言論外交の挑戦

第3回日韓共同世論調査結果

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特定非営利活動法人 言論NPO ・ 東アジア研究院特定非営利活動法人 言論NPO ・ 東アジア研究院

【調査協力】
日本:世論総合研究所 韓国:Hankookリサーチ 
/ 2015年5月

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調査の概要

 日本の非営利組織である言論NPOと韓国のシンクタンクであるEAI(東アジア研究院)は、日韓の両国民を対象とした共同世論調査を2015年4月から5月にかけて実施した。この調査の目的は、日韓両国民の相手国に対する理解や認識の状況やその変化を継続的に把握することで、両国民の間に存在する様々な認識ギャップの解消や相互理解の促進に貢献することにある。

 この調査結果は、両団体が日韓両国の関係改善を目的として一昨年創設した日韓の民間対話「日韓未来対話」の場でも報告され、対話と連動する形でこの調査が使われることになる。

 日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に4月9日から4月30日まで訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000である。回答者の最終学歴は小中学校卒が9.9%、高校卒が45.5%、短大・高専卒が18.3%、大学卒が23.2%、大学院卒が2.1%だった。

 これに対して韓国側の世論調査は、韓国全国の19歳以上の男女を対象に4月17日から5月8日まで調査員による対面式聴取法により実施された。有効回収標本数は1010であり、回答者の最終学歴は小学校以下が7.8%、中学校卒が7.1%、高校卒が37.4%、大学在学・中退(専門大学を含む)が11.4%、大学卒が35.0%、大学院卒が1.3%だった。

 なお、この世論調査と別に、言論NPO及び東アジア研究院は日韓の有識者へのアンケート調査を4月上旬から5月下旬にかけて両国国内で実施した。日本側は、過去に言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の有識者など約6000人に世論調査から抜粋した19問の質問状を送付し、うち634人から回答をいただいた。韓国側は、約5000人の有識者に世論調査から抜粋した全19問のアンケートをメールで送付し、うち310人から回答を得た。これらの回答者は日本及び韓国社会の平均的なインテリ層の姿を表していると考えられ、日韓の世論の調査結果を比較することで、一般的な日本人・韓国人の認識に補完しようと考えた。




1-1.日韓両国民の相手国に対する印象

 日本人の韓国に対する印象は、依然5割がマイナスの印象だが、わずかながら改善している。韓国人の日本に対する印象は悪化に歯止めがかかっていない。


 韓国に対する印象を、「良くない」(「どちらかといえば」を含む、以下同様)と回答した日本人は、52.4%(昨年54.4%)と、依然5割を超えているものの、昨年からはわずかに改善した。「良い」(「どちらかといえば」を含む、以下同様)も23.8%となり、昨年の20.5%より増加している。

 韓国人では、日本に対する印象を「良くない」と回答した人が、72.5%(昨年70.9%)となり、依然として7割が日本に対してマイナスの印象を持っている。「良い」と回答した人も、昨年の17.5%からさらに減少して15.7%となるなど、感情悪化に歯止めがかかっていない。

 ※日本人の有識者では、「良い」の42.7%(昨年41.7%)と、「良くない」の43.2%(昨年44.2%)が、昨年同様拮抗している。韓国の有識者では、「良い」が昨年の51.7%から55.2%へと増加し、半数を超えて、「良くない」の36.4%(昨年36.8%)を大きく上回っている。

【図表1 相手国に対する印象】

図表1 相手国に対する印象

※良い印象は「良い」と「どちらかといえば良い」、悪い印象は「悪い」と「どちらかといえば悪い」をそれぞれ加えた数字


1-2.相手国に対する印象の理由

両国民ともに「歴史」と「領土対立」が相手国の印象に悪影響を及ぼしている。

 日本人が、韓国に対してマイナスの印象を持つ理由は、「歴史問題などで日本を批判し続けるから」が74.6%で昨年(73.9%)に引き続き7割台になっている。これに「領土対立」が36.5%と続いているが、昨年の41.9%からは減少した。

 他方、韓国人が日本にマイナスの印象を持つ理由は「韓国を侵略した歴史について正しく反省していないから」が74.0%と、昨年の76.8%よりはやや減少したが、依然として7割を超えて最も多い。「領土対立」も69.3%(昨年71.6%)で約7割となり、この2つの理由が他を圧倒している。

