民主党政権9ヶ月の実績評価(総論)

2010年5月27日

公務員制度 :  23点 /100点
実  績
実行過程
説明責任
18点 /40
5点 /30
0点 /30


【実 績】

 民主党政権がマニフェストに基づいて国会に提出した国家公務員法改正案は、今国会で廃案となり、新たな幹部職制度について具体的な制度の内容や実施に向けたスケジュールは進んでいない。幹部人事の内閣一元管理は、「各省縦割り」「年次主義」を是正する上で大きな前進であるが、三職制一体の規定は次官級も部長級も必要な能力や負うべき責任を同等とみなすものであり、能力主義の基本から離れ、近代以前の猟官制に戻ることになりかねない。また、天下りあっせんの全面的禁止に関して、昨秋の郵政社長等人事は財務省や総務省の有力OBであり、指名委員会の前に政治的に決められ果たして「適材適所」といえるのか議論がある。再就職あっせんの禁止で高齢者が残留し若年層の採用が減少し、「総人件費2割削減」と「定年まで働ける環境を作る」という具体策の矛盾が露呈した形となっている。また、国家公務員の総人件費削減については、そもそも「2割削減」の対象がなぜ国家公務員だけなのか、政府からは説明がなされていない。国民の高給与批判は特に地方公務員について顕著であり、政策の妥当性に疑問符が付く。総人件費の2割削減を2013年までに達成するためには、労働基本権を付与する法案を通すことが求められるが、そのめどは立っていない。総じて政府内において公務員制度改革の全体像についての一致が見られず、パッチワーク的な対応が目立っており、実質的な評価はかなり厳しくなる。

【実行過程】

 まず民主党政権は、自ら掲げた党の約束を政府の約束として十分反映させているとは言い難い。三党連立政権合意書には公務員制度改革についての言及はなく、所信表明演説や施政方針演説でも具体的な目標や施策が述べられているわけではない。総人件費の2割削減をマニフェスト期間2013年までに達成するためには、労働基本権を付与する法案を今年中に成立させる必要があるにもかかわらず、民主党政権では来年通常国会以降に先送りするとしている。そうであれば政府として実現に向けた工程を示すべきであるが、それが国民に対して提示された形跡はない。国家戦略担当大臣を担当閣僚とする国家公務員制度改革推進本部は設けられているが、例えば総人件費の2割削減についてはその担当が国家戦略担当大臣か総務大臣かいまだに決定していない。有識者からなる顧問会議も形式的には廃止されていないが、実質的な動きは何もない。

【説明責任】

 公務員制度改革について、鳩山前首相は所信表明演説や施政方針演説において何度も指摘しているが、いずれにおいてもその説明は抽象的なものであり、それをベースとした全体的なビジョンや新たな工程表は発表されていない。2010年国家公務員法改正案も、衆議院では強行採決で可決されるなど、政府側の十分な説明がなされているとは言い難い。郵政天下り人事などのように、自ら掲げた「公務員の天下りあっせんの全面的禁止」とのギャップについてその理由が語られることもなかった。国家公務員制度改革基本法や原理原則を踏まえた考え方や方針を、工程表を改正して示すことが説明責任を果たす上で極めて重要である。

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