言論外交の挑戦

「第3回日韓未来対話」晩餐会 報告

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 言論NPOと東アジア研究院(EAI)は、日韓国交正常化50周年に行われる「第3回日韓未来対話」を翌日に控えた6月20日、東京都内のホテルオークラ東京にて、晩餐会が行われました。

150620_kudo.jpg まず、日本側主催者団体を代表して、言論NPO代表の工藤泰志が、挨拶に登壇しました。工藤は、本対話の特徴として、「世論調査に基づくこと」、「市民に対して議論が公開されること」の2点をあげた上で、その趣旨として、「市民が自分で考え、日韓関係に関わる課題を解決していくという意思を持ち、それが世論となっていくようにならなければ、本当の意味で日韓関係を改善していくことはできない。その市民に日韓関係について考えてもらうきっかけをつくるのがこの対話だ」と語りました。
 さらに、未来対話の「未来」の意味として、「将来、日韓両国がどのような協力関係を構築していくか、ということに重点を置いた議論をしていくからだ」と説明し、「世論調査結果には両国民がお互いに相手国の重要性を見失いそうな危険な兆候が見られる。日韓関係がなぜ重要なのか、語り合っていきたい」と明日から始まる対話への抱負を述べました。

150620_kawamura.jpg 続いて、本日、外務省を代表しての登壇が予定されていたものの、急遽開催される日韓外相会談の準備に伴う訪韓のため、欠席された杉山晋輔・外務省外務審議官より、本対話へのメッセージが寄せられ、これを川村泰久・外務省外務報道官が代読しました。

 杉山外務審議官はメッセージの中で、「日韓間で定点観測的に世論調査を行うことはもちろんのこと、その結果に基づいて対話を行うことは、両国間で生じる誤解を解き、相互理解を深め、新たな局面を切り開くことになる」と述べ、本対話の意義を高く評価。
 さらに、国交正常化以降50年にわたる日韓の協力関係発展を支えてきたのは、両国民間の様々な交流であったことを指摘した上で、「先日発表された『日韓共同世論調査』の結果を見ると、両国民の相手国に対する感情は必ずしも良いものとは言えないが、この現状を好ましくないと考えている、日韓関係が重要であると考えている両国民が多数存在することも事実だ」と述べ、「この現状分析をもとに、各分野の専門家の間で率直に意見交換を行い、日韓の新たな未来を開いてほしい」と本対話に対して強い期待を寄せました。

150620_shin.jpg 次に、韓国側座長挨拶として、元駐日大使の申珏秀・国立外交院国際法研究所所長は、国交正常化以降、この50年にわたる日韓間の交流が、政府主導から民間主導になってきたことを指摘した上で、「これからますます日韓間には重層的、複合的なネットワークがつくられていく。そういう時代だからこそ、この対話が果たす役割が大きい」と述べました。さらに、申氏は、「政府間関係も少しずつ動き始めている。国交正常化50周年という節目の前日に行われる対話が、日韓関係における新たな一歩を踏み出す大きなきっかけとなるような対話にしていきたい」、「さらに、日韓2国間にとどまらず、『北東アジア』というより大きな視点で議論していくことが必要だ」と列席しているパネリストたちに呼びかけました。

150620_ogura.jpg 日本側座長挨拶として、元駐韓国大使の小倉和夫・国際交流基金顧問は、「現在、日韓関係は悪いと言われている。そういう状況では『なぜ、悪くなったのか。どう改善するか』という議論になりがちであるが、それだけではなく、日韓関係のポジティブなところにも着目し、それをいかにして伸ばしていくか、という視点で議論をしていくことも大切だ」と語りました。そして、「韓国側には、『過去の反省なくして未来は語れない』という声が多い。確かにその通りであるが、過去を振り返りすぎると、未来は見えなくなる。『未来対話』の本旨に沿った議論をしていきたい」と抱負を述べました。

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 そして、工藤と、李淑鍾・東アジア研究院(EAI)院長から日韓両国のパネリストが紹介されました。

150620_recep2.jpg 日本側パネリストを代表して、元外務大臣の川口順子・明治大学国際総合研究所特任教授は、2002年の日韓共催によるサッカーワールドカップでの印象深い思い出として、両国民が、互いに相手国を応援し合い、非常に盛り上がっていたことに触れつつ、「今の日韓関係には色々と問題があるが、あの頃のような関係に戻すためにも、明日からの対話に力を尽くしたい」と語りました。

150620_recep3.jpg 韓国側パネリストを代表して、鄭在貞・ソウル市立大学韓国歴史学教授は、自身も携わった日韓歴史共同研究が関係悪化の中でも継続したことに触れながら、「とにかく継続することが大事だ。日韓両国は喧嘩をしていてもお互いに似通ったところがある。地道に継続して議論をしていけば関係改善の糸口はつかめる」と述べました。

150620_chung.jpg 最後に、閉会の挨拶として、廉載鎬・高麗大学総長は、「政治・行政を起因として日韓関係が悪化しているが、残念なことに最近はメディアもそれに乗ってしまっている」と指摘した上で、「日韓両国民の相互認識が食い違う中、市民を適切にリードする有識者の役割はきわめて大きい」と述べました。廉氏は、産業構造の変化、格差問題、少子高齢化問題など、日韓に共通の課題は大きいことに触れつつ、「有識者がそういうアジェンダ設定をリードし、未来に向かうような議論を始めなければならない」と本対話の意義を強調しました。さらに、廉氏は、「今後、20年以内に日韓間には『生活共同体』がつくられるであろう。その時、後輩たちに『20年前の先輩たちが頑固だったせいでうまくいかない』と批判されないためにも、今回、意味のある対話をしていこう」と呼びかけました。

 この発言に対し工藤も、「次世代のためにも、明日からの対話でひとつの流れをつくる」と応じ、晩餐会を締めくくりました。

 明日、開催される「第3回日韓未来対話」での議論は、言論NPOのホームページで随時アップいたします。日韓間における民間外交の最前線の議論をぜひご覧ください。

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