 それに対し、相手国に対してプラスの印象を持つ理由として、日本人は「韓国のドラマや音楽などへの関心」を挙げる人が51.7%で最も多いが、昨年の59.0%よりは減少した。これに対し、韓国人では、「日本人は親切で、真面目だから」が63.9%(昨年56.8%)と6割を超え、最も多かった。これに「生活レベルの高い先進国」が49.4%(昨年53.4%)が、続いている。日本が「同じ民主主義の国」であることを理由とする人はわずか8.9%で、昨年の14.8%から減少している。


1-3.両国間の国民感情の現状に対する意識

日韓両国民の約7割が悪化する国民感情の現状を「望ましくない」、「問題だ」と認識している。

 両国民間の国民感情が依然として悪い状況を、日本人の29.0%と3割近くが、「望ましくない状況であり、心配している」と考えている。さらに、「問題であり、改善する必要がある」は38.8%と4割近くもあり、この2つを合わせると約7割(67.8%)の日本人が国民感情の現状に対して問題意識を感じていることになる。これに対して韓国人も国民感情の現状を、「望ましくない状況であり、心配している」が26.4%、「問題であり、改善する必要がある」が40.8%となり、こちらも7割近く(67.2%)の人が問題視している。ただ、この状況を「当然」だと考える人は日本では1割に満たなかったが、韓国では28.1%と一定数存在している。

※昨年は、相手国に対する印象が、「特に変化していない」「どちらかといえば悪くなった」「非常に悪くなった」と回答した人についてのみ、現状についての認識を尋ねた。




2.相手国に対する印象

2-1.相手国の「社会・政治体制」の認識

 日本人の半数以上が現在の韓国を「民族主義」、韓国人の半数以上が現在の日本を「軍国主義」と認識している。

 「相手国の現在の社会・政治体制」について、韓国を「民族主義」と考えている日本人は、55.7%で最も多く、昨年の44.8%から約10ポイント増加している。次いで、「国家主義」と見る人が38.6%と、昨年の32.4%を上回った。韓国を「民主主義」と考える日本人は14.0%にすぎず、昨年の21.5%から大幅に減少した。

 これに対して、韓国人は、現在の日本を「軍国主義」と考える人が56.9%と、昨年の53.1%を上回り、最も多い。これに「資本主義」が38.9%(昨年35.2%)で続いている。また、日本を、「覇権主義」とみる韓国人は34.3%となり、昨年の26.8%を大幅に上回った。日本を「民主主義」の国と見る人は22.2%で昨年(24.9%)同様に2割程度である。
日本人、韓国人ともに相手国を「平和主義」とみる見方はそれぞれ6.6%、4.2%と1割にも満たない。

 ※日本の有識者で最も多いのは、世論と同様に「「民族主義」で、78.1%(昨年70.6%)と8割に迫っている。韓国の有識者で最も多いのは、「国家主義」の64.8%で、昨年の57.8%を上回った。これに「民族主義」(46.8%、昨年は53.5%)、「資本主義」(41.0%、昨年は34.0%)が続いている。




3.日韓関係の現在と将来に対する認識


3-1.現在と今後の日韓関係をどう見ているか

 現在の日韓関係を「悪い」と考える人は、日本人の6割超、韓国人の8割近くに達している。今後の日韓関係に関して両国で関係改善への見通しも出始めている。

 現在の日韓関係について、「悪い」(「非常に」と「どちらかといえば」の合計、以下同様)と見る日本人は65.4%となり依然として高水準だが、昨年(73.8%)からはやや改善した。韓国人の場合は、「悪い」は78.3%で、昨年(77.8%)と同様に8割が現状の日韓関係を厳しいと見ている。

 今後の日韓関係の見通しについては、現状の厳しい日韓関係が「変わらない」と見ている人が、日本人で41.4%(昨年32.9%)、韓国人で45.9%(昨年38.1%)と最も多く、昨年よりも増えている。ただ、「良くなっていく(「どちらかといえば」を含む)」が、日本人では21.9%(昨年15.6%)、韓国人では19.0%(昨年13.8%)とそれぞれ昨年から増加しているほか、「悪くなっていく(「どちらかといえば」を含む)」と見る人も、日本人では12.1%(昨年22.7%)、韓国人でも28.4%(昨年39.4%)と昨年から大幅に減少しており、関係改善を見込む人が増え始めている。


