言論外交の挑戦

第2回日韓共同世論調査 日韓世論比較分析結果

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特定非営利活動法人 言論NPO ・ 東アジア研究院特定非営利活動法人 言論NPO ・ 東アジア研究院

【調査協力】
日本:世論総合研究所 韓国:Hankookリサーチ 
/ 2014年7月

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目次

  • 相手国に対する印象・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
  •     日韓両国民の相手国に対する印象
        相手国に対する印象の理由
        この一年間の相手国に対する印象の変化
        両国間の国民感情の現状に対する問題意識
  • 相手国に対する基礎的理解・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
  •     基礎理解の現状
        相手国の「社会・政治体制」の認識
        相手国の国民性をどう見ているか 
  • 日韓関係の現在と将来に対する認識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
  •     現在と今後の日韓関係をどう見ているか
        日韓関係の発展を妨げるものとは
        日韓関係の重要性をどう見ているか
        中国と比較した場合の日韓関係の「重要性」と「親近感」
  • 政府間外交と民間交流・・・・・・・・・・・・・・・・・4
  •     政府間外交は機能しているのか
        日韓首脳会談の必要性と議論テーマについて
        相手国首脳に対する印象
        相手国への訪問についての認識
        民間交流に関する日韓の世論の意識
  • 日韓両国の歴史問題に関する認識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
  •     歴史問題に関する日韓両国民の認識
        首相の靖国神社参拝問題
  • 両国のメディア報道・インターネット世論の評価・・・・・・・・・・・・8
  •     相手国に報道や言論の自由は保障されているのか
        国民感情とメディア報道
        自国のメディア報道は客観的で公平か
        インターネット上の世論は適切な民意なのか
  • 両国民の相互理解の背景・・・・・・・・9
  •     日韓両国民の直接交流の度合い
        相手国の情報への関心度や情報源


調査の概要


 日本の非営利組織である言論NPOと韓国のシンクタンクであるEAI(東アジア研究院)は、日韓の両国民を対象とした共同世論調査を2014年5月から6月にかけて実施した。この調査の目的は、日韓両国民の相手国に対する理解や認識の状況やその変化を継続的に把握することで、両国民の間に存在する様々な認識ギャップの解消や相互理解の促進に貢献することにある。

 この調査結果は、両団体が日韓両国の関係改善を目的として昨年創設した日韓の民間対話(「日韓未来対話」)の場でも報告され、対話と連動する形でこの調査が使われることになる。
日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に5月31日から6月22日まで訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000である。回答者の最終学歴は小中学校卒が12.4%、高校卒が48.4%、短大・高専卒が19.3%、大学卒が17.3%、大学院卒が1.2%だった。

 これに対して韓国側の世論調査は、韓国全国の19歳以上の男女を対象に6月10日から6月26日まで調査員による対面式聴取法により実施された。有効回収標本数は1004であり、回答者の最終学歴は小学校以下が8.9%、中学校卒が7.3%、高校卒が34.4%、大学在学・中退(専門大学を含む)が15.2%、大学卒が31.8%、大学院卒が2.5%だった。

 なお、この世論調査と別に、言論NPO及び東アジア研究院は日韓の有識者へのアンケート調査を6月上旬から下旬にかけて両国国内で実施した。日本側は、過去に言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の有識者など約6000人に世論調査と同じ質問状を送付し、うち633人から回答をいただいた。韓国側は、約5000人の有識者に世論調査から抜粋した全25問のアンケートをメールで送付し、うち424人から回答を得た。これらの回答者は日本及び韓国社会の平均的なインテリ層の姿を表していると考えられ、日韓の世論の調査結果を比較することで、一般的な日本人・韓国人の認識に補完しようと考えた。



