山下 俊史

山下 俊史氏発言

 言論NPOとの出会いは、2008年9月に行われた第4回東京-北京フォーラムです。05年に始まったフォーラムは、小泉政権下で停滞していた日中関係を改善する上で、重要な役割を果たしたものと思います。第4回フォーラムにおける「食料対話」分科会には、私も参加させていただき、冷凍餃子事件についても意見交換を行ないました。これは、食への不安・不信が高まる中、日中双方が食の安全を本格的に議論する機会として大きな意義をもつものでした。このように、言論NPOが時宜を得た議論の場づくりをされたことに敬意を表するものです。

 さて、鳩山政権が誕生して半年が経ちました。ここにきて内閣支持率が下がっているのは、国民として政権交代へ熱い期待をかけたにもかかわらず、成果がはっきりしないためでしょう。政権への評価は様々あるかと思いますが、心配するのは、国民が政治そして民主主義そのものについて絶望してしまうことです。そうならないためにも、政治について主体的に議論を積み重ね、よりよい方向やビジョンを提示していくことが大切です。その場をつくり議論を編んでいく上で、言論NPOの役割に一段と期待します。

山下 俊史
日本生活協同組合連合会(日本生協連)会長


1944年、愛媛県生まれ。1967年、東京大学卒業、同大学生協を経て、1975年に都民生協(現コープとうきょう)に移籍。1992年、コープとうきょう専務理事、2001年、同理事長。2001年、コープネット事業連合常任理事、東京都生協連副会長理事。2003年、日本生協連副会長、2007年、同会長。世界の生協トップとの交流も広い。