日本の将来を提言する

「衆議院選挙で各党は日本の課題にどう向かい合っているのか」公明党編

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評価委員と公約を更に深堀りする

石田祝稔:公明党政調会長
聞き手:
湯元健治(日本総研副理事長)
小黒一正(法政大学経済学部教授)
工藤泰志(言論NPO代表)
⇒ 公明党の公約説明
⇒ 代表の工藤が公約に切り込む

 第一部、第二部に続いて、言論NPOの評価にかかわっていただいている湯元健治氏(日本総研副理事長)、小黒一正氏(法政大学経済学部教授)にも加わっていただき、公明党の公約を掘り下げてみたいと思います。

第三部:教育無償化、社会保障の財源をどう考えるのか


工藤:今度は評価委員の方から端的な質問をお願いいたします。

世代間の社会保障財源の配分を、公明党はどう考えるのか

yumo.jpg湯元:安倍総理が今回の選挙の大義として、2%の消費税の引き上げ分の一部を教育無償化に当てるという問題提起をされたと思いますが、ここから三つ、本当に考えていかなくてはいけない課題が浮かび上がって来ていると思います。

 一つは全世代型の社会保障、非常に聞こえが良いのですが、教育というところにもお金をかけることになります。しかし、年金・医療・介護についてもこれからものすごく大変になっていく。この両方の中で、現役世代と高齢者に対して、現役世代をもう少し大事にしましょうということだと思うのですが、さらに財源を集めてきて現役世代への給付を増やすという考え方なのか。それとも、高齢者向け社会保障はまだ効率化する余地があって、効率化によって現役世代を手厚くしようとされるのか。現役世代を重視していくというトレンドは、ヨーロッパなども含めて世界的なトレンドになっているので、考え方としては非常に賛成なのですが、財源配分をどう考えられておられるのかがわからないというのがまず一点です。

 二点目に、消費税の使途変更によって2020年度のPB(プライマリーバランス)黒字化は不可能になっていますし、その先もどうなるのか不透明になっている。消費税は与野党とも10%までの話しかしていませんが、社会保障のことを考えるとその先どうするのかという話がある。公明党のご努力によって軽減税率が入るという形になりますが、軽減税率を入れれば入れるほど税収は少なくなっていきますから、そうすると本来軽減税率がない場合と比べて、消費税の上げ方が大きくならざるを得ないと思います。そういう将来展望をどうのようにお考えになっているのかというのが二つ目です。


本来、無償化に先立つ、教育そのものをどう変えていくかというビジョンは

IMG_2727.jpg 三つ目は、教育無償化という政策が、基本的には人づくり革命につながるし生産性向上につながるというお話があったと思うのですが、ただ単に保育や高等教育を無償化するだけで生産性が上がるという方向につながるのかというのがちょっと分かりにくい。逆にいうと、日本の教育というものをどういうふうに変えていくのかというプランが最初にあって、「それにお金がこれくらいかかるので消費税の税収を使う」というのであれば、順番としては非常に分かりやすいのですが、先に無償化ありきという印象を受けます。特に所得の再配分政策や教育格差の是正をしていかなければいけないというのは大事だと思いますが、社会保障の財源がどこから出てくるのかということを考えると、日本の競争力を強化し、海外で稼ぐ力を強めて、その税収でやっていく。その鍵はやっぱり人材だと思うのですね。

 ということは、教育無償化よりももっと優先されるべき課題というのは、高等教育や社会人になってからの職業教育も含めて、世界の競争力に勝ち抜いていけるグローバル人材だとかイノベーションを引き起こしていく人材だとか、そういった人たちをどういうふうに育成して行くかだと思います。そういうところが今回の各党のマニフェストからはすっぽり抜けており、無償化をどこまでやるかで争っているような感じがあります。それについてどのようにお考えでしょうか。


