世界が大きな課題に直面する中、日中両国の若い世代が考える日中関係とは「第18回東京-北京フォーラム」青年対話 報告

2022年12月08日

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 「東京─北京フォーラム」初日(12月7日)の特別セッション「青年対話」は18年目にして初めて開催される注目の企画です。「日中両国の未来を若者の視点で考える」と題して、日本側3人、中国側3人のパネリスト6人がオンラインで参加しました。青年らしい熱っぽい議論が交わされ、将来の日中関係の安定発展に期待感を抱かせました。

017Z9854.jpg 冒頭、日本側司会の西村友穗・言論NPO国際部部長が18年間継続する「日中共同世論調査」を踏まえて「直接のコミュニケーション・対話・訪問が非常に重要なことを世論調査が教えてくれている」と指摘。その上で「人類共通の課題に直面する中、次世代を担う若い人たちの知恵と奮闘が求められる」と対話の意義を強調しました。

 中国側司会の趙雷・零点有数デジタル科技集団副総経理も「世論調査結果から両国の相手に対する感情の浮き沈みを目の当たりにした」と応じ、1時間半に及ぶ対話が始まりました。


反中感情を持つ人が比較的少ない若い世代に希望を見い出す

017Z9839.jpg 最初に日中国交正常化50周年の節目を迎えた現状が議題に上がりました。トップバッターに指名されたのは、2021年11月の衆院総選挙で初当選を果たした太栄志・衆議院議員(立憲民主党副幹事長)です。太氏は「私は今45歳で、青年に入るのかどうか」と特別セッションのオファーがあった際に戸惑った心境を吐露する一方で「永田町では間違いなく若手の一人であり、そうした視点から意見交換したい」と挨拶しました。

 続けて、米国のシンクタンクや研究所で東アジアの安全保障問題を研究した経験を踏まえて「米中対立が深まる中、いかにわが国が生存を図り、中国との共存を図っていくかは政治に問われる大きな課題だ」と指摘。その上で、過去30年間で中国の各方面での国際的存在感が増したことで、日本の権益と「衝突」を繰り返している不安定な状況について「長期的視点を持ちながら、偶発的な衝突を起こさずに、既存の国際ルールに中国を上手く関与させながら、粘り強く対峙しなくてはいけない」と述べ、中国側に協調的な対応を求めました。さらに、20代~40代の世代は反中感情を持つ人が比較的少ないという内閣府の調査に言及して「そこに希望を見いだして、粘り強く対応していくことだと思う」と語りました。

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