民間対話に多くの期待が寄せられた〜WA2016夕食会報告〜

2016年3月27日

 ワールド・アジェンダ2016「不安定化する国際秩序と世界経済にどう挑むか」の開催を翌日に控えた3月26日、東京都内の日本料理店において、パネリスト歓迎の夕食会が行われました。


 まず、開会の挨拶に立った言論NPO代表の工藤泰志は、世界の課題解決にあたっては、政府だけでなく民間の役割も大きなものになっているとした上で、「明日の対話には今年、G7主催を控えた日本政府も大きな関心を寄せている。日本の民間の中から世界の課題解決に向かう動きが始まったことを内外に示したい」と意気込みを語りました。

 これを受けて、列席した海外のパネリストからも、民間の役割の重要を指摘する発言が相次ぎました。フィリップ・ベルモンテ氏(インドネシア・戦略国際問題研究所所長)が、欧州やアメリカなどにおいて、「内向き」の発想が広がっているとした上で、「政府間では議論できないようなテーマでも、民間なら自由闊達に議論できる」と述べると、ロヒントン・メドーラ氏(カナダ・国際ガバナンス・イノベーションセンター総裁)も、「政府はどうしても短期的な問題に目を向けてしまいがちだが、民間なら中長期的な視点から議論ができる。そこで得た成果を基に我々が政府にアドバイスしていくべきだ」と民間の大きな役割を強調しました。

 一方、経済・安全保障両面から世界の大きな注目を集める中国の肖耿氏(国際金融フォーラム研究所所長、香港大学教授)が、「これから中国が世界とともにどのような『好機』をつくり出していけるのか、それを議論していきたい」と抱負を述べると、日本側の参加者からも、これまで経済的な支援が中心だった日本の国際貢献を踏まえながら、「日本はこれからは新しい『アイディア』を生み出すことで世界に貢献していくべきだが、そのための議論をしたい」と語りました。

 閉会の挨拶に立った近藤誠一氏 (近藤文化・外交研究所代表、前文化庁長官) も、「明日は参加者各自が自分の国に課題解決のためのヒントを持ち帰ることができるようなセッションにしていこう」と呼びかけました。

 その後、一行は桜の名所・千鳥ケ淵を散策しながらさらに親睦を深め、和やかなムードの中で歓迎夕食会は終了しました。