国際秩序が不安定な時期だからこそ、共通の理念を打ち出し、協力していくことが重要

2016年3月26日

米国:ブルース・ジョーンズ
(ブルッキングス研究所バイスプレジデント)

 今、国際秩序は大きな分岐点にきていると思います。確かに、気候変動やテロリズム、核不拡散などの分野において国際的な協力が行われている一方で、数多くの挑戦も増大していると思います。具体的な政治的課題として、中東やウクライナなどで代理戦争が行われていることなどが挙げられます。

 こうした環境の中で、西洋がまだ大きな力を持っていて、能力があるということを改めて認識すべきだと思っています。ここでいう西洋というのは、アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国を含めたものです。この西洋は、経済規模にすると世界の7割を占め、軍備についても8割を持っていることになります。しかし、世界経済の3%しかないロシアのプーチン大統領に振り回されているのが現状ではないでしょうか。

 まだ、西洋には力があって、これから共有する価値というものを推し進めていく責務があるということを、改めて認識すべきだと思います。そして、国際秩序が挑戦を受けている時期だからこそ、共通の理念というものを打ち出し、新しい時代に向けて、しっかりと協力していくことが重要だと思います。

 そうした意味で、今回のシンポジウムが東京で行われることは重要であり、特に、理念を共有した自由の国から、それぞれシンクタンクが集まって意見交換するということは、非常に素晴らしい機会だと思っています。