1-1.日韓両国民の相手国に対する印象

 日本人の韓国に対する印象はさらに悪化、韓国人の日本に対する印象はわずかに改善するが、依然7割がマイナスの印象

 韓国に対する印象を「良い」「どちらかといえば良い」と回答する日本人は20.5%と2割にとどまる一方で、「良くない」「どちらかといえば良くない」との回答は54.4%と半数を超え、昨年の37.3%よりさらに17.1ポイント悪化した。一方、日本に対する印象を「良い」「どちらかといえば良い」と回答した韓国人は昨年よりも増加したが、17.5%と2割に届かなかった。「良くない」「どちらかいえばよくない」との回答は70.9%と昨年に比べ5.7ポイント改善したものの、依然として7割が日本に対してマイナスの印象を持っている。


【図表1 相手国に対する印象】

図表1 相手国に対する印象


1-2.相手国に対する印象の理由


 両国民ともに「歴史問題」と「領土問題」がお互いの印象に悪影響

 韓国人が日本にマイナスの印象を持つ理由は「歴史認識問題」、「領土問題」がそれぞれ7割を超え、他の理由を圧倒している。「日本の政治指導者の言動に好感を持てない」も2割を超えている。これに対して日本人は、「歴史問題などで日本を批判するから」の回答が73.9%で昨年の55.8%から大幅に増加した。それに対し、プラスの印象を持つ理由として、日本人は「韓国のドラマや音楽などへの関心」を挙げる人が59.0%と最も多く、韓国では「日本人は親切で、真面目だから」と「生活レベルの高い先進国」が半数を超えている。「同じ民主主義の国だから」はそれぞれ2割に満たず、お互い「良い印象」に繋がっていない。
【図表2 良くない印象を持っている理由】

図表2 良くない印象を持っている理由


1-3.この一年間の相手国に対する印象の変化

 日本人の5割以上、韓国人の4割以上が相手国に対する印象が「悪化した」と回答

 この一年間の相手国の印象について、昨年よりも「悪くなった」(「非常に」と、「どちからかといえば」の合計)と感じる日本人は合わせて52.6%と昨年より13ポイント増加した。韓国人で「悪くなった」(同)と感じている人は、46.7%と半数程度おり、昨年と同じ水準である。これに対して、日韓ともに「特に変化していない」がそれぞれ42.6%(昨年は52.9%)、50.1%(同49.7%)と半数程度あり、改善の傾向は見られない。


【図表3 この一年の印象の変化】

図表3 この一年の印象の変化


1-4.両国間の国民感情の現状に対する問題意識

 日本人の6割、韓国人の約7割が悪化する国民感情を「望ましくない」、「問題だ」と認識

 日本人の29.8%と3割近くが、両国民間の国民感情の状況を「望ましくない状況で心配している」と考えており、さらに「問題であり、改善する必要がある」という回答も31.4%と3割を超えている。これに対して韓国人は、「望ましくない状況で心配している」は23.3%と2割程度だが、「問題であり、改善する必要がある」と考える人は46.4%と半数近くに及び、合計すると69.7%と7割が現状の国民感情を問題視している。この状況を「当然」だと考える人は、日本と韓国でそれぞれ2割程度である。


【図表4 現状に対する認識】

図表4 現状に対する認識


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2.相手国に対する印象


2-1.基礎理解の現状

日本人は韓国を文化や近年の出来事から、韓国人は日本を領土問題や歴史から見る

 相手国について「思い浮かべるもの」では日本人は「韓国料理」(46.0%)や「韓流ドラマ、K-POP」(36.3%)、セウォル号の沈没(38.2%)など関心が幅広い。「竹島問題」(36.7%)や「従軍慰安婦」(31.0%)も多いがそれだけに関心が集中していない。これに対して韓国人は「独島問題」(66.5%)や「従軍慰安婦問題」(55.8%)が突出しており、続くのも「政治家の不適切発言」の24.3%、「安倍晋三首相」の19.7%など関心が日韓対立に寄っている。日本料理、高品質の工業品、富士山、桜、マンガ・アニメなどを挙げる韓国人はいずれも1割程度である。
 「知っている日本・韓国の歴史上の出来事や事件」を尋ねた設問では、日本人で最も多いのが「ソウル五輪」の67.0%で、これに「日韓ワールドカップ」の63.0%が続いている。一方、韓国人では、豊臣秀吉が当時の朝鮮に侵攻した「壬辰倭乱(文禄・慶長の役)」が86.3%と最多で、「広島・長崎への原爆投下」「韓日強制併合」と続き、第二次世界大戦時の出来事が上位を占める。「韓日強制併合」は昨年より14ポイント増加した。
 「知っている日本・韓国の政治家」は、日本人では「朴槿惠」が昨年の51.9%から大きく伸びて79.8%で最多、韓国では「安倍晋三」が昨年調査から23.1ポイント増加し、89.3%で最多となった。日本人は歴代の韓国大統領をより多く知っているのに対して、韓国人は「小泉純一郎」(55.9%)を除けば、他の日本の首相を知っているのは1割程度しかいない。