3-2.日韓関係の発展を妨げるものとは

 両国民はともに「竹島・独島問題」「従軍慰安婦問題」を日韓関係発展の障害と考えている。

 日韓関係の発展を妨げるものとして、日本人で最も多いのは、「竹島・独島問題」の62.0%だが、昨年の68.9%からは減少している。韓国人でも、この「竹島・独島問題」を88.3%(昨年92.2%)と9割近くの人が選択している。また、今年の調査から、「従軍慰安婦問題」を選択肢に加えたところ、日本人では58.0%、韓国人では63.5%と両国でそれぞれ、2番目に多い回答となった。

 ※これに対して両国の有識者では異なる結果となった。日本の有識者では、「従軍慰安婦問題」(47.3%)が最も多く、これに「韓国の歴史認識と歴史教育」(34.1%)、「韓国メディアの反日的な報道」(33.0%)、「韓国国民の反日感情」(31.5%)が続いている。 韓国の有識者では、「日本の歴史認識と歴史教育」が66.8%と圧倒的に多い。


3-3.日韓関係の重要性をどう見ているか

 日韓関係が「重要である」と考える日本人は6割を超え、韓国人では9割に迫っている

 日韓関係を「重要である」(「どちらかといえば」を含む)と考える日本人は65.3%と最も多く、昨年の60.0%を上回った。一方、韓国人では、87.4%(昨年73.4%)となり、9割近くになっている。これに対して、日韓関係が「重要ではない」(「どちらかといえば」を含む)と考える日本人は15.7%(昨年10.0%)、韓国人は9.1%(昨年6.7%)にすぎない。今回の結果には、「どちらともいえない」という選択肢を今回の調査で削除したことも影響しているが、特に韓国ではその層の大部分が、今年は「重要である」に移ったとみられる。


3-4.中国と比較した場合の日韓関係の「重要性」と「親近感」

 韓国人は、「日本」よりも「中国」に親近感を覚え、韓中関係を「より重要」とみる人が多い。日本人でも日中関係を「より重要」と考える人が増加している。

 日韓関係の重要性を、日中、韓中関係との比較で答えてもらうと、日本人では「どちらも同程度に重要である」が49.1%(昨年47.0%)と半数近くになり、最も多い。韓国人も46.6%(昨年47.0%)と半数近くが「どちらも同程度に重要である」と回答している。ただ韓国では「韓中関係がより重要」が、44.8%(昨年43.8%)と4割を超えており、「どちらも同程度」に並んでいる。日本人でも、日中関係を「より重要」とみる人が昨年の15.6%から25.1%へと10ポイント近く増加している。

 また、韓国と中国でどちらにより親近感を感じるか、では、日本人の場合、「どちらにも親近感を覚えない」が34.5%(昨年31.8%)で最も多かった。昨年は「韓国により親近感を覚える」と回答する人が37.2%で最も多かったが、今年は31.0%に減少している。韓国人では、「中国により親近感を覚える」人が41.0%(昨年38.8%)で最も多く、4割を超えた。「日本により親近感を覚える」との回答は11.1%(昨年12.3%)しかない。




4.政府間外交と民間交流


4-1.日韓首脳会談の必要性と議論テーマについて

 両国民ともに8割を超える人が日韓の首脳会談を必要だと考えているが、韓国では約7割が「急ぐ必要はない」と答えている。首脳会談で議論すべき課題については、日本では「広範な話し合い」が最も多いが、韓国では「歴史認識」と「領土」を重視する姿勢が強い。

 日韓首脳会談に関しては、両国民ともに合わせると8割を超える人が必要だと考えている。ただ、「急ぐ必要はない」が日本人では43.5%(昨年40.5%)、韓国人では69.9%(昨年72.4%)であり、それぞれ最も多かった。首脳会談で議論すべき課題について、日本人では、「両国の関係改善に向けた広範な話し合い」が45.3%で最も多く、昨年の35.6%を大きく上回った。これに対し、韓国人では、「歴史認識問題と従軍慰安婦問題」が77.7%(昨年76.3%)で最も多く、これに「独島問題」が69.6%(昨年70.3%)で続き、「歴史認識」と「領土」を重視する姿勢が強い。

