言論外交の挑戦

「新しい民間外交イニシアティブ実行委員会」発足 記者会見 報告

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 緊張が続く日中、日韓関係など東アジア地域の紛争回避などの課題解決を目指し、言論NPO(工藤泰志代表)はこのほど民間主体で外交推進に取り組む「新しい民間外交イニシアティブ」を発足させ、12月4日、東京・日本プレスセンターで記者会見を行いました。

 会見には、「新しい民間外交イニシアティブ実行委員会」の実行委員長を務める明石康氏(国際文化会館理事長、元国連事務次長)、発足メンバーの宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表、元駐中国大使)、藤崎一郎氏(上智大学特別招聘教授、前駐米大使)、川口順子氏(明治大学特任教授、元外相)、小倉和夫氏(国際交流基金顧問)、工藤代表の6名が出席しました。

工藤泰志 会見の冒頭で工藤は、「東アジアの外交課題の解決を目指し、政府間外交の機能改善を後押しできるよう、『当事者性』をもった有識者リーダーによる民間外交の推進体制を強化していく」と、この新しい取り組みの目的を説明。その上で、「東京―北京フォーラム」、「日韓未来対話」など、これまで言論NPOが実践してきた民間対話による「言論外交」をさらに推し進め、東アジア情勢の危機を打開し、新たな秩序作りに取り組んでいくことへ強い意欲を示しました。

明石康氏(国際文化会館理事長、元国連事務次長) 続いて、明石氏は、「民主主義社会においては、外交についても国民のひとり一人がじっくり考えないと、情緒的なナショナリズムに流されてしまう危険がある」と警鐘を鳴らし、それを避けるために「国民が多彩なオピニオンに触れて、外交のオプションを冷静に考えられる環境を整える必要がある」と述べ、その基盤となる「新しい民間外交イニシアティブ」の意義を強調しました。

宮本雄二氏(元駐中国特命全権大使) 宮本氏は、「外交においても、多くの国で国内世論が政府の意思決定プロセスに強い影響を与えるようになってきている」と、自身の外交官経験を踏まえながら外交のあり方についての大きな変化を指摘しました。その上で、「新しい民間外交イニシアティブ」は「国内世論に新たな視点を提示し、選択の幅を広げるものである」とこの取り組みの重要性をアピールしました。

川口順子氏(明治大学特任教授、元外相) 川口氏は、様々な国際的対話に参加してきた経験を踏まえて、「アメリカの外交問題評議会、イギリスの国際戦略研究所など民間レベルで外交を議論できる枠組みが日本にもあるべき」と述べ、この「新しい民間外交イニシアティブ」が一人でも多くの国民が世界と対話していく契機となるよう、期待を寄せました。川口氏は、「この取り組みはすぐに成果が出るものではない。時間をかけて少しずつ前進させる必要がある」と述べ、長期的な視座を持って取り組むことの必要性を強調しました。

藤崎一郎氏(上智大学特別招聘教授、前駐米大使) 藤崎氏は、「民間外交は外交の主役ではなく、政府間外交を補完するものであるが、民間外交が機能すれば政府間外交も機能するようになる」と述べ、「政府間外交が難局にあるからこそ、『新しい民間外交イニシアティブ』が果たす役割は大きい」と語りました。

小倉和夫氏(国際交流基金顧問) 小倉氏は、相手国との対話の前提として、まず国内でしっかりと議論を形成していく「新しい民間外交イニシアティブ」は、国民一人一人が自分を顧みる契機、すなわち「『自分との対話』につながるものである」と述べ、他の様々な民間外交の取り組みと異なるユニークさを指摘。同時に小倉氏は、どのような意見の相違があっても議論をオープンにしていくことで、国民各自が「自分との対話」をしていくきっかけを作ることへの抱負を語りました。

 国内外のメディアとの質疑応答を経て、記者会見は終了しましたが、奇しくも政府の外交・安全保障政策の新たな司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)が発足した同日、「新しい民間外交イニシアティブ」はスタートしました。言論NPOは、これまでの「日中」、「日韓」などの二国間対話をさらに推し進めると同時に、「日米中韓」などマルチ民間対話の場の常設化や、国際社会の課題への日本の主張発信など、今後、総合的・戦略的な民間外交を進め、東シナ海における緊張緩和などの課題解決に取り組んでいきます。今後の「新しい民間外交イニシアティブ」の活動にご注目下さい。

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政府間外交が十分な機能を発揮しないなかで、言論NPOは、中国や韓国との間で民間レベルでの二国間対話を毎年実施するとともに、米国などを巻き込んだ多国間の民間対話を実現しています。

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