【図表5 知っている相手国の政治家】

図表5 知っている相手国の政治家


2-2.相手国の「社会・政治体制」の認識

韓国人の半数が現在の日本は「軍国主義」、日本人は現在の韓国は「民族主義」が最多

「相手国の現在の社会・政治体制」について、日本人は韓国を「民族主義」と考えている人が44.8%と一番多く、次いで「国家主義」が32.4%。韓国を「民主主義」と選択した日本人は21.5%である。これに対して、韓国人も、現在の日本を「軍国主義」とする見方が53.1%と半数を超えており、昨年よりも増加した。次いで「国家主義」が35.7%となり、「民主主義」は24.9%にとどまった。日本が戦後世界に標榜してきた「平和主義」は5.3%、「国際協調主義」は3.9%と1割にも届かなかった。
     

【図表6 相手国の社会・政治体制のあり方に関して】

図表5 相手国の社会・政治体制のあり方に関して


2-3.相手国の国民性をどう見ているか

日本人の韓国人観は「頑固」であるが、「勤勉、利己主義、好戦的、信用できない」、韓国人の日本人観は「勤勉で、親切、創造的」だが「利己主義」

 相手国の国民性について、日本人は10の質問項目のうち9項目で「どちらともいえない」が最も多い回答になっており、韓国人の国民性についてはっきり判断できていない。残りの一項目は「頑固」という項目で、51.9%の日本人が韓国人は「頑固」(「非常に」と「やや」の合計。以下同様)であると認識している。この他、4割以上の日本人が韓国人を、「利己主義」(44.7%、同)、「勤勉」(42.9%、同)、「好戦的」(41.3%、同)、「信用できない」(41.1%、同)ととらえている。一方、7割を超える韓国人は日本人を「勤勉」(75.6%、同)、「親切」(70.4%、同)と見ており、4割を超える韓国人は日本人を、「利己主義」(48.9%、同)、「創造的」(42.1%、同)と感じている。
  


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3.日韓関係の現在と将来に対する認識

3-1.現在と今後の日韓関係をどう見ているか

日韓関係が悪いと考える日本人は昨年より18.7ポイント、韓国人は10.4ポイント増加

 現在の日韓関係について、「良い」と見ている日本人(「非常に」「とどちからかといえば」の合計、以下同)はわずか5.0%(昨年は11.3%)。逆に、「悪い」は73.8%(同)となり、昨年の55.1%から18.7ポイント増加している。韓国人の場合も「良い」は、2.3%(昨年は3.4%、同)だが、「悪い」(同)は、昨年の67.4%から77.8%へと増加している。  この一年間で日韓関係について、「悪くなった」とする日本人は(「非常に」「どちらかといえば」の合計、以下同)68.1%と7割近い。同じく、韓国人でも「悪くなった」(同)と考える人は63.2%(昨年は53.9%)と6割を超えた。  また今後の日韓関係については、現状の厳しいまま「変わらない」と見る人は韓国人で4割近く、日本人でも3割を超えており、両国で多数を占めた。さらに、韓国では4割近い人が「さらに悪くなる」と見ており、昨年より12.8ポイント増加した。
【図表7 現在の日韓関係をどう思うか】