 ※これに対して、有識者では日本人の53.5%(昨年50.2%)、韓国人でも68.1%が「両国の関係改善に向けた広範な話し合い」を選択し、それが最も多い回答となっている。


4-2.相手国首脳に対する印象

 両国民ともに相手国の首脳に対して「悪い印象」が最も多く、特に、韓国人の日本の首相への「悪い印象」は8割を超えている。

 韓国の首脳に対して「悪い印象」(「大変」と「どちらかといえば」の合計、以下同様)を持っている日本人は48.3%(昨年45.3%)と半数近くなり、最も多い。「良い印象」(「大変」と「どちらかといえば」の合計、以下同様)は5.2%(昨年7.0%)にすぎない。これに対して、韓国人では、日本の首脳に対して「悪い印象」を持っているのは80.5%と、昨年の75.9%を上回った。「良い印象」はわずか2.1%(昨年1.8%)である。


4-3.相手国への訪問についての認識

 相手国に行きたい日本人は4割を超え、韓国人では6割に迫っている。

 韓国に「行きたい」という日本人は40.7%(昨年41.6%)、日本に「行きたい」という韓国人は59.2%(昨年60.9%)となり、日韓ともに相手国への訪問に対する興味は昨年と同様に高い。ただ、「行きたくない」という回答も、日本人の35.9%(昨年37.3%)、韓国人では31.0%(昨年30.9%)と3割程度存在している。





5.日韓両国の歴史問題に関する認識


5-1.歴史問題に関する日韓両国民の認識

 日本には、歴史認識問題の解決を困難視する見方が最も多く、韓国では「歴史認識問題が解決しなければ、両国関係は発展しない」という歴史問題の解決を日韓関係の前提とする見方が最も多い。

 日韓関係と歴史問題の関係について、日本人では、「両国関係が発展しても、歴史認識問題を解決することは困難」が35.1%(昨年34.7%)と最も多く、「両国関係が発展するにつれ、歴史認識問題は徐々に解決する」と楽観視する見方は、19.3%と昨年(20.0%)と同様に2割程度にとどまっている。これに対して、韓国人では、「歴史認識問題が解決しなければ、両国関係は発展しない」と、歴史問題の解決を日韓関係の前提とする見方が、52.5%と半数を越え、昨年の41.1%を大きく上回った。「両国関係が発展しても、歴史認識問題を解決することは困難」という回答は24.8%(昨年30.6%)、「両国関係が発展するにつれ、歴史認識問題は徐々に解決する」という回答は20.9%(昨年23.3%)と、それぞれ2割程度ある。

 その歴史問題で解決すべきものとしては、日本人で最も多いのは、「韓国の反日教育や教科書の内容」が52.5%(昨年56.1%)で、これに「日本との歴史問題に対する韓国人の過剰な反日行動」が52.1%(昨年54.4%)で並んでいる。

 これに対して、韓国人では、「日本の歴史教科書問題」が76.0%と、昨年の81.9%よりは減少したが最も多い。これに「従軍慰安婦への補償」が69.8%(昨年71.6%)、「侵略戦争に対する日本の認識」が60.9%(昨年70.6%)、「日本人の過去の歴史に対する反省や謝罪の不足」が59.6%(昨年58.7%)で続いている。


5-2.首相の靖国神社参拝問題

 首相の靖国神社参拝について、日本人の7割が容認しているが、韓国人の7割近くが、「公私ともに参拝すべきではない」と、反対している。

 首相の靖国神社参拝について日本人は、「参拝しても構わない」と容認する人が41.3%(昨年43.0%)と、昨年同様4割を超えている。これに「私人としての立場なら、参拝しても構わない」の29.1%(昨年24.9%)を合わせると、70.4%と7割を超える日本人が参拝を容認している。他方、韓国人では、64.6%(昨年66.5%)が、「公私ともに参拝すべきではない」と回答。「参拝しても構わない」はわずか3.3%(昨年3.1%)であり、「私人としての立場なら、参拝しても構わない」の22.4%(昨年21.8%)を合わせても容認は3割に満たない。






6-1.10年後の朝鮮半島について

 10年後の朝鮮半島の姿について、日韓両国で「現状のまま」との見方が増加している。

 10年後の朝鮮半島の姿について、日本人では、「現状のまま」が昨年の26.2%から42.1%へと大幅に増加し、「予想できない」の33.9%(昨年50.6%)を上回った。