消費税10%では未来永劫もたない。
  納得できる使い道を示して選挙でお願いするのは当然

石田:大変大事な視点だと思います。一つは、全世代型にするのがどうかという話ですが、我々も公明党は、教育もそうですが福祉も全力でやってきましたので、どちらかというと高齢者に偏っているのではないかという意見はずっとありました。総理が「全世代型」とおっしゃったのは、高齢者を削るという意味では必ずしもないと思いますが、今までどちらかというと偏っていたものを、本来社会保障ということで使うという大前提ですから、社会保障と税の一体改革で年金・医療の他に少子化対策・子育てが入ったというわけです。そこで教育ということを出しているわけです。消費税の使途変更は9月25日に正式に話があり、党としてはあまり時間がなかったのですが、我が党がもともと言ってきた方向性と同じではないかということで、9月26日に我々も了解したわけです。

 社会保障については、税金も大変だけれど、年金とか医療の保険料も高い、ということが言われます。年金については、一応、保険料率18.3%ということにしています。これからまた標準報酬月額が上がれば当然、保険料は上がるが、これから考えていかなければなりません。

 あとは、プライマリーバランスの話で、消費税10%の先の話が全くない。ヨーロッパの話もいろいろ出てきますが、消費税の税率そのもので言えば、日本の10%は必ずしも高いものではありません。そこも含めて、間接税でどう賄っていくかというのは、すぐにどうこうできる問題でもありませんが、逆に未来永劫10%で行くと思っている人も誰もいないと思います。そこで、納税者の納得できる使い道を示しつつ、選挙でお願いする。これは当然のことです。

湯元:少なくとも与党の間では議論だけでも開始しないと、時間だけが経ってしまうということですが、これまでは、議論そのものさえ封印されてきました。

石田:今のところは、10%に上げることは決定しましたが、2度延期しました。現時点では、10%への引き上げを予定通り実行するかどうかというところに収斂しています。与党の間では、大体は予定通り増税をやる。野党の人たちは凍結だとか、反対の人もいるので、まず与党の中で議論をクリアして、そのうえで、将来これで行けるのかという議論をやらなければなりません。

湯元:次の選挙までにということですか?


軽減税率は必ず実行する

石田:2019年ということは、参議院選挙をまたぎますが、参議院選挙のときは、今の社会保障の全体像をどうするのかという問題もあります。それとリンクすると、財源論も当然出て来るので、それをどうするのかというのは避けては通れません。ただ、ここでいつまでにどうしますという結論を出すことはできません。

 あと、軽減税率の話で、制度設計をしたときは、軽減税率による税収減は約9000億という計算でした。その時も、4000億円分の財源は確保ができるという話になりました。残りの5000億~6000億円をどうするかというのは決着がつかず、自民党内からも、無理ではないかという声があった。軽減税率をやれば当然減収があるのはその通りですが、GDPが膨らんで、消費の幅が増えていけば、当然、減収の幅も大きくなります。軽減税率は、約束通りやらなければならないと思っています。

 教育の無償化について、我々は幼児教育については段階的にやっていて、第三子まである家庭については、所得によっては無償化をするとか、徐々に進めてきてはいますので、我々が提案をしてきたこと、総理もそこの重要性は分かっているのだと思います。私は去年、給付型奨学金について総理に提言に行きました。総理は教育に熱心です。ここまで教育に力を入れているとは思わなかったので、いい意味で驚きもあり、今回教育に力を入れることには賛成です。

 あと、日本の科学技術のレベルについて、論文引用数が非常に下がってきています。科学技術の振興について、GDPの4%、20兆円以上を当てるという基本計画があります。あと、やはり大学そのものも変わっていかなければなりません。任期付き採用の教諭が増えてきているので、なかなか落ち着いて研究ができないという話も出てきています。このままいくと、ノーベル賞も取れないのではないかという心配をする人もいます。あと、大学も、民間と一緒に研究をやってもらいたい。民間の大企業は、海外の大学と連携をすることが多いのです。逆に、日本の大学で良い研究をしても、なかなか経済界でいい評価が得られず、結局アメリカで技術が使われてしまいます。これは薬のことで関心を持っているのですが、免疫療法のオプジーボも京都大学の先生が開発したのですが、日本であまり交渉ができなくて、結局外国の企業に売ってしまいました。それを日本企業が買って、メラノーマの治療に使えるということで大きく広がって、去年薬価の問題が出てきました。日本はいろいろな種は持っていますから、産学官でいい意味での連携をもっとしていく必要があります。