図表7 現在の日韓関係をどう思うか

【図表8 今後の日韓関係】

図表8 今後の日韓関係


3-2.日韓関係の発展を妨げるものとは


両国ともに多いのは、「竹島・独島問題」だが、日本では「韓国国民の反日感情」も
 日韓関係の発展を妨げるものとして、両国民ともに最も多いのは、「竹島・独島問題」であり、日本人の68.9%(昨年は83.7%)、韓国人の92.2%(同94.6%)が選択している。日本人で2番目に多いのは「韓国国民の反日感情」で46.6%(同55.1%)と半数近くに及んでおり、「韓国の歴史認識と歴史教育」が40.0%(同33.8%)で続いている。韓国で2番目に多かったのは、「日本の歴史認識と歴史教育」で52.2%(同61.1%)と半数を超えている。

【図表9 両国民が考える日韓関係の発展を妨げるもの】

図表9 両国民が考える日韓関係の発展を妨げるもの


3-3.日韓関係の重要性をどう見ているか


それでも日韓関係が「重要である」と考える日本人は6割、韓国人は7割を超える
 日韓関係を「重要である」(「どちらかといえば重要」を含む、以下同様)と考える日本人は60.0%、韓国人も73.4%と両国民ともに最も多い。しかし、日本人は昨年の74.0%から14ポイントも減少している。これに対して「重要ではない」との回答は、「どちらかといえば重要」を含めても、日本人の10.0%、韓国人の6.7%しかない。
 「重要である」理由については、日本人は「隣国同士だから」が60.3%で最多である。これに「お互いが米国と同盟関係を持っており、北東アジアの平和安定に向けた協力のために不可欠な存在だから」(45.5%)、「同じアジアの国として歴史的にも文化的にも深い関係を持っているから」(42.2%)が続いた。韓国人でも、「隣国同士だから」が60.4%で最多となり、「お互いが米国と同盟関係を持っており、北東アジアの平和安定に向けた協力のために不可欠な存在だから」(45.0%)、「経済や産業の面で相互依存関係を強めており、多くの共通利益があるから」(42.9%)と続いている。

【図表10 日韓関係は現在重要か】

図表10 日韓関係は現在重要か


3-4.中国と比較した場合の日韓関係の「重要性」と「親近感」

 韓国人は、日本よりも中国に親近感を覚え、「対中関係がより重要」とする人が多い

 日韓(韓日)関係と日中(韓中)関係はどちらが重要か、について、日本人では47.0%(昨年は49.6%)、韓国人でも47.0%(同55.0%)と半数近くが「どちらも同程度に重要である」と最多となっている。ただ、韓国人では「対中関係がより重要」という回答が43.8%と迫っており、昨年の35.8%から上昇した。  また、相手国と中国に対する親近感について、日本人の場合、「韓国により親近感を感じる」と回答する人が37.2%と最も多いが、昨年の45.5%から減少した。日本人で次に多いのは、「どちらにも親近感を感じない」の31.8%。これに対し、韓国人は「日本により親近感を感じる」との回答は12.3%(同13.5%)しかなく、「中国により親近感を感じる」人は38.8%(同36.2%)と最も多くなり、4割に迫っている。
【図表11 日韓(韓日)関係と対中国関係の重要性】

図表11 日韓(韓日)関係と対中国関係の重要性

【図表12 相手国と中国に対する親近感】

図表12 相手国と中国に対する親近感


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4.政府間外交と民間交流


4-1.政府間外交は機能しているのか

日韓間の政府間外交、日本人では5割以上、韓国人では4割が「機能していない」

 現在、日韓両国間で政府間外交が機能しているのか、その評価を尋ねたところ、日本では「有効に機能していない」(「どちらかといえば」を含む)との評価が54.8%と5割を超え、韓国でも「有効に機能していない」(「どちらかといえば」を含む)が38.7%で最多となった。
  