 当事国である韓国でも、「現状のまま」が、35.0%で最も多く、昨年の23.2%から大幅に増加し、昨年、36.9%で最も多かった「予想できない」の26.3%を上回った。ただ「南北統一に向けた動きが始まる」と考える人も27.6%(昨年26.4%)と3割近く存在している。

 ※日本の有識者では、「予想できない」が33.4%(昨年30.8%)で最も多いが、「南北統一に向けた動きが始まる」が27.8%(昨年30.3%)と3割近い。韓国の有識者では、「南北統一に向けた動きが始まる」が46.1%(昨年50.9%)で最も多い。






7-1.日韓の経済関係

 日韓の経済関係に関しては両国ともに、相手国の経済発展は自国にもメリットである、という認識が最も多い。

 日韓間の経済関係について、「日本にとって韓国の経済発展はメリットであり、必要である」(「どちらかといえば」を含む、以下同様)との見方を持つ日本人は49.5%(昨年42.8%)と半数近くとなり、韓国の経済発展は日本にとってもメリットとの認識が増加している。

 韓国人でも、この「メリット」との見方が、46.6%(昨年43.3%)であり、「韓国にとって日本の経済発展は脅威である」(「どちらかといえば」を含む)との見方の37.0%(昨年37.5%)を上回った。






8-1.軍事的脅威と日韓間の軍事紛争に関する認識

 韓国では「日本」を軍事的脅威とする見方が6割近くあり、さらに、日韓間の軍事紛争を予想する人が4割近くいる。

 日本人が、最大の軍事的脅威と見なしているのは、「北朝鮮」であり、71.6%(昨年 72.5%)で最も多かった。「中国」が64.3%で続いているが、昨年の71.4%からは減少した。韓国人が考える軍事的脅威は、「北朝鮮」の83.4%(昨年も83.4%)が最も多いが、それに続くのは「日本」の58.1%であり、昨年の46.3%から大幅に増加し、「中国」の36.8%(昨年39.6%)を引き離している。

 また、日韓間の軍事紛争の可能性について、日本人では「起こらないと思う」が、昨年の57.0%を上回り、今年は65.7%と6割を超えた。「数年以内に起こると思う」(0.7%、昨年は0.4%)と「将来的には起こると思う」(8.6%、昨年は8.8%)の2つを合計しても、軍事紛争を懸念する日本人は9.3%と、1割に満たない。一方、韓国でも「起こらないと思う」が48.2%(昨年47.9%)で最も多いが、「数年以内に起こると思う」(5.3%、昨年は6.7%)と、「将来的には起こると思う」(32.5%、昨年34.1%)の2つを合わせると、日本との軍事紛争を予想する人が37.8%と4割近く存在している。

 東アジア地域の領土問題の解決策について、日本人で最も多いのは、「国際司法裁判所に提訴して判断を仰ぐ」の38.8%で、これに「2か国間の対話で平和的解決を目指す」が21.5%で続いている。これに対して、韓国人では、「2か国間の対話で平和的解決を目指す」が33.4%で最も多いが、これに「国際司法裁判所に提訴して判断を仰ぐ」が25.0%で続いている。ただ、「実効支配を強め、他国の介入を阻止する」も17.9%存在する。

 ※日本の有識者では、「領有権の判断を当面は棚上げし、2国間の友好・関係改善を優先する」が31.2%で最も多い。それに対して、韓国の有識者では、「実効支配を強め、他国の介入を阻止する」が37.1%と4割近くいる。







9-1.自国のメディア報道は客観的で公平か

 日本では、「どちらともいえない/わからない」が最も多いが、韓国人の半数が、自国メディアが日韓関係に関して「客観的で公平な報道」をしていないと感じている。

 日本人では、日本のメディアが日韓関係の報道に関して「客観的で公平な報道をしているか」ということに関して、「どちらともいえない/わからない」が43.0%(昨年48.7%)と最も多く、「そう思う」の28.8%(昨年27.0%)と、「そう思わない」の28.2%(昨年24.2%)が同じ水準である。これに対して、韓国では、「そう思わない」が51.7%(昨年50.9%)と半数を超えており、「そう思う」は26.5%(昨年22.7%)と2割台にとどまっている。


