言論NPOとは

言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係る自己評価結果-令和六(2024)年度版-

認定特定非営利活動法人 言論NPO
令和六(2024) 評価結果


1)ネガティブチェックリストによる評価結果

 令和六(2024)年度の言論NPOの活動を7分野に分類し、①非政治性では19の評価項目で、②非宗教性は12の評価項目によって、宗教性・政治性に該当する活動であるかを判断した。評価結果は以下のとおりである。

 まず、①非政治性については、言論NPOの7分野の活動を19の評価項目でネガティブチェックリストによる評価した結果、以下の5分野10項目で非政治性の判断ができなかった。(評価結果の詳細は「参考資料」参照)
(1)民主主義を考える事業で実施した分野において2項目
(2)北東アジアの平和構築に向けた事業として実施した分野において2項目
(3)世界の課題解決に向けた事業において2項目
(4)会員等向けフォーラムにおいて2項目
(5)ウェブ論壇・海外発信において2項目

 これらの5分野10項目についてはネガティブチェックリストで判断がつかないため、①活動の目的の明確性、②活動に当たって言論NPOが拠って立つ立場の明確性、③活動のターゲットの明確性、④活動に当たっての主要なコンテンツ形成活動に係る方法論の明確性、⑤活動の方針決定に係るガバナンス及び透明性からなる、5つのコンテンツ判定基準で追加の評価を行った結果、全ての項目に置いて基準をクリアしており、「非政治性」を満たしているものとされた。

 続く、②非宗教性については言論NPOの活動の7分野を12の評価項目で評価した結果、全ての項目で「非宗教性」を完全に満たしていると判定した。

 この結果、言論NPOの令和六(2024)年度の全ての7分野の活動は、非政治性、非宗教性における評価基準において問題がないとの結論が得られた。従って、令和六年度における言論NPOの活動は、全てにわたり「非政治性・非宗教性」を満たしているものと評価される。


【評価方法】

 自己評価は令和六年度における言論NPOの全ての事業について、最初にネガティブチェックリストによる第1次評価を行う。外形上から明らかにその活動が「非政治性・非宗教性」を満たす事業は「○」、「非政治性・非宗教性」を満たさない事業は「×」とした。外形的な判断のみでは評価できない事業は「△」とした。

 その要件で「△」となった事業については、個別の事業の形成プロセスを、5つの客観的な基準(①目的の明確性、②立場の明確性、③ターゲットの明確性、④コンテンツ(事業)形成に係る方法論の明確性、⑤方針決定に係るガバナンス及び透明性)により評価する。

 ネガティブチェックリストでは評価できない事業についても、「コンテンツ判定基準」によって、個々の事業の形成プロセスが「非政治性・非宗教性」を満たすと判断できる場合には、最終評価としてその事業の内容自体も「非政治性・非宗教性」を満たすとみなすことができる。



「非政治性・非宗教性」に関する言論NPOの今後の取り組みについて

  「非政治性・非宗教性」の説明力をより強化するために令和七(2025)年度は下記の点について重点的に取り組む予定である。


1)課題解決の意思を持つ輿論形成に向けて、言論NPOの立ち位置を説明し、理解してもらうことが必要不可欠

 世界が歴史的な困難に直面する中で、今回の事業計画では、世界が多国間主義で結束するために、世界のシンクタンクとの連携をさらに深め、民間主導でのより大きな影響力を持つ舞台づくりを行うこと、さらに、課題解決の意志を持つ言論空間の立て直しに取り組むことを、方針として掲げている。

 特に、言論空間の立て直しは、民主主義の価値を守るために不可欠の作業と考える。

 すでに言論の中心的な舞台はインターネットに移ったが、私たちが問題視するのは、そこで溢れる感情的な声や不安に迎合する発言がポピュリズム政治を加速させていることにある。これに対して、多くの知識層は自身への批判や誹謗中傷を避けるために声をあげないため、課題解決に向けた議論が行われる舞台としてインターネット空間が機能していない。このインターネット空間を立て直すためには、個人の権利を守るための規制やフェイクニュースに対するファクトチェクなど、様々な努力が必要だ。私たちは、言論NPOのネットワークを利用した有識者アンケート等を実施し、課題解決に向けた多くの有識者の声を様々な形で発信するほか、有権者自身のリテラシーを上げ、多くの市民が国内外の課題解決を自分で考えるために、多くのフォーラムを開催し判断材料を提供していきたい。

 インターネットを主体とした言論空間が特定の利害に引きずられたり、扇動する場に完全に変質させないためには、この場の発言者が立ち位置を明らかにすることも大事である。民主主義や自由、そして、世界における多国間主義が、言論NPOがこれまで一度も揺らいだことがない立ち位置である。そうした立ち位置を明確にし、課題解決に向けて多くの人が参加でき、自ら考えられるような選択肢を提起できる議論の展開を図っていきたい。


2)法人・個人を問わず多くの人たちがこの活動に参加し、支えてくれる組織をつくっていく

 言論NPOは、世界の課題に取り組む「DO-TANK」に向けて、今年度から脱皮を進めていくことを掲げている。そのためには、個人・法人に関わらず、会員制度を立て直し、幅広い理解に支えられる安定的な資金基盤の確立に向けて、計画的に会員を増やしていくことが急務である。そのためにも、個人会員については、言論NPO活動に興味を持った人が、無料登録するところから始まり、多くの議論を傍聴したり、参加するために個人会員になるというサイクルや課題に挑むコミュニティを作り出したい。

 加えて、法人会員については、法人会員も言論NPOの中核のメンバーに位置付け、世界の分断をこれ以上悪化させず、民主主義を守り、国際協調の動きを進めること自体が、企業経営の基盤の安定化に不可欠という、共通の立ち位置から世界の課題解決に向けた取り組みを行って行きたい。

 こうした多くの会員に支えられた持続的な組織を作り上げることこそ、独立、中立の行動するシンクタンク「DO- TANK」を実現する上で非常に重要なことであり、その実現に向けて取り組んでいく。