工藤:公明党の政策は全般的に需要側、つまり、学ぶ人とか、患者の人たちに焦点を当てています。ただ、今、湯元さんが言ったのは、供給側のことをきちっと考えていく政策も同時に出していかないと、バラマキとは言わないが、需要だけをまかなっていくことは難しいと思うのです。公明党は需要側のしか出さないと決めているわけじゃないのでしょうか。

石田: そんなことはありません。結党以来、野党が長かったので、政府に「こういうことをしろ」と言うのが多かったのは間違いありません。それは一種、神の声を政治に反映するということをやってきました。そうは言っても、与党も長くなっているので、財源についても、需要だけでなく、供給側の論理もしっかりしてくれというのは、それはそのまま真摯に述べていると思いました。

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社会保障の選択と集中、奨学金の受益と負担の枠組み、
   国と地方の関係、についての考えは

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小黒:今の話に関連して、3つほど質問します。社会保障給付費は118兆円くらいになっていますが、10年前は90兆円くらいだったので、10年間で26兆円くらい伸びています。つまり、消費税1%ぐらいのスピードで伸びています。医療・介護給付費だけでは足元で50兆円くらい、2025年には75兆円なので、これは1年ごとに平均すると、2.5兆円くらい伸びることになります。いくつかの学者が推計したりするが、もし、社会保障をかなり効率化しないと、消費税換算にして30%くらいに引き上げないと、財政の持続は可能ではありません。私も全世代型というのは関心がありますが、やはり、税の負担については、負担できる人には負担してもらって、それを本当に困っている人にだけ集中投下する。給付奨学金などはその典型例だと思いますが、そういう形にシステムを変えていかないと、なかなか立ち行かなくなるのではないでしょうか。年金なども、国庫負担に入っているわけですが、カナダのクローバックのように、ある程度年金をもらっている人については、公費の国庫負担の部分を削って、それを低年金の人に入れていくということも必要だと思います。そのような方向感を持っていないのか、というのが一つ目です。

 もう一つは、今の教育と関係しますが、私立高校との関係の話で、大学の場合は無償化すると3.7兆円ぐらい必要で、現実的には、一般の税金でやるのは難しい。あと、大学は中学とか高校と比べると進学率が落ちるのですが、個人が授業料400万円くらい払えば、あとは高卒と大卒で、年収が5000万ぐらい違う。つまり、受益と負担の関係が個人に帰着しています。ただ、裏側で起こっているのは、1997年ごろが典型例だと思いますが、つぶれないと思っていた銀行などの機関がつぶれたり、雇用も二極化したりしてきて、非正規の人も増えているので、その人たちが嫌になっています。そうすると、子供が大学に行くときに、家庭環境が厳しいということもある。今、政府で議論していることは、一般財源を使うと大体3.7兆円ぐらいになると思いますが、例えば、オーストラリアのように、公明党のマニフェストにもある(卒業後の所得と返還額が連動する)所得連動型の奨学金、無利子と有利子の二つがありますが、そこを拡充していくということもあります。今の日本の制度を前提にすると、今の日本学生支援機構の所得連動型奨学金は、財政投融資を使ってやっています。財投は見かけ上国債です。最後にお金を返すときは、奨学金を受けた人が返すので、まさに、受益と負担がマッチングしているので、そのような方向性で考えているのか。聞きたいのは、一般会計のようなところで財源を調達して高等教育の負担軽減を考えているのか、そうではなくて、受益と負担をマッチングして、拡充していくのか、ということです。財投であれば、3.7兆円というのはそんなに大きな額ではありません。そのようなスキームを考えるうえで、どのような議論をしているのか、というのが二点目です。

 次に、国と地方の関係ですが、これは希望の党が道州制のようなものを考えてきています。自民党と公明党では、地方創生という形で、厳しいところの自治体をいろいろな計画を作らせて、どうにかやっていこうということですが、やはり、今の人口動態では、2050年を考えると、人口が半分以上に減ってしまうことになるエリアが6割以上と、非常に厳しい。やはり、今のままの国と地方の関係では難しい。特に、医療とか介護を含めても、人口の規模感があるので、高齢化もあるとすると、厚生労働省も地域医療構想 など頑張っているとは思うが、やはり、国と地方の関係も見直す必要があります。その辺をマニフェストの中に読み取れるか、というのが三点目です。


