ワシントンDCでシンクタンクや上下院スタッフと徹底議論

2013年3月14日

日本のアベノミクス、そしてアメリカの「アジア再バランス」政策を語る

 13日、代表の工藤はワシントンの主要シンクタンクや上下院スタッフを訪問し、米国と日本が直面する金融経済、外交、安全保障などの政策課題について意見交換を行いました。


MrGoodman まず、工藤は、安倍政権の金融経済政策について、CSIS政治経済部長のマシュー・グッドマン氏と議論しました。グッドマン氏は、アベノミクスの「3本の矢」を高く評価しており、すでに成果につながる実績を見せている金融政策、財政政策への今後の期待感を語る一方、成長戦略においてはまだ実行に移されていないとして、今後の成果は経済の抜本的な構造改革にかかっている、と述べました。TPPはそのための重要な柱になるだけではなく、韓国、ASEAN、そして中国との経済連携に戦略的な意味を持つものだ、と語りました。


 その後、工藤は、「アジア再バランス」といわれる米国のアジア重視の外交政策について、CSIS中国部長のクリストファー・ジョンソン氏、続いて、ヘリテージ財団のアジア研究センター上級研究員のブルース・クリングナー氏と個別に対談しました。

MrJohnson.jpg CSISのジョンソン氏は、アジア再バランス政策はまだ順調に進展しているとは言えず、オバマ政権の外交手腕が試されている、と語りました。また尖閣諸島での偶発的な事故については懸念を示したものの、さらなる両国の関係悪化については否定的であり、日中外交を冷静に見ていました。そして、中国新政権については、中国経済の先行きには慎重な見方があるものの、新指導部は事態を十分に理解しているとし、経済の構造改革での対応に期待を示しました。

 次に工藤は、ヘリテージ財団のクリングナー氏と日米の安全保障を中心に意見交換を行いました。工藤は最初に、昨年4月に行われた石原前都知事のヘリテージでの会見が日中関係の関係悪化の端緒になったことを指摘しました。クリングナー氏は、石原氏の発言が「東京都が尖閣諸島を購入する」という内容になるとは当日の発言まで想像していなかった、と述べました。

 また、クリングナー氏はオバマ政権のアジア再バランスについてはスローガンと現実の間にギャップがあることを説明し、懐疑的な見方を示しました。日米関係が重視される中で、日米関係の具体化に関して理解の食い違いがあることも分かり、工藤は日米間の政策をめぐる有識者層のコミュニケーションの重要性を痛感しました。

MrHalpin.jpg その後、上院外交委員会共和党補佐官のキャロリン・レディ氏、下院外交委員会アジア太平洋小委員会民主党補佐官のデニス・ハルピン氏と個別に会談し、日本と米国の国内政治や外交政策について意見交換を行いました。

 工藤は14日も、有力シンクタンクの日本・アジア専門家約10名と対談を行うなど、引き続き、日米関係についてアメリカ政府の政策立案に影響力をもつキーパーソンと意見交換と議論を行う予定です。

 日本のアベノミクス、そしてアメリカの「アジア再バランス」政策を語る

 13日、代表の工藤はワシントンの主要シンクタンクや上下院スタッフを訪問し、米国と日本が直面する金融経済、外交、安全保障などの政策課題について意見交換を行いました。