日本の民主主義を立て直す

 世界では、「デモクラシー(民主主義)の危機」が叫ばれています。市民が政治から退去し、投票率が下がり、政党政治は課題解決の力を失い始めています。こうした民主主義の危機は、日本とも無関係ではありません。
 にもかかわらず、この国では、課題に挑む「言論」の力は非常に弱まっており、情緒的な世論に迎合するポピュリズムの政治がより大きくなってきています。
 政治家の質も低下し、国会での議論も日本が直面する課題とは、かけ離れています。
 民の力で、民主主義の力が、発揮出るような仕組みをどのようにつくり直すのか。民主主義の原点や制度的な立てつけなども含めて、民主主義の議論を開始する、今がそのぎりぎりのタイミング、だと考えるのです。

有権者や市民が強い民主主義の担い手となる。 そのための議論を開始します

 強い民主主義を機能させるためには、有権者や市民の力がより強いものにならなくてはなりません。有権者は選挙で政治や政策を判断し、その評価を次の選挙で下す、サイクルが大切です。そうした緊張感ある有権者と政治の関係が日本の政治自体を、より強いものとするからです。
 私たちが毎年、行っている政権の実績評価や選挙の際に行う各党の公約(マニフェスト)評価も、有権者が自ら政策や政治を考えるために行っているものです。しかし、私たちは今回、そうした主体的な市民の選挙参加、だけでは不十分ではないか、と考えました。
 この国には民意が反映しにくい選挙制度や、課題解決に挑めない政党の仕組み、国民に向かい合わない政党政治など数多くの障害、そしてメディアの役割もあります。こうした民主主義の立て付けやインフラ自体も点検すべき、時期なのです。
 今回、私たちが取り組む、新しい言論の一つに「民主主義」を位置づけたのはそのためです。戦後、私たちは主体的に民主主義の強化に取り組んだことがあったのでしょうか。今がそのタイミングだと私たちは考えます。
 そして、こうした議論を通じて、有権者や市民が、直面する課題を議論し、その解決を直接、政治に迫る、そうした参加の新しいサイクルをこの国に実現したい、と私たちは考えたのです。
 では、日本の民主政治のどこに問題があるのでしょうか。議論はそこから開始します。

「強い民主主義」には、「強い市民社会」の存在が不可欠です。

 市民が自ら社会の課題解決に参加するためには、市民社会の受け皿となる非営利セクター自体が多くの市民に評価され、社会の課題解決に向かう「質の競争」が起きる、ことが大事です。
 言論NPOは、「強い市民社会」の牽引役となるNPOを「エクセレントNPO」として、その評価体系を5年前に開発し、その評価基準に基づいて優れた非営利団体を毎年表彰する「第1回エクセレントNPO大賞」を2012年に設立し、これまで3回実施しています。

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