世界の課題に挑む

「東京会議2019」の評価と、来年の会議に向けて何が必要か

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グローバルな利益を享受しながら、責任や負担を負わないで世界を維持できるのか、そうした大きな課題を議論する一歩になった

_DZB1369.jpgジェームス・リンゼイ
(アメリカ/外交問題評議会(CFR)バイスプレジデント)


工藤:今回、「東京会議」に来ていただいてありがとうございました。今回の「東京会議」を厳しく採点してもらいたいのですが、いかがでしょうか。

リンゼイ:まず、ご招待いただきありがとうございました。東京を訪問できて、また「東京会議」に参加できて非常にうれしく思います。

 今回の会議では刺激的なディスカッションができたと思っています。将来の世界の秩序の進化についていろいろと議論できたと思います。とりわけ、米中の対立、貿易問題というのは、大事なテーマでこれだけ素晴らしいエキスパートや、日本の高官を招待できたことは、工藤さんのご尽力、ご人脈の賜物だと思っています。

工藤:リンゼイさんとワシントンとお会いした時の話が、今回の議論の設計をする際に非常に重要でした。アメリカで良識を持った人たちの議論をベースにしたからこそ、今回の会議で適切なアジェンダ設定ができたと思っています。

 今回、非常に大きなテーマ、これからの世界にとっても大きな影響を与えるであろうテーマにチャレンジしたのですが、リンゼイさんから見て会議の内容についてはどのような評価でしょうか。スタートとしてよかったのか。もっとこういう風な議論をした方がよかったなどいかがでしょうか。

リンゼイ:2つあります。今回の会議から私が学んだこととして、世界秩序の進化、今後、どのように進んでいくのか、という点について、だいぶ前から議論されてきたことですが、やらなければいけないことがあって、それをやらなければいけないことは分かっていても、必ずしもそれに着手できない場合がある。それが、世界秩序にも影響してくるということだと思います。将来的に、私たちが注目しなければいけないテーマとして、この秩序によって最大の恩恵を享受するのは誰なのか。そして、それを活性化することによって、誰が恩恵を享受するのか。アメリカだけではなくて、日本が果たす役割、ヨーロッパ諸国の果たすべき役割もそうですし、インドやブラジル、シンガポールなどの国も同じです。誰が立ち上がってやるべきことをやるのか。そして、この秩序に安定をもたらすのか、ということを議論していく必要があると思います。

工藤:実は私たちが「ショック」という言葉を使ったのは、新しいバージョンの国際秩序に変えるチャンスだ、という考え方です。ただ、この秩序というのはただ単にアメリカに打製で依存するのではなくで、国際的な公共財についての、主要国の責任を考えるきっかけにしなければいけないと考えるきっかけにしなければいけないと思っています。

 最終的には議論の大きな変化に立ったと思います。そういうことを意識して議論を設計したのですが、そこまで一気にいってしまうと、軍事的な負担をどうするか、という話になってくるので、日本も国内的には非常に大変です。ただ、国際的なグローバルな利益を多くの人たちが享受しながら負担をしない、責任を負わないという形で世界が維持できるのか、という大きな課題を突き付けていると思っています。今回の議論を通じて、そういう議論に一歩踏み込めたかなと感じています。こうした議論が今後、必要だということでしょうか。

リンゼイ:その通りだと思います。日本の安倍首相には賛辞を送りたいと思います。安倍首相は、他の指導者が気が付く前から、日本が、そしてその他の国々がもっとやるべきだとことに気が付いたのだと思います。安倍首相には国内政治の問題があると思いますが、それでもトランプ大統領と何とか協力しようと努力しているわけですし、日本は東アジア、東南アジア、南アジア等の国々にも手を差し伸べ、協力、協調しようという姿勢を示しているわけですから、こういった様々な問題に対処しようとしているわけです。どの国の首相であっても、他にもやるべきことはあるとしても、それにあえて着手したというのはよかったと思います。

工藤:今回は官邸とも議論の機会を多く持ちました。ただ、民間レベルでもそうした方向に一緒に動かなければいけないな、と思っています。

 来年の「東京会議」は、世界が大きく変わろうとしている中で、我々には基本原則があって、「東京会議」は、自由や解放、ルールや民主主義というものを何とか守る側に、日本は今後も経ち続けるしかないし、そういう形でしか、世界の安定的な発展はないと思っています。この「東京会議」を来年に、よりバージョンアップさせるために何かアドバイスはありますか。

リンゼイ:今まで素晴らしい会議をされてきたと思いますし、私も大変感銘を受けています。質の高い参加者を集め、素晴らしい対話ができていると思いますので、ぜひそれを継続していただきたいと思います。

工藤:ありがとうございました。

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