言論NPOは6月23日、東京都内の言論NPOオフィスにおいて、「第24回通常総会」を開催しました。総会には、議決権を有する正会員が出席しました。議長には、アドバイザリーボードから藤崎一郎・元駐米大使が選任されました。
令和6年度活動報告・決算について
総会では、言論NPO理事長の工藤泰志が、「令和六年度活動報告」と「令和六年度決算」について報告し、全会一致で承認されました。
活動報告の中で工藤は、言論NPOの取り組みの最大の評価として、「東京会議」と「東京-北京フォーラム」という2つの世界会議が、世界の中心的な役割を果たすステージまで大きく前進させたことを挙げ、「2つの世界会議を通じて世界的な発言力やネットワーキングの面でも大きく成長した」と評価。そうした世界の課題や民主主義の修復に挑むためには、言論NPO自体を行動する集団(DO-TANK)として脱皮させる必要があると、来年度に向けた課題を示しました。
一方で工藤は、言論NPOの活動が世界的な取り組みに発展する中、組織力の抜本的な見直しを行い、言論NPOのWEBサイトを見直し、会員のサービス体系の全面的な見直しも行ったとしたものの、組織力の強化については、次年度以降に引き継ぐと強調しました。
令和7年度事業計画について
続けて、「令和七年度事業計画・予算案」についても同様に報告を経て全会一致で承認されました。
事業計画の中で、今年取り組む3つの課題として工藤は、①「東京会議」をさらに発展させるために、10カ国の参加シンクタンク間の協力強化と、次世代リーダーとの連携を実現すること、②課題解決の意志を持つ世論喚起に向けた言論空間の立て直しとして、日本が直面する政策課題で日本や海外の多くの有識者の声を様々な形で公表すること、継続的に国内や世界の政策課題に関する議論をフォーラムや勉強会の形で行い、その内容を動画やSNSの空間で計画的に公表すること等を挙げました。
そして最後に、最も重要な点として、③言論NPOを、世界を代表する「DO-TANK」(行動する頭脳集団)として脱皮させることを挙げ、昨年度に達成できなかった「言論NPOの固定費の全額を会費や寄付で賄う」こと、そのために、法人会員制度の見直しと、個人会員をコミュニティ化し、会員増に取り組むことなどを実行していくことを掲げ、今年度の活動について説明しました。
『非政治性・非宗教性』に係る自己評価結果
続いて、令和六年度の言論NPOの活動に関する「『非政治性・非宗教性』に係る自己評価結果」について、工藤から報告がなされました。この自己評価は、言論NPOの活動の中立性・公益性を保つため毎年実施・公表されているもので、令和五年度の言論NPOの活動については、七分野について評価が行われ、全ての活動プロセスが非政治性・非宗教性を満たしていることが報告されました。
この評価結果を踏まえ、言論NPOの言論監事である毎日新聞社名誉顧問の朝比奈豊氏、難民を助かる会会長の長有紀枝の両氏による監事意見をアドバイザリーボードの松元氏が代読して公表しました。
まず、言論NPOが行った自己評価について、手法、プロセスに加えて結果に関しても「問題がない」と説明。その上で、「戦後、欧米が主導した自由で開かれた世界は不安定化し、多くの民主主義国がポピュリズムの試練に直面しています。其の中で、日本が掲げるべき国際協調を世界に向けて発信し続け、世界やこの国の未来に向け言論空間の立て直しに取り組もうとする、言論NPOの活動自体に敬意を表したい」と強調しました。
そして、「活動自体は経済的にも依然、厳しい状況にある」としながらも、「世界を代表する行動するシンクタンクとして、どのような困難があろうと課題解決に向けて揺るぎない意志を持ち、声を上げ続ける、唯一無二の存在になる」ことに期待を示しました。
その後、令和9年までの理事体制が8人になったこと等を報告し、総会は閉会しました。
総会終了後、理事やアドバイザリーボードなど、出席者を交えた懇親会が行われ、言論NPOの期待などが寄せられました。