9-2.インターネット上の世論は適切な民意なのか

 日本人の4割、韓国人の半数が、「ネット世論は民意を適切に反映していない」と感じている。

 インターネット上の世論が民意を適切に反映しているのかについて、日本人では、「適切に反映してはいない」(「あまり」を含む、以下同様)が、昨年の34.1%から今年は42.9%へと増加し、「どちらともいえない/わからない」の45.3%(昨年54.0%)に並びかけている。「適切に反映していると思う」は11.5%(昨年11.7%)とわずか1割にとどまった。他方、韓国人では、「反映していない」が51.2%(昨年50.6%)と半数を超えている。ただ、「適切に反映している」も35.2%(昨年35.2%)と一定数存在している。






10-1.日韓両国民の直接交流の度合い

 両国民ともに相手国への訪問経験は2割程度。日本人の7割以上、韓国人の8割以上が相手国民に知り合い、を持っていない。

 日本人のうち、韓国への訪問経験が「ある」と回答した人は26.0%(昨年22.5%)、韓国人も26.0%(昨年24.8%)にとどまり、両国ともに2割にすぎなかった。また、日本人では75.7%(昨年82.2%)、韓国人では88.2%(昨年87.2%)が「相手国の国民に知り合いはいない(いたことはない)」と回答しており、両国民ともに相手国との直接交流の度合いが極めて乏しい。


10-2.相手国の情報への関心度や情報源

 相手国に関する情報は、両国民ともに9割以上が「自国のニュースメディア」から得ており、特に「テレビ」に依存している。

 両国民ともに相手国に関する情報源は9割以上(日本は94.3%、韓国は94.6%)が「自国のニュースメディア」と回答、とりわけ「テレビ」に依存している。その他の情報源として、「韓国のテレビドラマなど」を挙げた日本では18.1%と2割近く、韓国では58.1%と6割近く存在する。韓国ではそのほか、「家族、知人などの経験」を選ぶ人が44.0%いたほか、「韓国の有識者が行っている議論」が昨年の3.2%から23.5%へと20ポイント以上増加している。






11-1. オリンピック・パラリンピックと日韓関係

 2018年平昌、2020年東京の両オリンピック・パラリンピック大会が、日韓関係の進展に向けた大きな役割を果たすと考えている人は、日本人では41.6%と多かったが、韓国では逆に41.9%が、期待していない。

 韓国では2018年に平昌で、日本では2020年に東京でそれぞれオリンピック・パラリンピック大会が開かれる。そこで、今年の調査では、これらのスポーツイベントに関連した設問を新設した。まず、両オリンピック・パラリンピック大会を契機として、日韓が友好関係を深めることができると思うか尋ねたところ、日本人では、「そう思う」(「ややそう思う」を含む、以下同様)という回答が41.6%と4割を超え、「そう思わない」(「あまりそう思わない」を含む、以下同様)の34.8%を上回っている。

 対照的に、韓国人では、「そう思わない」が41.9%で、「そう思う」の33.8%を上回っており、両オリンピック・パラリンピック大会が日韓関係進展に向けた大きな役割を果たすとは考えていない人の方が多い。

 次に、両パラリンピック大会が、高齢者や障害を持つ人に対する一般的な理解や認識を深める契機となるかを尋ねた。

 これに対し、日本人では「そう思う」が57.4%と5割を超えている。韓国人でも53.4%と、5割を超え、ここでは両国で肯定的な評価が見られる。

 最後に、両パラリンピック大会に向けて、日韓両国がどのような対話や交流、協力をしていくべきか、に関しては、日本人では、「障がい者の社会参画に関する対話や交流」(53.0%)と、「障がい者スポーツの振興に向けた協力」(50.3%)の2つが半数を超えた。

 韓国人では、「障がい者の社会参画に関する対話や交流」の45.5%が最も多く、それに「障がい者スポーツの振興に向けた協力」が33.7%で続いている。


<本件調査に関するお問い合わせは下記までお願いいたします>
〒104-0043 東京都中央区湊1丁目1-12 HSB鐵砲洲4階
認定NPO法人 言論NPO(担当:吉崎洋夫)
TEL:03-6262-8772
FAX:03-6262-8773
メール:info@genron-npo.net

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