【図表13 政府間外交は有効に機能しているのか】

図表13 政府間外交は有効に機能しているのか


4-2.日韓首脳会談の必要性と議論テーマについて

 両国民ともに8割程度が首脳会談を必要だと考えているが、韓国では7割が「必要だが急ぐ必要はない」と答えている

 日本と韓国の間の首脳会談に関しては、両国民ともに8割程度が必要だと考えているが、その時期に関しては「急ぐ必要はない」が日本人で40.5%、韓国人は72.4%と最多となった。「必要ではない」が両国民ともに1割を切っている。  また首脳会談で議論すべき課題について、日本人では「両国の関係改善に向けた広範な話し合い」との回答が35.6%で最多となったが、韓国人では「歴史認識問題と従軍慰安婦問題」が76.3%で最多となり、これに「独島問題」が70.3%で続き、ここでも「歴史」と「領土」の問題の解決を重視する姿勢が浮き彫りになった。
【図表14 首脳会談の必要性】

図表14 首脳会談の必要性


4-3.相手国首脳に対する印象

 両国民ともに相手国の首脳に対して「悪い印象」が最も多く、韓国人の安倍首相への「悪い印象」は7割を超えた

 相手国の首脳に対する印象では、朴大統領に対して「大変悪い印象」「どちらかといえば悪い印象」と回答した日本人は45.3%で、「大変良い印象」「どちらかといえば良い印象」との回答は7.0%にとどまった。一方、韓国人では、安倍首相に対して「大変悪い印象」「どちらかといえば悪い印象」との回答は75.9%と7割を超え、「大変良い印象」「どちらかといえば良い印象」に至っては1.8%にすぎなかった。
【図表15 相手国首脳に対する印象】

図表15 相手国首脳に対する印象


4-4.相手国への訪問についての認識

 相手国に行きたい日本人は4割、韓国人は6割を超えている

 相手国に「行きたい」と回答した日本人は41.6%(昨年は47.7%)、韓国人は60.9%(同58.0%)となり、日韓ともに相手国への訪問に興味を示している。ただ、「行きたくない」という回答も、日本人の37.3%(同33.9%)、韓国人では30.9%(同29.5%)と双方に3割程度存在している。
【図表16 相手国へ行きたいか】

図表


4-5.民間交流に関する日韓の世論の意識

日本人、韓国人の7割以上が「民間レベルでの交流は重要」である認識

 日韓の民間交流について、「重要である」(「どちらかといえば重要」も含む)という認識が日本では70.5%(昨年は74.7%)、韓国では72.1%(同75.2%)と7割以上となっており、民間交流の重要性に関しての認識は両者ともに高い。
 
【図表17 民間交流の重要性】

図表17 民間交流の重要性


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5.日韓両国の歴史問題に関する認識

5-1.歴史問題に関する日韓両国民の認識

 日韓両国ともに歴史認識問題の解決を困難視する見方が増加しており、韓国では「歴史認識問題が解決しなければ、両国関係は発展しない」という見方が最も多い

 歴史問題の解決について、日本では「両国関係が発展しても、歴史認識問題を解決することは困難」が34.7%(昨年は32.1%)と最も多く、「両国関係が発展するにつれ、歴史認識問題は徐々に解決する」と楽観視する見方が20.0%(同23.6%)と減少している。韓国では「歴史認識問題が解決しなければ、両国関係は発展しない」が41.1%(同41.5%)と最も多い。「両国関係が発展するにつれ、歴史認識問題は徐々に解決する」という回答は23.3%と2割程度である。 解決すべき歴史問題では、日本人は「韓国の反日教育や教科書の内容」との回答が56.1%(同54.8%)で最多となり、これに「日本との歴史問題に対する韓国人の過剰な反日行動」が54.4%(同55.2%)で並んでいる。  これに対して、韓国人は「日本の歴史教科書問題」との回答が81.9%(同72.4%)で最も多く、次いで「日本人の従軍慰安婦に対する認識」が71.6%と昨年の42.0%から増加、「侵略戦争に対する日本の認識」も70.6%(同51.1%)と増えている。 ただ、韓国では「韓国の反日教育や教科書の内容」が昨年の7.5%から27.2%へ、「韓国の政治家の日本に対する発言」が昨年の4.0%から16.4%へ、「日本との歴史問題に対する韓国人の過剰な反日行動」が昨年の3.6%から16.0%へ、それぞれ増加が見られるなど自国側の要因を挙げる人も増えている。
 
