言論NPOとは

平成15年度活動報告

1)「言論不況からの決別」を提起し、既存のメディアが果たしていない責任と質の伴った議論の舞台を作ろうということで立ち上げられた言論NPO は、前年度に確立したクオリティ誌「言論NPO」の発行、インターネットによる情報発信と意見交換、フォーラム・シンポジウムの開催および政策フォーラム「言論NPOアジア戦略会議」などの本格的な活動を展開させると共に、新たに政策評価委員会を立ち上げた。

昨年11月の総選挙に向けて、選挙公約の実行を巡り、政治と有権者との間に緊張感ある関係の形成を目指して、当事者意識を持った政策論争と有権者のより具体的な判断のための材料提供を企てた、初めての政策(マニフェスト)評価を行ない、マスコミなどでも大きく取り上げられた。

また、現在の政党なども描けていない日本の将来構想の選択肢を提案するため、国家戦略形成の方法論に基づいて、日本の将来に向けた議論を開始した。本年度は五段階の内、最初の二段階である[20年後に向けた世界の潮流が日本に求めているものは何か]、[日本のパワーアセスメント――日本の将来設計に向けて] を本年3月16日のシンポジウムで世に問うと共に、日本及びアジア諸国の有識者と議論をした。また昨年末の[日中の新たな可能性を探る]シンポジウムでは中国の有力官僚の方々を招いて、日中の認識のギャップを埋めながら議論形成を行なった。こうした議論形成のプロセスはすべて公開すると共に、日本の有識者の声を、アンケート調査などを通じて集約し反映させる形で進めている。

2)平成15年3月末現在で理事11名、監事1名、常勤雇用者2名、出向者アルバイト4名の計18名に加え、多くのボランティアの参加を得て、事務所運営及び会員の獲得、言論運動の本格的展開などに当たった。

3)主な事業としては、
   ①一般向けクオリティ誌『言論NPO』の年間2号発行
   ②インターネットによる情報の発信と意見交換(ウェブサイトhttps://www.genron-npo.net からの
     発信と意見交換、言論NPOメールマガジンの発行)
   ③政策フォーラム「言論NPOアジア戦略会議」の年間15回開催
   ④会員フォーラムの年間3回開催
   ⑤言論NPOシンポジウムの年間3回開催
   ⑥政策評価会議の年間16回開催、を行った。

4)クオリティ誌の今年度の発行部数は5,500部、また、ウェブサイトの閲覧状況は概ね月間5万ページビュー程度の実績を上げている。

5)前年度のウェブサイトリニューアルによって、1)「ネット会議」が始動し、ウェブ上での双方向の意見交換が可能になった、2)コンテンツ領域が整理され、過去のコンテンツをPDFでダウンロードできるなどの会員サービスを充実させ、3)タイムリーに且つ頻繁にホームページを更新・発信することによって、会員以外の一般ユーザーに対する情報公開を更に向上させた。

6)会員活動の努力を重ね、個人正会員は140名、法人会員は 18社、一般会員は238名(平成16年3月末日現在)となった。