未来に向けた大きな動きとなるた
めには、私たちがこの国の課題に向かい合い、当事者として覚悟
を持たなければいけない、と私は考えているのです。
そうであるなら新年は、まさに有権者と政党政治というものが、
もう一度向かい合うような状況をつくっていかなければいけない。
それが、私の言う「変化」の本当の意味です。
その1つの機会が夏に行われる参議院選挙だと思います。
有権者は、今、日本が直面している課題に既に気づいているので
す。それに対して答えを曖昧にする、そうした政治を許してはい
けないのです。


≪言論NPOは、この国の変化を「議論の力」でつくり出します≫


有権者と政治の間に緊張感ある関係があれば、日本の政党も政策
を軸に動き始め、未来に対する競争が始まるでしょう。それが結
果的に、日本の政党政治を立て直すことにもなると思います。
新年は、そうした本当の変化に向けての動きを始めなくてはなら
ないのです。
だからこそ、私たちは、昨年から「私たちは政治に白紙委任はし
ない」という呼びかけを始めているのです。引き続き、より多く
の賛同者を集めていきたいと思っています。
2013年、言論NPOは、「議論の力」でこの国の未来に向けた課
題に取り組みます。ぜひ、多くの方々にご協力いただければと思っ
ております。

本年も、何卒よろしくお願い致します。


        2013年1月1日  言論NPO代表 工藤泰志

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「2013年の日本をどう考えるか」アンケート実施中

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言論NPOでは、「2013年の日本をどう考えるか」と題したアン
ケートを実施しております。何かと慌ただしい年始のお願いにな
り大変恐縮ですが、ご回答いただければ幸いに存じます。

下記URLからご回答ください。
 ※〆切は【1月4日(金)18時】となっております。

▼「2013年の日本をどう考えるか」アンケート実施中
 https://www.surveymonkey.com/s/GZ875LW


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【工藤ブログ】「新しい年、日本に変化をつくり出せるのは私たち有権者」

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理事の田中弥生氏との対談形式で、「新しい年、日本に変化をつく
り出せるのは私たち有権者」と題して、今年の抱負を語っています。
あわせてご覧ください。。

▼【工藤ブログ】「新しい年、日本に変化をつくり出せるのは私たち有権者」はこちら
 https://www.genron-npo.net/kudo/podcasting/post_47.html

以上、今年も、何卒、よろしくお願い申し上げます。
 

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