【図表18 日韓関係と歴史問題】

図表18 日韓関係と歴史問題


【図表19 日韓の歴史問題で解決すべき問題】

図表19 日韓の歴史問題で解決すべき問題


5-2.首相の靖国神社参拝問題

 首相の靖国参拝について、日本人の約7割が容認するが、韓国人の約7割は反対する

 首相の靖国神社参拝について日本人は、「参拝しても構わない」と容認する人が43.0%(昨年は47.8%)と4割を超えている。これに「私人としての立場なら、参拝しても構わない」の24.9%(同27.4%)を合わせると67.9%と7割近い日本人が参拝を容認していることになる。  しかし、韓国人の66.5%(同60.0%)が「公私ともに参拝すべきではない」と回答。「参拝しても構わない」の3.1%(同5.2%)と、「私人としての立場なら、参拝しても構わない」の21.8%(同34.4%)を合わせても容認は3割に満たない。

 まず、相手国に「行きたい」と回答した日本人は47.7%、韓国人は58.0%と、両国民の約半数が相手国への訪問に興味を示している。ただ、日本人の33.9%、韓国人で29.5%とお互いに3割程度が、「行きたくない」と答えている。

【図表20 日本の首相の靖国参拝問題】

図表20 日本の首相の靖国参拝問題


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6.世界・アジアや日韓両国の将来に関する両国民の意識

6-1.世界をリードする国・地域

 世界政治をリードする国は、日本では「米国」が最多、韓国では「米国」と「中国」

 「これからの世界政治をリードしていく国や地域はどこか」について、日本人の47.7%(昨年は51.3%)が「米国」を選んでおり、最も多い。「G8、あるいはG7」も38.3%(同24.7%)で続いているが、「中国」は14.8%(同18.7%)しか選んでいない。一方、韓国人では、昨年調査で74.8%で最多であった「米国」が、今年は81.2%と増加したものの、昨年は71.7%で2位だった「中国」が81.9%とさらに増加して、最多となっている。
【図表21 これからの世界政治をリードしていく国や地域】

図表21 これからの世界政治をリードしていく国や地域


6-2.2030年の相手国の影響力について

 将来の相手国の影響力について、日本側「よくわからない」が最多

 日本人は、韓国の2030年の影響力について「よくわからない」との見方が40.8%(昨年は32.8%)と最も多く、「中程度だが影響力の強い国」が18.5%で続いている。一方、韓国人は、2030年の日本を「中程度だが影響力の非常に強い国」との回答が29.6%(同29.6%)で最多となり、昨年調査で最多だった「世界第3位の経済大国のまま」が19.3%に後退し、昨年より14.8ポイントの減少となった。


6-3.日韓の経済関係

 相手国の経済発展は自国にもメリットである、という認識が両国ともに最多

 日韓間の経済関係について、「日本にとって韓国の経済発展はメリットであり、必要である」(「どちらかといえば」を含む、以下同様)との見方を持つ日本人は42.8%(昨年は45.0%)となり、昨年同様、韓国の経済発展は日本にとってもメリットとの認識が多い。  韓国人では、昨年度の調査では「韓国にとって日本の経済発展は脅威である」(「どちらかといえば」を含む)との見方が半数近い47.6%で最も多かったが、今年の調査では、「メリット」との回答が43.3%で、「脅威」の37.5%を逆転し、韓国人も日本の経済発展が韓国にもメリットとの認識が増加して図表22 日韓の経済関係いる。
【図表22 日韓の経済関係】