高所得者の年金受給停止は、制度の根幹にかかわり難しい

石田:社会保障の効率化ですが、2025年に150兆円くらいになる社会保障給付費について、平成29(2017)年度予算としては32兆円くらいになり、何とか伸びを抑えようということで、頑張ってはいます。

 年金については、基礎年金のうち、本人に払われる分の半分は国庫負担です。以前は3分の1でしたが、これは100年安心プランで、国も負担しようということで出しています。この、税金でお金が出ている分については、給料をもらったりしている人についてはカットできるのではないかというのは事実です。これは、出ては消え、出ては消える議論ですが、かたや社会保険方式でやっていますので、掛け金をかけたい人はそのリターンとして、ある一定年齢になったらもらう。一方、在職老齢年金制度によって、仕事がある人については支給をカットするという仕組みにはなっています。社会保険で負担と給付を一対一でやっているところで、たくさん金をもらっているから国庫負担分は削るというのは、制度の根幹にかかわる。わかりやすく、私は良いよ、という人ももちろんいるとは思うが、これを制度として導入すると、やはり制度の根幹にかかわるので、導入できるかは難しい。


奨学金の財源をどう調達するか

 教育について、大学は進学率を考えると、全ての人が行っているわけでもありません。高校は97%進学しています。幼児教育については、必ず通る道です。大学無償化については、去年の党大会で入れようかと思っていましたが、これは党内で理解が得られず、無償化を視野に入れて授業料免除枠を拡大します。今年の予算でも拡大したので、来年の30年度予算でも減免枠を拡大します。私立についても、免除した枠の2分の1しか国が支援していないのですが、3分の2まで国が支援しようではないかと。免除枠の拡大、無利子奨学金の拡大が重要だと思います。大学を全部無償化するのは難しいと思います。あとは、オーストラリアの卒業後に払ってもらうというのは一種の無利子の奨学金で、所得変動型の奨学金も今年から導入したので、今のところは平成33(2021)年の卒業生からになっています。ただ、これも実は大きな課題があって、夫婦で借りている場合もあります。月額1万2000円ぐらいで固定されていると思いますが、奥さんが子どもを産むとき、夫の給料で二人分払わなければなりません。したがって、既卒者にも適用したらどうかと考えている。大学教育については、3.7兆円の財源を今言ったオーストラリア方式で行くのかは、考えなければなりません。

 もう一つ、教育国債の話がにわかに盛り上がっていて、我々も考えようと思っていたら、自民党内で突然機運が下がってしまい、こども保険の話になってきました。こども保険は、いわゆる使用者負担が出るので、議論にはなっていません。

小黒:教育国債の方はどちらかというと、財務省的なイメージをすると、一般財源で返済をしていくというイメージで、しかも返済の原資が分からない。したがって、将来世代に負担を先送りするというリスクを考えるとなかなか難しいということになりますが、財投でやると考えると、今、財投機関でやっている奨学金は国債を発行しています。ただ、事実上その裏側には負債もありますが、債権もあって、政府の純債務で見れば、焦げ付いたりすれば別ですが膨らみません。発想は全然違います。オーストラリアも事実上、無利子奨学金の所得連動型と、あと有利子の2種類あって、全体の学生数の8割ぐらいカバーされている一方で、無利子については3~4割と言われていますので、無利子の分は相当絞ってやっているということです。

石田:総理も年内に制度設計をすると言っていて、2兆円ほど増加させると言っていますが、大学の2兆円全てを増税でまかなうわけでもないということです。そことは別に、総理も「保険や国債などもあります」という言い方で終わっている。総理も財投を考えているかもしれません。

小黒:従来型の奨学金は、政党によって感覚が違うと思いますが、例えば住宅ローンで言うと借りたものを均等に返済しなければいけません。しかし、所得連動型であれば、所得が300万円ぐらいであれば、2000円だけ返せばいい。あとは、所得連動で9~10%取っていけばよい。後は返済し終わればおしまいで、かなり負担が軽くなります。発想が違うと思います。時代の流れには合っています。

