米国の各シンクタンクと協力に向けた協議を行うことで合意 ~ブルッキングス研究所、マンスフィールド財団、外交問題評議会、ピューリサーチセンター会談報告~

2015年5月14日

 外交問題評議会主催「カウンシル・オブ・カウンシルズ」第4回年次総会閉幕後、ワシントンを訪れている代表の工藤はブルッキングス研究所のリチャード・ブッシュ氏、マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ氏、外交問題評議会のジェームズ・リンゼイ氏、ピューリサーチセンターのブルース・ストークス氏らと会談を行いました。

 これらの会談の中で工藤は、言論NPOがこれまで行ってきた「東京-北京フォーラム」や「日韓未来対話」など、北東アジアでの紛争回避に向けた民間外交の取り組みや、課題解決に向けた責任ある世論が持つ重要性について説明しました。加えて、言論NPOがこれから目指そうとしている、アメリカを加えたかたちでの多国間民間対話の枠組み形成の可能性について意見交換を行いました。また、グローバルイシューに関する議論を今後日本で本格的に開始するため、幅広い分野で相互に協力を行っていくことについても話し合われました。


 工藤の北東アジアでの多国間対話への提案について、ブッシュ氏は、「アメリカや中国を含めたかたちでマルチ対話を行うならば、参加国の興味が対立するトピックについて話し合うことも大事だが、同様に北朝鮮問題や、北東アジア地域以外での安全保障協力など、協力を行うための議論を包括的に充実させていくことが大事だ」とコメント。今後も、継続して意見交換を行い、議論を深めていくことで一致しました。

 続いて、ジャヌージ氏は「戦後70周年など様々なかたちで節目を迎えている北東アジアの中で、過去にとらわれるのではなく未来に向けて開かれた対話や、個別の課題だけでなく各国や地域の将来像を見据えた議論を行っていくべき」と述べ、同財団が言論NPOと共通の問題意識を持っていることに触れました。その上で、「北東アジアで平和的な環境をつくっていくための対話を、日本の同盟国であるアメリカも参加した形でぜひ実現したい」との工藤の呼びかけに対してジャヌージ氏が応え、今後の協力に向け提案を行っていくことで合意しました。

 リンゼイ氏との面談で工藤は、今回のカウンシル・オブ・カウンシルズ年次総会の成功に触れ「こういったグローバルイシューに関する議論の重要性がますます増しているが、そういう議論の空間が日本にはなかなか根付いていない。言論NPO主導で国内でも活発な議論を開始したい」と今後の活動に向け意欲を語りました。その上で、グローバル課題に関する議論を外交問題評議会と相互に行っていくことについて、協議を継続していくことで一致しました。
 

 ストークス氏とは、ピューリサーチセンターと言論NPOがそれぞれに行っている世論調査に関して意見交換を行いました。ピューリサーチセンターは世界40カ国以上の国々で毎年世論調査を行い、各国間での比較分析結果を発表しており、今後お互いの調査結果をもとにした共同分析など協力に向けて話し合いを続けることで合意しました。
 
 その後、在アメリカ日本大使館にて佐々江賢一郎大使と面会し、今回のCoCでの議論や過去1年間の言論NPOの活動を報告するとともに、安倍首相の訪米など、最近の日米関係関連トピックについて意見交換を行いました。

 工藤は今回の訪米最終日の明日も引き続き、米国の有識者や政府関係者と意見交換を行う予定です。こうした意見交換の模様は、随時、言論NPOのホームページで公開していきます。


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