6-4.10年後の朝鮮半島について

 10年後の朝鮮半島の姿について、日韓両国で「予想できない」が最も多いが、韓国では「南北統一に向けた動きが始まる」が2割強に増加している

 10年後の朝鮮半島の姿について、日本人では「予想できない」が50.6%(昨年は47.1%)と半数を占めており、朝鮮半島の将来の姿について判断できない意見が圧倒的に多い。ただ、「現状のまま」(26.2%)と、「北朝鮮との対立が激化する」(11.5%)を合わせると37.7%となり、悲観的な見方が強い。  当事国である韓国でも36.9%(昨年は39.8%)と4割近くが「予想できない」と回答しているが、「南北の統一に向けた動きが始まる」が26.4%(同22.9%)と楽観的な見方が、「現状のまま」の23.2%(同21.7%)、「北朝鮮との対立が激化する」の13.1%(同15.4%)を上回って増加している。韓国の有識者のアンケートでは「南北の統一に向けた動きが始まる」が昨年同様、半数を超えている。
【図表23 10年後の朝鮮半島について】

図表23 10年後の朝鮮半島について


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7.領土紛争と東アジアの軍事・安全保障について

7-1.日韓間の領土紛争について

日本人の約6割、韓国人の約8割が両国間に領土紛争が存在していると回答

 日韓間の領土紛争について、日本人の61.2%(昨年は69.2%)、韓国人の82.1%(同82.7%)が両国間に領土紛争が「存在している」と回答している。  領土紛争があると回答した人に、どのようにしてこの問題を解決していくべきかを尋ねたところ、日本では「国際法での解決をめざし、国際司法裁判所に提訴する」が59.2%で最多。逆に、韓国では「領土を守るために実効支配を強化するべき」との回答が35.3%と最も多くなり、日本世論では2.1%にすぎなかった「軍事的な対応も辞さない」が韓国世論では19.9%あった。ただ、韓国でも平和的な解決を目指す声は少なくなく、「対立の激化を避けて、平和的な解決を追求する」が28.2%、「日本の国際司法裁判所の提訴した場合にはそれに同意すべき」も14.3%ある。


【図表24 日韓間に領土紛争は存在するか】

図表24 日韓間に領土紛争は存在するか

【図表25 領土紛争の解決方法】

図表25 領土紛争の解決方法


7-2.軍事的脅威と東アジアでの軍事紛争に関する認識

 日韓両国ともに最大の軍事的脅威は「北朝鮮」だが、日本では「中国」が大幅に増加、韓国では「日本」が第2位の脅威国となった。さらに韓国では、日韓間の軍事紛争を予想する人が4割を超えている

 日本、韓国ともに最大の軍事的な脅威とみなしているのは「北朝鮮」であり、日本人では72.5%(昨年は78.9%)、韓国人では83.4%(同86.7%)である。日本人の場合は、この「北朝鮮」に次いで「中国」を挙げる回答が多く、71.4%(同60.1%)と昨年から増加し、首位の北朝鮮と並んでいる。韓国でも昨年の調査では「中国」は北朝鮮に続いて2番目に多かったが、今年の調査では39.6%となり、「日本」の46.3%を下回っている。ただ、今年の調査では、韓国側は脅威を感じる国を2つに絞って挙げており(日本ではいくつでも選べる)、単純な比較はできないが、日本を2つ目の脅威国に挙げる人が増加している。  日韓間の軍事紛争の可能性について、日本では「起こらないと思う」との回答が57.0%と6割近くを占めた。日韓間の軍事紛争を懸念する日本人は、「数年以内に起こると思う」(0.4%)と「将来的には起こると思う」(8.8%)の2つを合計しても、1割に満たない。一方、韓国では「起こらないと思う」(47.9%)との回答が最多である点は日本と同様であるが、「数年以内に起こると思う」(6.7%)と「将来的には起こると思う」(34.1%)と、日韓間の軍事紛争を予想する人が4割を超えている。
【図表26 軍事的脅威を感じる国・地域】