石田:そのあたりは、奨学金の議論をし出したときに我々も勉強不足だったが、オーストラリアでこのような制度があるということを初めて聞きました。もう一つ、話はずれますが、アメリカの大統領選で、クリントンさんが州立大学の授業料を無償化するということを言った。それを聞いて、クリントンさんもこんなことを考えているのか、ということを思いました。アメリカも授業料は高いですから。

 最後の国と地方の問題について、これは、憲法には地方自治の本旨のようなことしか書かれていなくて、国と地方の関係をどうするのか、その本旨という言葉だけでは分からない部分もあります。憲法改正をしたいというわけではありませんが、もう少し明確にした方がいいと思います。


首相が説明を果たしていれば加計問題は起こらなかった

IMG_2740.jpg工藤:私から、皆さんが関心を持っていることを二つ聞かせてもらいます。一つは、加計と森友の問題について、公明党は何が問題だと思っているのでしょうか。内閣人事局も含めて、首相官邸の権力が強まっています。それが結果的に、総理がやらなくても忖度するような関係を作り出しているのが問題なのか。であれば、公務員制度改革を含めた議論が出て来てもおかしくない。個人の問題なのか、姿勢なのか、政権が長期化することで、それらに鈍感になっているのか、どう思いますか。

石田:私は農林水産副大臣をやっていましたが、7年前の口蹄疫のときに思ったのは、獣医師の数が足りないということです。結局、口蹄疫のときは、牛と豚を合わせて30万頭殺処分しました。ワクチンを打って、擬似患畜にして、うつさないようにしたましたが、出荷できない。全部殺処分しました。そうすると、やはり、産業動物の獣医師は、足りているという人もいるが、足りていないのは間違いありません。これは人間の医者と同じで、ソースは足りているが、偏在しているということです。そこで、西日本に大学が少ないのは事実だし、政策的には重要です。

工藤:政策的には大事だとしたら、何がダメなのですか。

石田:「友達だからダメだ」といったら逆に差別という気もしますが、最初のときに、これは大事な課題だということを敏感に反応して説明のスタートをすれば、今振り返ればよかったのだと思います。ただ、この問題には、お金のやり取りが出てきません。通常は、贈賄だ、収賄だということが出てきますが、今回はその話がありません。総理の友達だから、忖度して、行政が歪められたのではないのかと。議論して結論は出ませんが、私はやはり、総理は丁寧に説明しているのかと、そういう姿勢を見ているのだと思います。そこは、国民の目から見ると不十分ではないか。これは、行政のあり方として、公文書管理も含めて説明責任を果たすということも踏まえて、どちらが政権取るか分からないが、次の国会で大いに議論したほうがいいと思います。

工藤:最後に、憲法でも主権が国民にあるとなると、選挙は国民にとって非常に重要な政治参加の機会です。言論NPOはマニフェストの作り方を13年間評価してきましたが、言いたいことは、ある意味で願望というかスローガン的には分かるのですが、国民に痛いことも含めて説明していない、ということです。財源の問題とか、2025年問題とか、なぜそこで競わないのか。このように、選挙のときだけ甘い言葉でやってしまうと、国民が政党から離れてしまう危険性がある。特に、我々の世論調査では、政党と国会への支持が非常に低い。つまり、国民は政治に課題解決を期待できないと思っている。そこの辺りはどうですか。

石田: 今回は政権選択選挙とか言われているが、今回は政策選択選挙にしてほしい。今回、衆議院選挙で初めて18歳以上の人が投票しますが、全体的に投票率を心配しています。あと、前回の選挙から約2年10ヵ月の実績について我々も説明はしますが、今日のような機会に、例えば1年経ってどうなったかという途中経過の評価もすると、よりわかりやすくなると思います。

工藤:国民が課題解決を託せるような政治を我々は期待している。

石田:最後に、マニフェストが出たときに、国民は非常に期待をします。公約が文書に明示されて、政治が変わるなという期待を持つと思うので、マニフェストが国民と政治家をつなぐ大切なものであるということを肝に銘じていきたいと思います。

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