図表26 軍事的脅威を感じる国・地域

【図表27 日韓間で軍事紛争は起きるか】

図表27 日韓間で軍事紛争は起きるか


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8.両国のメディア報道・インターネット世論の評価

8-1.相手国に報道や言論の自由は保障されているのか

 両国ともに、相手国の報道や言論の自由を疑っている人が半数を超えている

 韓国国内に、「報道や言論の自由はない」、あるいは「実質的に規制されている」と認識している日本人は51.6%(昨年は49.1%)と半数を超えている。この傾向は韓国人も同様で、日本国内に「報道や言論の自由はない」、あるいは「実質的に規制されている」と認識している人は55.0%(同51.7%)となり、両国ともに5割を超えている。韓国では、昨年の調査で日本に「報道や言論の自由はあると思う」人は45.9%存在したが、今年の調査では22.2%に激減している。
【図表28 相手国に報道・言論の自由はあるか】

図表28 相手国に報道・言論の自由はあるか


8-2.国民感情とメディア報道

 日韓両国民の6割以上が、両国の国民感情の背景にメディア報道の影響がかなり大きいと感じている

 両国の国民感情の背景に、日本世論の62.1%、韓国世論の63.6%が「メディア報道の影響がかなり大きい」と回答している。「メディア報道の影響はない」との回答は日本では2.8%、韓国でも4.9%にすぎない。
【図表229 国民感情とメディア報道】

図表229 国民感情とメディア報道


8-3.自国のメディア報道は客観的で公平か

 韓国では半数が、自国メディアが日韓関係に関して客観的で公平な報道していない、と感じている。

 自国のメディアが日韓関係の報道に関して「客観的で公平な報道をしている」と思うかについて、日本では「どちらともいえない/わからない」が48.7%(昨年は42.5%)と最も多く、「そう思う」が27.0%(同31.3%)と「そう思わない」の24.2%(同26.2%)とほぼ並んでいる。これに対して、韓国では、「そう思わない」が50.9%(同41.6%)と半数を超え、「そう思う」は22.7%(同33.0%)と2割に過ぎない。
【図表30 日韓関係の報道に関して自国のメディア報道は客観的で公平か】

図表30 日韓関係の報道に関して自国のメディア報道は客観的で公平か


8-4.インターネット上の世論は適切な民意なのか

 韓国では約半数が、「ネット世論は民意を適切に反映していない」と感じている。日本では約半数が「どちらかわからない」

 インターネット上の世論が民意を適切に反映しているのかについて、日本では「適切に反映していると思う」は11.7%(昨年は11.2%)とわずか1割にとどまった。「どちらともいえない/わからない」が54.0%(同46.9%)と半数を超えている。一方、韓国人では、「反映していない」との回答が50.6%(同45.4%)と半数を超えている。ただ、35.2%(同39.5%)が民意を「適切に反映している」と回答している。
【図表31 ネット世論は民意を反映しているか】

図表31 ネット世論は民意を反映しているか


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9.両国民の相互理解の背景

9-1.日韓両国民の直接交流の度合い

 両国民ともに相手国への渡航経験は2割程度、両国民の8割以上が相手国民に知り合いはいない

日本人のうち、韓国への訪問経験が「ある」と回答した人は22.5%(昨年は21.4%)、韓国人も24.8%(同23.8%)にとどまり、両国ともに2割にすぎなかった。また、両国民の8割以上が「相手国の国民に知り合いはいない(いたことはない)」と回答しており、両国民ともに相手国との直接交流の度合いが極めて乏しい。
【図表32 相手国への渡航の有無】

図表32 相手国への渡航の有無

【図表33 相手国の知り合いの有無】

図表33 相手国の知り合いの有無


9-2.相手国の情報への関心度や情報源

相手国に関する情報は、両国民ともに9割以上が「自国のニュースメディア」から

 両国民ともに相手国に関する情報源は9割が「自国のニュースメディア」と回答、とりわけ「テレビのニュース」に依存している。その他の情報源として、日本では「韓国のテレビドラマなど」を挙げた人が2割程度、韓国では「韓国ドラマなど」を選んだ人が5割を超え、「家族、知人などの経験」を選ぶ人が4割近くいた。
【図表34 相手国や日韓関係についての情報源】

図表34 相手国や日韓関係についての情報源


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認定NPO法人 言論NPO(担当:吉崎洋夫)
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